
人手不足が深刻化するなか、製造現場では自動化・省力化への対応が急務となっている。滋賀県に拠点を置くファーストシステムは、FA装置・検査設備の設計開発製造と製造請負を軸に、構想段階から量産立上げまでを支える企業だ。「ただ作る」のではなく、製造プロセス全体を見据えた提案力に同社の特徴がある。
人手不足の現場で求められる、自動化と省力化の力
製造現場で「人の手が足りない」という課題は、日々の生産活動に直結する。作業をどう効率化するか。品質をどう保つか。限られた人材で、いかに高い付加価値を生み出すか。こうした問いに向き合う企業の一つが、滋賀県犬上郡甲良町に拠点を置くファーストシステムである。
同社の主業は、FA装置・検査設備の設計開発製造、OEM製造請負、自動化・省力化・ロボット活用だ。機械設計、電気設計、制御設計、製造を一貫して手がける体制を持ち、研究開発から量産製造まで一気通貫で対応できることを特徴としている。
手がけてきた領域は幅広い。コネクタ等の精密部品自動組付・検査機、EV関連部品検査機、樹脂・金属部品の自動組付機など、多岐にわたる装置開発と製造請負の実績を積み重ねてきた。
同社が掲げるミッションは「想いをつくる、プロダクトをとどける。」である。単に装置をつくる、部品を組み立てるというだけではない。顧客が実現したい製品づくりや量産体制を、製造プロセスの設計から支える姿勢が、この言葉に表れている。
FA装置開発と製造請負をつなぐ、工程設計の視点
ファーストシステムの主力事業は、FA装置・検査設備の設計開発製造と、製造請負の2軸である。ここで重要なのは、この2つが別々に存在しているのではなく、互いに結びついている点だ。
製造請負において、同社は顧客からの要望を受けるだけにとどまらない。FA開発で培った工程設計の知見を活かし、生産設備の設計段階から入り込んだ提案を行うことができる。量産を見据えた工程構築、治工具設計、試作・評価支援まで一貫して担えることが、他社との差別化点となっている。
製品を量産するには、設計図どおりに作るだけでは足りない。どの工程で、どのような設備を使い、どのように品質を確認するのか。量産時に安定して生産できる仕組みをどう構築するのか。こうした視点が必要になる。
ファーストシステムは、装置開発で得た知見を製造請負にも活かす。だからこそ、製品の構想段階から量産立上げまでを一気通貫で担うことができる。メーカーやブランドオーナーにとっては、「自社では量産製造まで手が回らない」「装置設計の知見を持つ製造パートナーを探している」といった課題に応える存在となる。
「ただ作る」のではなく、製造プロセス全体を見て提案する
同社の強みを支えているのが、機械・電気・制御を横断する設計力と、工程ごとの品質保証体制である。装置の機構だけを見るのではなく、電気設計や制御設計、実際の製造工程までを含めて捉える。そこに、マルチスキル人材を擁するファーストシステムならではの体制がある。
コネクタ等の精密部品自動組付・検査機やEV関連部品検査機など、難易度の高い案件にも対応してきた実績は、同社の技術力を示すものだ。精密部品の自動組付や検査には、装置としての精度だけでなく、工程全体を安定させる視点が求められる。ファーストシステムは、そうした現場の要件に向き合いながら、装置開発と製造請負の両面で対応してきた。
同社が重視しているのは、「ただ作る」のではなく、製造プロセス全体を把握したうえで最適解を提案する姿勢である。顧客の要望に沿って製造するだけでなく、量産時の工程や品質、試作・評価までを見据えて提案する。この姿勢が、顧客からの継続的な信頼につながっている。
製造の現場では、目の前の課題だけを解決しても、量産段階で別の問題が起きることがある。だからこそ、構想から量産までを見通す力が重要になる。ファーストシステムの事業は、その見通しを持ったものづくりを支える点に特徴がある。
工場の外へ広がる「フィールドオートメーション」
ファーストシステムは今後、自動化・省力化の知見を工場の外へ拡張する「フィールドオートメーション」を新たな事業領域として開拓していく。対象は製造業にとどまらない。物流・インフラなど、幅広い分野の現場課題に応えることを目指している。
近年は、ロボットシステムインテグレーションにも注力している。さらに、ハードウェアとソフトウェアを自社でパッケージ化できる体制を整えている。AIやロボット技術の進化も積極的に取り込みながら、これまで培ってきた装置開発・製造請負の実績を土台に、より付加価値の高いソリューションを提供できる企業へと進化していく考えだ。
同社が向き合う社会課題の根幹には、日本が直面する深刻な人手不足がある。2030年には約700万人の労働力不足が予測されており、製造業のみならずあらゆる産業で自動化・省力化への対応が急務となっている。
ファーストシステムは、FA装置開発と製造請負の両輪を通じて、現場の負担を減らしながら生産性を高める仕組みを提供し続けている。さらに近年は、工場の外のフィールドにも自動化の知見を応用し、インフラや物流など幅広い現場の省力化にも貢献できる領域へと事業を広げている。
少ない人材で高い付加価値を生み出せる社会の実現に向けて、地域に根ざした企業として歩みを進める。個人の力と組織の力を束ね、滋賀県から日本の産業を支えるパートナー企業として成長を続けていくことが、同社の目指す姿である。
構想段階から量産立上げまで支えるODM製造パートナーへ
ファーストシステムが特に伝えたい相手は、量産製造や装置設計に課題を抱えるメーカーやブランドオーナーである。「自社では量産製造まで手が回らない」「装置設計の知見を持つ製造パートナーを探している」。こうした課題に対し、同社はFA開発で培った工程設計力と、量産対応の製造体制を両立する企業として応えようとしている。
製品の構想段階から量産立上げまでを一気通貫で担えるため、ODM製造パートナーとして深く入り込んだ協業が可能だと同社は考えている。装置をつくる力、工程を設計する力、量産を支える力。その複数の力を組み合わせることで、顧客のものづくりを支える。
人手不足が進む時代に、現場の自動化・省力化は避けて通れないテーマになっている。ファーストシステムは、その課題に対し、FA装置開発と製造請負の両面から向き合う。ミッションである「想いをつくる、プロダクトをとどける。」のもと、製造プロセス全体を見据えたパートナーとして、現場に必要な仕組みを形にしている。




