
働き方を変えたい。挑戦したい。でも、なぜか一歩を踏み出せない。株式会社i-shiftは、その原因を能力や環境だけでなく、無意識の思い込みや物事の見方にあると捉える。認知科学・脳科学を活用したコーチングプログラム「ART SHIFT」を通じて、義務感ではなく内発的な動機で動き出す人を増やそうとしている。
働き方を変える前に、物事の見方を変える
「働き方を変える前に、物事の見方を変える必要がある」。
株式会社i-shiftが読者に向けて伝えたいメッセージは、この一文に集約されている。転職する。独立する。新しい事業を始める。人は何かを変えたいとき、まず環境を変えようとする。しかし同社は、挑戦できない悩みの原因を、能力や環境だけに置いていない。無意識の思い込み、つまり認知のあり方にあることが少なくないと捉えている。
同社が届けている本質的な価値は、人が義務感、すなわちHave toから解放され、内発的な動機であるWant toによって自走し始める変革の瞬間だ。主力サービスである「ART SHIFT」は、認知科学・脳科学を活用したコーチングプログラムである。これまで多くの起業家や挑戦者に届けられ、持続的な成長と変化を支援してきた。
一般的なキャリアコーチングが過去の経験をもとに目標設定を行うのに対し、i-shiftは「人がどのような認知で世界を捉えているか」という土台にこだわる。自己認識やマインドセットから変革を促し、本人も気づいていない可能性や本質的な願望を引き出すことを重視している。
「自分には何もない」から始まった原体験
i-shiftが真正面から向き合う社会課題は、「いやいや働く人をゼロにする」ことだ。
同社は、現代の日本では多くの人が生活や周囲の期待を優先するあまり、本来の強みや可能性を十分に発揮できないまま働いていると見ている。それは個人の幸福度を下げるだけでなく、企業の生産性や社会全体の活力低下にもつながる深刻な問題だと捉えている。
この課題に本気で取り組む背景には、代表である伊藤慎吾氏自身の原体験がある。伊藤氏は高校卒業後、ミュージシャンを目指して上京した。しかし夢は叶わず、20代後半まで派遣社員としてコールセンターで働く日々を送っていた。「自分には何もない」とキャリアに悩み、葛藤し続けていたという。
その人生を大きく変えたのが、認知科学や脳科学に基づくコーチングとの出会いだった。物事の見方や自己認識が変わることで行動が変わり、起業へと踏み出すことができた。i-shiftの事業には、この経験が深く結びついている。
その後、Webマーケティング支援を行う中で、伊藤氏は「同じノウハウを提供しても成果が出る人と出ない人がいる」という現実に直面する。かつて自身を救ったコーチングを体系化して生まれたのが、ART SHIFTである。
仕事の苦しさや「いやいや働く」状態は、能力や環境のせいではなく、自分の捉え方、つまり認知次第で変えられる。同社はそう考える。だからこそ、一人ひとりが「やりたい」という想いで生きられる社会をつくりたい。その先に、お互いの可能性を応援し合う「サポート文化」の広がりを見据えている。
成果だけでなく、家族や周囲に広がる変化
i-shiftにとって、クライアントから「売上が伸びました」というビジネス上の成果報告はもちろん嬉しいものだ。しかし、それ以上に胸を熱くさせるのは、受講生本人や、その周囲の家族に生まれた温かい変化の報告だという。
過去には、受講生から「不登校だった子どもが少しずつ学校へ行けるようになりました」「離婚を考えていた夫婦が、お互いを理解できるようになり関係が改善しました」といった報告を受けたことが何度もある。
同社は、認知科学をベースにしたアプローチによって本人の「世界の見え方」が変わると、発する言葉や行動が変わると捉えている。その変化は職場だけにとどまらない。家庭や友人など、身近なステークホルダーへも自然と波及していく。
人が変わることは、その人一人のためだけではない。周りの人々の人生にも影響を与える。i-shiftが社会から信頼され、愛されていると実感するのは、こうした報告に触れる瞬間だ。
個人から組織へ。「一家に一人コーチがいる社会」へ
i-shiftが描く未来は、「やりたいことに挑戦できる人が当たり前に存在する社会」である。
多くの人は、周囲の期待や固定観念によって可能性を制限している。しかし同社は、人は自ら望む未来に向かうとき、最も大きな力を発揮できると考えている。
この未来を実現するため、今後5年では個人向け中心のコーチング事業を法人向けにも展開し、組織全体の挑戦と成長を支援していく。さらに10年後には、コーチ育成事業や企業導入を拡大し、「一家に一人コーチがいる社会」を当たり前にしたいとしている。
一人ひとりが主体的に人生を選択できる人材を増やすこと。そして、日本発の新しい人材育成文化として、人の可能性を最大化する仕組みを世界へ発信していくこと。それが、同社の目指す姿だ。
i-shiftは、キャリア支援のためのコーチング、コンサルティング、WEBマーケティング支援、そしてこれらにまつわるセミナーやイベントの開催を行っている。事業領域は複数あるが、その中心にあるのは一貫して「人が変わる瞬間」へのまなざしである。
Have toからWant toへ。義務感ではなく、自分の内側から湧き上がる動機で動き出す。i-shiftの取り組みは、働くことを単なる生活の手段としてではなく、自分らしく生きることと結び直そうとする試みでもある。




