シーオーツープラス株式会社(広島・山県郡)が、新たな包装材の開発によってプラスチック削減率を76%にまで高めたという報告が注目を集めている。
同社は広島県を拠点に、高濃度炭酸化粧品を製造・販売する専門メーカーでありながら、環境保護という普遍的な課題に取り組んでいる企業。
厚みを削り、価値を増す
シーオーツープラス(CO2+)は、広島県に本社及び自社製造工場を所有する、炭酸化粧品に特化した研究・開発・製造メーカー。1997年より、世界でもユニークな炭酸ガス高濃度溶解技術と独自の技術を駆使して、高濃度炭酸スキンケア商品開発を展開。「fromCO2」というオリジナルブランドが有名だが、多種多様の高濃度炭酸化粧品をOEMしてきた会社だ。
今回の取り組みでは、包装用フィルムの厚みを従来比で56%削減することに成功したもの。この小さな努力がもたらしたのは、同社のプラスチック削減率76%という大きな成果である。
薄く軽くなった包装材は、材料の節約だけでなく、輸送時のエネルギー効率の向上にも寄与するという。製品を守るという本来の機能を損なわないどころか、環境への負荷軽減と輸送コスト削減――二重のメリットを実現した事実は、丹念な研究と試行錯誤の賜物と言えるだろう。
「薄くする」という一見単純に見える方策を、ここまで高い次元で形にした同社の姿勢は、環境課題にどう向き合うべきかを私たちに問いかけている。
環境負荷の低減、その三本柱
シーオーツープラスの取り組みを支えているのは、プラスチック削減、緩衝材の最適化、段ボール資材の改良という三本柱とのこと。
- プラスチックの削減
同社は梱包材や衝撃材に使用していたプラスチックを廃止。プラスチック代替素材の導入や軽量化を図り、全体的な使用量を大幅に減らした。 - 緩衝材の見直し
エアー緩衝材や気泡緩衝材を廃止し、輸送時のパッケージング設計を改良。これにより、プラスチック使用量を20%削減し、顧客のゴミ処理の負担も軽減。 - 段ボール資材の設計変更
輸送用段ボールのサイズを調整し、緩衝材を使わずに商品を固定する設計を採用。さらに段ボールには再生可能な材料を使用し、資源の節約とリサイクル率の向上を実現。
これら三つの柱が一体となり、環境負荷を抑える堅実な成果を生んでいるようだ。
SDGsへの貢献と広がる可能性
この取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)のうち「つくる責任 つかう責任(12)」や「海の豊かさを守ろう(14)」、そして「気候変動に具体的な対策を(13)」に直接的に寄与するものだ。海洋プラスチック汚染の削減や温室効果ガスの排出抑制などが期待できる。
代表取締役・髙橋弘美さん
「どんなに小さな変化でも、それを積み重ねることで将来的に大きな影響を生むと信じています。持続可能な未来のために、できることを一つ一つ行動に移し、次世代に誇れる地球を残していきたい。それが私たちの使命です」
未来へ向けた決意
シーオーツープラスのプラスチック削減、緩衝材の最適化、段ボール資材の見直し――どれも、環境負荷を少しでも減らすための工夫であり、活用に期待がかかる。
環境保護は、誰か一人や一社が果たすものではない。私たち一人ひとりが、日々の行動の中に「未来を守る選択」を取り入れることで、持続可能な社会は少しずつ近づいていく。シーオーツープラスの挑戦が、そのきっかけの一つとなることを願う。