
選別や精製の壁を飛び越え、混ざり合った未活用素材をそのまま受け入れる。Hameeの新事業は、従来の技術が抱えていた限界を鮮やかに打ち破り、持続可能な資源循環の現実的な選択肢を示している。
未選別の廃材をそのまま製品に変える新アプローチ
プラスチック再生の現場で長年大きな壁となってきたのが、素材をきれいに分ける選別作業だ。種類の違う素材が混ざっていたり、小さな異物が残っていたりする廃材は、質の高いリサイクルが難しく、多くが処分に回されてきた。
Hameeが展開するParallel Plasticsは、この課題へ真っ向から向き合う。素材を細かく整えるペレット化の工程を省き、新しいバージン材を一切足さずに、混ざり合った状態のまま成形する独自の手法を作り上げた。
不均一な素材の表情をデザインの価値へ

2026年9月の見本市で公開される新作のブックエンドには、1点につき約1.7kgもの未活用素材が使われている。
これまでのプラスチック製品では重くなりすぎるため敬遠されてきた極厚のデザインを、あえて採用した。素材の混ざり具合がそのまま美しいマーブル模様となって現れ、素材本来の個性をプロダクトの魅力へと昇華させている。
厳密な分別を前提とせず、多様な廃材をそのまま受け入れる懐の深さに、他社にはない圧倒的な強みがある。
従来の枠組みを揺らす再生への哲学
この取り組みの底にあるのは、徹底した分別と精製ばかりを求める従来のリサイクルに対する疑問だ。
完璧な管理だけに頼っていては、日夜排出され続ける廃棄物のスピードに追いつかない。だからこそ、既存のルートと並行して機能する「もうひとつの道」を用意することこそが、この事業の根底にある考え方だ。
素材の不均一さを欠点と捉えず、製品ごとの味わいとして活かす発想の転換が、持続可能な循環モデルを支えている。
ものづくり企業がもたらす新しい問いと学び
資源循環を前に進めるために必要なのは、回収する側の分別努力だけではない。
どんな状態の素材であっても柔軟に受け入れられる製品側の設計思想を持つことの大切さを、同社の姿勢は教えてくれる。企画の段階から素材の不均一さを受け入れる視点を持つことが、これからの環境経営において大きな鍵となるはずだ。



