生配信中に襲撃！投げ銭が引き起こした最上あいさん刺殺事件とライブ配信のリスク

3月11日午前、東京都新宿区高田馬場で、人気ライバーの最上あいさんがライブ配信中に襲撃され、命を落とす事件が発生した。視聴者の目前で起きたこの惨劇は、配信者の安全性とライブ配信のリスクを浮き彫りにしている。

ライブ配信中の襲撃事件の詳細

東京都新宿区高田馬場の閑静な住宅街で、午前10時ごろ、一人の女性が悲鳴を上げた。「助けて！」と繰り返す叫び声が響き渡る中、黒い服を着た男が彼女に襲いかかる。その瞬間は、多くの視聴者がリアルタイムで目撃していた。

事件の被害者は、ライブ配信アプリ「ふわっち」で活動していた22歳のライバー、最上あいさん。彼女は「3.11山手線徒歩1周」と題した企画をライブ配信していたが、その最中に男に襲われ、サバイバルナイフ（刃渡り13センチ）で顔や首、胸など複数箇所を刺された。通報を受けた救急隊が駆け付けたが、彼女は数十か所を刺されており、約1時間20分後に死亡が確認された。

警視庁は、現場にいた40代の男を殺人未遂の現行犯で逮捕し、現在は殺人容疑で捜査を進めている。男は「彼女とトラブルがあった」と供述しているが、その詳細についてはまだ明らかになっていない。

なぜ事件は起こったのか？配信者と視聴者の関係

最上さんは「ふわっち」で2600人以上のフォロワーを抱え、ライブ配信を通じて生計を立てていた。彼女にとって配信は単なる趣味ではなく、投げ銭システムを活用したビジネスでもあった。

警視庁の調べによると、最上さんは事件直前に一部の視聴者をブロックしていたことがわかっている。加害者とみられる男も彼女の配信の常連視聴者で、過去に多額の投げ銭を行っていた可能性がある。こうした背景から、警視庁は金銭をめぐるトラブルが事件の引き金となったのではないかと見ている。

同様の事件は過去にも発生している。インフルエンサーや配信者が熱心な視聴者に執着され、ストーカー被害や脅迫に発展するケースが後を絶たない。特にライブ配信では、配信者の居場所が特定されやすく、視聴者との距離が近いため、危険性が高まると指摘されている。

SNSで広がる衝撃と議論

この事件はSNS上で大きな波紋を呼んでいる。特にX（旧Twitter）では、事件直後に加害者の顔写真が拡散され、視聴者の間で激しい議論が交わされている。「こんなことが起こるなんて信じられない」「配信者が安心して活動できる環境を整えるべきだ」といった意見が多く見られる一方で、「ライブ配信の仕組み自体を見直すべきではないか」「配信者が投げ銭を拒否できるシステムが必要だ」といった声も上がっている。

また、最上さんのフォロワーだった視聴者からは、「彼女がファンをブロックしていた理由が気になる」「配信者と視聴者の距離が近すぎるのではないか」といったコメントも寄せられている。

専門家によると、配信者と視聴者の関係は心理的な依存関係を生みやすいという。投げ銭システムによって視聴者が「自分が支えている」という意識を持ち、それが過剰な執着へと発展することがあるという。特に孤独を抱える視聴者の中には、配信者を「自分だけの存在」と錯覚するケースもあり、トラブルにつながることがある。