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北海道白糠町、新規就農支援で移住5年目の農家が成果 かぼちゃ約100トン収穫

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白糠町・矢部農園
提供:白糠町

ふるさと納税による応援を元手に、移住者が一次産業に挑む。北海道の白糠町で、新規就農の支援を受けて移り住んだ農家が、5年目に大きな成果を上げた。

2021年に移住した矢部公輝さんは、今年、かぼちゃの収穫量が約100トンに達する見込みだ。町は、移住就農と子育ての両面から、一次産業の担い手を支えている。

 

移住5年目、かぼちゃ約100トンへ

同町によると、白糠町はふるさと納税で全国から集まる応援を、農業や酪農、漁業などの一次産業に生かしている。矢部さんは、その支援を受けて2021年4月に地域活性化支援員として移住し、翌2022年に自分の農地を持った。かぼちゃと長芋を中心に営み、5年目を迎えた今年、かぼちゃは9月中旬に収穫期を迎えた。収穫量は約100トンを見込む。このかぼちゃは、白糠町のふるさと納税返礼品として、数量限定で受け付けを始めた。矢部さんは北海道幕別町の出身で、帯広畜産大学を卒業後、農業協同組合や民間企業での勤務を経て、白糠にたどり着いた。農家の家庭で育ち、幼いころから農作業を手伝ってきた経験が、就農の土台にある。

 

「出口から決める」農業

矢部さんの農業には、明確な考え方がある。同町によると、まず販売先と単価を決めてから、その要望に合わせて作付けの面積を決める「出口から決める」やり方をとる。たくさん収穫しても単価が安ければ収益にならないため、まずベースとなる収益の確保を重視する。栽培では、畑ごとに状況を見極める。水のたまりやすい場所は排水対策を施し、前年に病気が出た場所は避けて別の作物を植える。土壌診断を毎年行い、不足する養分を必要な分だけ補う。肥料が過剰になれば川や海に流れ出て環境に影響するため、計算を重んじるという。

白糠は冷涼なイメージを持たれがちだが、海側と山側では気候が大きく異なる。海側が25度のとき、農園のある山側では30〜35度になることもあるという。かぼちゃと長芋は暑さに比較的強いため、この地域の作物に選んだ。露地栽培は天候に左右されやすく、毎年同じやり方が通用するわけではない。畑の一つひとつに目を配る姿勢が、安定した収穫を支えている。

 

人手の課題と、仲間づくり

規模が広がる中で、人手の確保が課題となっている。同町によると、かぼちゃ畑は約6ヘクタールあり、収穫は一つずつはさみでヘタを切る手作業だ。収穫量は20トントラック5台分にのぼり、収穫期の1週間ほどで一気に作業するため、多いときで15〜20人を雇う。矢部さんは、農業の仲間を増やしたいと考えている。機械の共有や作業の助け合いができれば、一人では難しいことも実現できるという。白糠の農業は酪農が中心で、畑作はこれから発展させる段階にあると見ており、挑戦したい人に知識や実践を伝えたいとしている。収穫が短期に集中するだけに、季節の労働力をどう確保するかも、産地が広がるうえでの課題となる。

 

子育て支援で、暮らしも支える

白糠町は、就農だけでなく、暮らしの面からも移住者を支える。同町は「子育て応援日本一」を掲げ、出産祝い金や保育料の無料化、小中高の給食費無料、18歳までの医療費の全額無料などに取り組む。両親が遠方に住む矢部さん夫妻は、地域で子どもを見てもらえるこども園の存在をありがたく感じているという。

妻のあゆ美さんは、静岡県出身で販売職として働いてきた。夫婦は別々の仕事を持ち、妻が農業を手伝うことは決まりではない。白糠を初めて訪れた際に景色や空気を気に入り、家を持つことを選んだという。自分たちらしい暮らしを、この町でつくっている。

人口約7000人の白糠町にとって、移住者が一次産業に根を下ろすことは、町の将来を支える力になる。茶路川など3本の川に鮭が戻る漁業の町として知られ、近年はブリの漁獲も増えている。一次産業が暮らしの基盤にある土地で、新たな畑作の担い手が育ちつつある。働く場と、子育てのしやすさ。その両輪で移住者を迎える町の取り組みが、どこまで担い手を増やせるのかが注目される。

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ライター:

Sacco編集・ライター。企業に直接出向く取材が中心。扱う記事はサステナビリティ、ウェルビーイング関係が多め。

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