
配達中の軽ワゴン車を奪い、制止しようとした配送業の男性(52)を約165メートル引きずったとして、大阪府警は2026年7月16日、住居不定・無職の原田斗輝容疑者(24)を強盗殺人未遂の疑いで再逮捕した。
男性は外傷性くも膜下出血などの大けがを負った。原田容疑者は黙秘している。再逮捕翌日には、車内の積載物の一部が見つかっておらず、警察が証拠隠滅を図った可能性も調べていることが新たに報じられた。
「俺の車やぞ」と叫び、車体をつかんだ男性を引きずる
事件が起きたのは6月24日午後7時すぎ。大阪市鶴見区の路上で、配送業の男性が配達のため、エンジンをかけたまま軽ワゴン車を止めていた。
そこへ原田容疑者が乗り込み、車を奪って逃走しようとした。異変に気づいた男性は「俺の車やぞ」などと叫び、発車を止めようと助手席側の車体をつかんだという。
それでも原田容疑者は車を急発進させ、男性を約165メートル引きずったまま蛇行運転を続けたとされる。男性は路上に転倒し、頭などを強く打って外傷性くも膜下出血などのけがを負った。
車内には男性が持っていた現金24万円入りの封筒や財布、配送物などが積まれていた。車両を含む被害額は約225万円相当とされている。
事件翌日に車両発見 ゲートバーを壊して再び逃走図る
大阪府警は防犯カメラ映像などから、奪われた軽ワゴン車が大阪市北区内に移動したとみて捜索を続けた。
事件翌日の6月25日、大型商業施設の駐車場で車を発見し、乗っていた原田容疑者に職務質問しようとした。すると原田容疑者は車を発進させ、駐車場のゲートバーを壊して逃走を図ったという。
捜査車両が逃走経路をふさいでいたため突破できず、府警は原田容疑者を器物損壊容疑で現行犯逮捕。その後、車両強奪と男性を引きずった経緯を捜査し、約3週間後に強盗殺人未遂容疑で再逮捕した。
なぜ強盗殺人未遂容疑となったのか
刑法238条は、窃盗犯が盗んだ物を取り返されるのを防ぐため、逮捕を免れるため、または犯行の証拠を隠すために暴行や脅迫をした場合、「強盗として論ずる」と定めている。
今回、府警は、配送車を奪う際に車体につかまった男性を引きずり、振り落とそうと蛇行運転を続けた一連の行為について、強盗に伴う殺人未遂の疑いがあると判断した。
積載物の一部が見つからず 証拠隠滅の可能性も
再逮捕翌日、奪われた軽ワゴン車に積まれていた荷物などの一部が見つかっていないことが新たに分かった。
車内には現金24万円入りの封筒や財布、配送物などがあったとされるが、未発見物の具体的な内訳は公表されていない。警察は、原田容疑者が証拠隠滅を図った可能性もあるとみて、車両が発見されるまでの行動を調べている。
車両を奪っただけでなく、制止しようとした男性を引きずり、発見時にも逃走を図ったとされる今回の事件。さらに積載物の一部が失われていたことで、車両強奪後の行動にも捜査が及んでいる。黙秘が続くなか、府警には防犯カメラ映像や物証を基に、事件の全経過を明らかにすることが求められる。



