
「絶対に別れません」。
いつもは独特の言葉遣いと冗談で視聴者を笑わせるきゃにょんが、夫との別れを前に切実な思いを口にした。
2026年10月、キャバ嬢でインフルエンサーのきゃにょんと、夫のけいとをめぐる離婚騒動がSNSで拡散。
夫婦のYouTubeチャンネルは「100日後に離婚する夫婦」へと名前を変えた。
離婚を望む夫と、関係を続けたい妻。人々の目を引いたのは、その対立だけではない。
「いつも面白いきゃにょん」の涙が、見る側の印象を変えていた。
笑いの向こうの涙
自称「世界で一番可愛いプリンセス」「永遠の14歳」。
きゃにょんは、外見の華やかさと、ユーモラスな言動のギャップで支持を集めてきた。
「14歳」は実年齢ではなく、あくまでキャラクターとしての名乗りだ。
そんな彼女が10月27日夜のTikTokライブで見せたのは、冗談では包みきれない感情だった。
夫から離婚を切り出されたと明かし、涙ながらに家族を求める思いを訴えたという。
普段なら笑いに変わる言葉が、この日は切実に響く。
SNSでは、いつもの姿との落差に驚き、応援したいと受け止める声が上がった。
もっとも、明るいキャラクターも涙も、どちらも彼女の一面だ。
「ふざけている人」にも、笑えない夜はある。今回の配信は、その当たり前のことを視聴者に強く意識させたようだ。
仲直りから離婚話へ
騒動に先立つ10月24日、夫婦は大喧嘩の翌日に食事をしながら話し合う動画を公開した。
きゃにょんは夫への言い方に気を使っていると説明。
一方、けいとも妻への理解が足りなかったという趣旨で応じたが、コメント欄では夫の言動への批判が集まった。
26日にはけいとが反省を述べる動画を公開。
しかし、27日夜の妻のライブ配信で、問題が解決していないことが表面化した。
拡散時には「妹の件が原因」という説明も流れた。
ただ、報道にある妹との連絡や贈り物の話は、きゃにょんと実家の家族との関係にかかわるもの。
夫が何に対して離婚を切り出したのかと、ひとまとめにはできない。
28日の説明で、けいとは意見を否定され、怒鳴り合いになる衝突が繰り返されてきたと主張した。
きゃにょんも、自分が我慢してきたことはあると反論しつつ、離婚を拒否。双方の説明には、それぞれの苦しさがにじむ。
その末に示されたのが、約100日間は離婚せず、お互いに歩み寄るという方針だった。
説明欄には2027年2月5日まで「なるべく毎日」動画を投稿すると記載。
関係が改善し、結婚生活を続ける可能性も残している。
SNSから審査員へ
今回の騒動で名前を知った人もいるだろう。
だが、きゃにょんは以前から大きな発信力を持っていた。
企業が公表したプロフィールによれば、TikTokでの活動開始は2024年7月。
2026年5月時点でSNSの総フォロワー数は110万人を超え、同月から六本木のキャバクラ「Baron ROPPONGI」に在籍している。
雑誌「東京カレンダー」の特集にも登場し、8月にはYouTubeのキャバ嬢オーディション番組「LAST CALL」に審査員の「クイーン」として参加。
9月には駅広告や格闘技イベントのラウンドガールにも活動を広げた。
SNSの短い動画で培ったキャラクターが、番組の会話でも注目されるようになった形だ。
本人は取材で芸能活動は未経験と答えており、SNSと接客の現場から露出を増やしてきた人物といえる。
夫はヘアメイク
夫のけいとは、「Keito」名義で活動するヘアセット・ヘアメイクの仕事をしている。
仕事用Instagramには新宿の「BELUGA」と記載があり、ヘアアレンジの写真や施術動画を投稿。
10月28日の確認時点で、フォロワーは約2.1万人だった。
結婚公表後にはホスト説も流れたが、きゃにょんは動画で否定している。
本名や学歴、詳しい職歴など、確認できる公開情報は限られる。
夫婦の質問動画を紹介した記事によれば、出会いは約3年前。
きゃにょんの勤務店でけいとがヘアメイクを担当したことが接点だったという。
交際約3カ月で結婚したとされるが、仕事上の付き合いまで短かったわけではない。
また、9月20日は結婚を公表した日であり、入籍日とは区別が必要だ。
「結婚1カ月で離婚危機」と単純に捉えると、2人が重ねてきた時間を見誤る。
発信の規模は妻の方が大きい。
「きゃにょんの夫」として注目される一方、夫婦の会話を公開すれば、自身の言動も多くの視聴者から評価される立場になった。
応援の行き先
YouTubeのコメント欄には、単純な夫婦どちらかへの支持では括れない声が並んでいる。
夫婦喧嘩動画では、妻が言葉を選んでいるように見える、表情がつらそうだと心配する反応が目についた。
号泣配信だけが共感の出発点ではなく、以前の動画から変化を感じ取っていた視聴者もいた。
一方、長い説明動画には、夫の疲弊を理解する意見や、妻にも相手の話を聞いてほしいという指摘がある。
夫婦カウンセリングを提案するコメントも複数上がったいた。
最新動画では「100日」という期限そのものへの疑問も出た。
別れたくない側に負担が大きいのではないか、撮影を休んだ方がよいのではないか。
関係修復を願う声と、離婚にこだわらず自分を大切にしてほしいという声が交差している。
笑いを届けてきた彼女に、今度は視聴者が言葉を返している。
その応援が願うのは、必ずしも同じ結末ではない。
「100日後」の答え以上に、きゃにょんが安心して笑える日を待つ人もいる。



