
埼玉県警は7月16日、在学中に担当していた元生徒の女性に性的暴行を加えたとして、県立高校教諭の茂木良太容疑者(41)を、改正前刑法の強制性交等の疑いで再逮捕した。
茂木容疑者は別の女子高校生をめぐる事件で5月に逮捕され、6月に児童福祉法違反などの罪で起訴されていた。時事通信によると、現在は休職中だ。
卒業直後に連絡先を交換 その日の夜に女性宅へ
TBS NEWS DIGによると、茂木容疑者は2022年4月、卒業直後に高校を訪れた10代後半の女性へ「久しぶりに話そう」などと声をかけ、連絡先を交換したとされる。女性は在学中、茂木容疑者が担当していた元生徒だった。
その日の夜、茂木容疑者は1人暮らしだった女性の自宅を訪れ、部屋に入った後に「静かにしろよ」と怒鳴るなどして脅し、性的暴行を加えた疑いが持たれている。日本テレビ系は、女性の口を手でふさいだとも報じた。茂木容疑者は「何も言いたくありません」と黙秘している。
行為時期が2023年7月の刑法改正前のため、逮捕容疑は不同意性交等ではなく、当時の強制性交等となった。
別の女子高校生への事件で起訴 県警は他の被害も捜査
茂木容疑者は2023年、教え子だった女子高校生に自宅で性的暴行を加えようとしたとして、2026年5月に準強制性交未遂容疑で逮捕された。6月には児童福祉法違反などの罪で起訴されている。
今回の容疑は、この捜査を進める中で判明した。県警は、他の女性にも同様の行為をしていた可能性があるとみて捜査を続けている。
埼玉県教委の資料は私的連絡と校外面会を警戒
埼玉県教育委員会が現在公開する不祥事防止研修資料は、児童生徒の電話番号やメール、通信アプリの連絡先を取得する際の校内ルールを確認するよう促している。職務と関係のない電話やメール、校外での個人的な面会、密室で2人になる指導も点検項目に挙げた。
同資料には、2020~2022年度にわいせつ行為で懲戒処分となった27件のうち、自校の児童生徒が被害者だった事例が10件、SNSがきっかけの事例が9件とある。被害を卒業後に相談するケースもあると記している。
今回報じられたのは、学校で教員と卒業生が連絡先を交換し、その日のうちに私的な場で2人になったという経緯だ。一方、この研修資料の点検項目は在校中の「児童生徒」を対象とし、卒業直後の元生徒との私的接触には明示的に触れていない。
12月25日施行の「日本版DBS」、現職教員も確認対象に
教員による性暴力を防ぐ新たな制度として、2026年12月25日に「こども性暴力防止法」が施行される。同法の柱となるのが、学校や保育所などに、子どもと接する教員・保育士らの性犯罪歴の確認を義務付ける、いわゆる「日本版DBS」だ。英国のDBS(Disclosure and Barring Service)を参考にした仕組みで、不同意性交等や不同意わいせつ、児童買春、盗撮など、法律が定める「特定性犯罪」の前科の有無を国を通じて確認する。
施行後に新たに採用・配置される教員は、業務に就く前の確認が原則となる。すでに勤務している教員も対象となり、学校側は施行から3年以内に確認を終える必要がある。
制度は性犯罪歴の確認だけにとどまらない。こども家庭庁が7月17日に公表した準備ガイドでは、教員と子どもの私的なSNSでのやり取りや、2人きりで私的に会う行為を「不適切な行為」の例として挙げた。就業規則への禁止事項の明記や、相談・報告体制の整備、子どもとの面談なども対策に含まれる。
ただし、確認できるのは一定期間内に有罪が確定した前科に限られる。逮捕や起訴の事実だけでは記載されず、被害が申告されず事件化していないケースも対象にならない。性犯罪歴の確認と並行して、私的な連絡や1対1の面会を管理し、不適切な行為を早い段階で把握する体制が必要となる。



