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地域起業の新たな選択肢、「DIVE」第3期始動 塩尻市とゼブラアンドカンパニーらが地域型インパクト投資の社会実装へ

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地域型インパクト投資実証プログラム「DIVE」
地域型インパクト投資実証プログラム「DIVE」(提供:ゼブラ アンド カンパニー)

株式会社Zebras and Company(東京都港区)は5月2日、一般財団法人塩尻市振興公社、株式会社drapologyが展開するGOZENと共に、「地域型インパクト投資実証プログラム『DIVE』第3期」の募集を開始した。

地域に根ざした社会課題の解決と持続可能な事業成長の両立を目指す起業家を対象に、地域と金融資本の共創による社会的インパクト創出の仕組みを広げることが狙いだ。応募締切は5月26日。

 

起業家と地域金融が共創する「地域型インパクト投資」の実験場

DIVEは、地域課題に挑む起業家が、社会的インパクトと経済的持続可能性の両立を目指すビジネスを実装するための6カ月間の伴走型プログラム。2022年に始動し、今年で3期目を迎える。舞台は長野県塩尻市のシビック・イノベーション拠点「スナバ」。これまでに約30名が卒業し、相互学習と事業連携によるアルムナイ・エコシステムが育ちつつある。

同プログラムは、起業家に向けた実践的な経営支援と、投資家・自治体・地域企業との接続を同時に提供する点が特徴だ。これまでの参加者の中には、参加後に8,000万円超の資金調達に成功した例もあり、成果が着実に表れている。

起業家支援のアップデートへ 地域×事業×ビジョンの融合

第3期では、従来のプログラム内容をアップデート。「稼ぐ力」の強化に焦点を当て、GOZEN代表・布田尚大氏やZ&C共同代表・田淵良敬氏が講師を務める講義やワークショップを実施。セオリー・オブ・チェンジやロジックモデルの構築といったインパクトマネジメントの導入、簡易収支モデルを通じた収益性検証など、実務レベルでの経営力強化を図る。

また、プログラム終了後も、地域プレイヤーや先輩起業家とのネットワークづくりを支援するコミュニティ活動を推進。「スナバで車座」と名付けられた最終発表会では、多様な関係者が集い、社会的インパクトと事業ビジョンの共有が行われる。

 

起業家の“ロマンとソロバン”を支えるエコシステム

プログラムの主催者は、ビジョンと経済合理性の双方を兼ね備える起業家の育成に強い意欲を示している。Zebras and Companyの田淵代表は、「地域にいるプレイヤーと連携しながら、地域全体を巻き込む事業づくりの重要性が見えてきた」と語り、中小企業庁の「ローカル・ゼブラエコシステム」推進施策との連動も視野に入れる。

GOZEN代表の布田尚大氏はインパクトスタートアップやローカルでの起業が注目される今、「社会的ビジョンを実現できるビジネスの力が以前にも増して重要になってきた」と語り、理想と実践の架け橋となる支援の必要性を強調した。

また、スナバ運営チームの三枝大祐氏は、「事業のスケールの大きさよりも、地域に根差した多様な営みが起業家自身の意志で実現されることにこそ価値がある」と語り、個々の起業家の動機と姿勢を重視する方針を示した。

 

募集は5月26日まで、地域の未来を共に創る起業家を求む

募集対象は、地域に根ざし社会性と経済性の両立を志す事業者や、資金調達や事業設計に課題を抱えるスタートアップ等。応募には事業紹介資料(スライド5〜10枚程度)が必要で、選考後は6月から11月にかけて全9回のセッションに参加する。参加費用はスナバのメンバーシップ料込みで10万4,500円(税込)となっている。

塩尻市から始まったこの地域起業支援の取り組みは、資金提供の枠を超えた「社会的関係資本の再構築」による地域再生の可能性を提示している。都市と地方、起業と投資、課題解決と成長のあいだを“ダイブ”する起業家たちに、地域の未来が託されている。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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