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メルカリ炎上、サポート問題で声明も火に油?

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幹部退職者のnote、マーケターの「世界平和」発言にも批判 MAU低下でクリスマス商戦、四半期決算への影響懸念も

メルカリHPで11月17日に出された声明。
メルカリHPで11月17日に出された声明より

メルカリは11月17日、ユーザーサポート対応に関する声明を発表した。顧客サポートへの批判的な意見や多数の問い合わせを受けていることを謝罪し、方針の見直しと強化を表明した。

これは、出品者が返品された商品の中身が抜き取られるなどの被害が報告され、メルカリのサポート対応の不備が批判されていたことへの対応だ。しかし、この声明発表後も炎上は収束するどころか、幹部退職者や社員の言動への批判、業績低迷への懸念など、新たな火種が生まれている。

公式声明だけでは沈静化せず

メルカリは17日に「メルカリびより」というオウンドメディア上で、公式声明として「多くのお客さまにご迷惑、ご心配をおかけし、誠に申し訳ございません」と謝罪し、「お客さまサポートの方針と体制の見直し・強化が必要であると考えている」と述べた。当事者間で解決が難しいトラブルにはサポートがより関与し、不正利用者への対策も強化するという。

しかし、この声明だけでは騒動は沈静化せず、SNS上ではさらなる批判の声が上がっている。

本業のMAU低下で今後の業績に暗雲

さらに、メルカリの月間アクティブユーザー数(MAU)が頭打ちになっている指摘も識者より出ている。メルカリが開示した2025年6月1Qの決算説明資料によると、本業であるフリマ自体のMAUが前Qと比較して2298万人から2251万人に減少していることが伝えられている。これまでアメリカ事業での苦戦などが伝えられてきたが、本業であるフリマ事業自体は順調に推移しているというのが多くの人の見方であったが、ここにきて暗雲が垂れ込めてきたと言える。

クリスマス商戦を前に今回の炎上問題が発生したことで、次の四半期決算への悪影響が懸念される。本業の成長鈍化に加え、米国事業の伸び悩みも指摘されており、メルカリの経営は正念場を迎えていると言えるだろう。

炎上は幹部、社員にも飛び火

今回の騒動は、メルカリの顧客サポート体制の不備だけでなく、企業文化や経営陣の姿勢にも疑問を投げかける事態へと発展している。元幹部や社員によるnote記事が掘り起こされ、その内容が批判の的となっているのだ。

ある元幹部は、家庭と仕事の両立が困難だったことを退職理由に挙げ、「インクルーシブな労働環境ではなかった」と主張。しかし、この主張は「他責的だ」とSNS上で批判を浴びている。

また、マーケティング担当社員の「私の人生のゴールは世界平和です」という発言も、「本業でやるべきことがあるのでは」と冷ややかな反応が多数を占めている。

「意識の高さ」と現実のギャップ

これらの批判は、メルカリが掲げる「インクルーシブ」や「多様性」といった価値観と、顧客サポート問題への対応の遅れとの間に、大きなギャップがあることを示唆している。理想を掲げるだけでは不十分であり、顧客や従業員の声に真摯に耳を傾け、具体的な行動に移すことが求められているのではないだろうか。

多様性を重視する時代の落とし穴

メルカリの事例は、多様性を重視する現代社会において、企業が直面する困難さを浮き彫りにしている。多様な価値観を尊重することは重要だが、同時に本業がおろそかになってしまっては元も子もない。

真のインクルーシブとは、多様な価値観を認めつつ、企業としてのパフォーマンスも向上させることのできる環境づくりではないだろうか。メルカリは、この難題にどう向き合っていくのか、今後の動向が注目される。

【メルカリの炎上記事はこちらも】

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ライター:

株式会社Sacco 代表取締役。一般社団法人100年経営研究機構参与。一般社団法人SHOEHORN理事。週刊誌・月刊誌のライターを経て2015年Saccoを起業。社会的養護の自立を応援するヒーロー『くつべらマン』の2代目。 連載: 日経MJ『老舗リブランディング』、週刊エコノミスト 『SDGs最前線』、日本経済新聞電子版『長寿企業の研究』

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