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法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

築野グループ株式会社

https://www.tsuno.co.jp/

和歌山県伊都郡かつらぎ町新田94

米ぬか由来の女性が使える育毛剤、築野グループ、ヘアケア市場に新風

サステナブルな取り組み ESGの取り組み
ステークホルダーVOICE 社員・家族 経営インタビュー
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食品ロス削減とカーボンニュートラルを両立する、持続可能な未来への挑戦

築野グループ こめ油の精製過程
お米からこめ油ができる過程

近年、健康意識の高まりとともに、薄毛に悩む人が増加している。自分が薄毛であることを意識している人の割合は、男性が全体の約25.3%、女性は約8.0%という調査もある(※)。なかでも女性の薄毛問題は深刻で、有効な対策が限られている現状がある。

こうした中、築野グループが米ぬか由来の成分で育毛効果の高い素材を開発し、注目を集めている。同社は、長年にわたり米ぬかの有効活用に取り組んできた企業であり、今回の発見は、食料資源の高度有効利用と健康・美容分野への貢献を両立させるものとして、大きな期待が寄せられている。

(※)リクルートライフスタイル「薄毛に関する意識調査」2023より。人口動態に基づき性年代を割付した50,000人をスクリーニングした調査

イノシトールとフィチン酸 の黄金比で発毛効果を実証

築野グループの研究開発担当者は、米ぬか由来の成分であるイノシトールとフィチン酸 に着目。長年の研究の末、この2つの成分を1:3の比率で配合することで、発毛効果が飛躍的に向上することを発見した。

イノシトール
イノシトール写真。既に複数の企業から、この新素材に関する問い合わせや採用決定の連絡が寄せられており、市場からの期待の高さが伺える。(提供:築野グループ)

この配合比率は、体内で生成されるIP3と呼ばれる物質の組成比と一致しており、発毛促進メカニズムとの関連性が示唆されている。

築野グループ 中村次長
中村次長

企画開発部の中村次長 は、「米ぬかにはまだまだ知られていない可能性が秘められている。我々は、その可能性を最大限に引き出すことで、社会に貢献していきたい」と語る。

ミノキシジルに匹敵する効果と安全性

この新素材は、ミノキシジルと同等の発毛効果を示しながらも、副作用が少ないというメリットを持つ。また、水溶性のためアルコールフリーの製品開発が可能となり、頭皮への刺激軽減も期待できる。

築野グループ、築野靖子部長
築野靖子経営企画部長

築野靖子経営企画部長は、「特に女性の薄毛の悩みは深刻。ミノキシジルが使えない女性にとって、新たな選択肢となる」と期待を込める。

伝統的知恵と最新科学の融合

築野食品工業は、古来より日本人に親しまれてきた米ぬかの効能に着目し、伝統的な知恵と最新の科学技術を融合。

築野グループ 築野副社長
築野卓夫副社長

築野卓夫副社長は、「『米ぬかに夢を託して』という社是のもと、創業以来、米ぬかの有効活用を追求してきた」と語る。今回の発見は、その長年の努力の結晶と言えるだろう。

築野グループ 座談会
特に、女性の薄毛に悩む層からの注目度は高く、従来の育毛剤では満足できなかった人々にとって、新たな選択肢となることが期待される。

既に多くの企業から引き合いがあるそうですね。

築野副社長

ええ、おかげさまで。サプライヤーの方々からは「米ぬかとヘアケアのイメージの合致」「日本人に馴染み深い素材であること」といった点をご評価いただいています。長年の研究開発を経て、ついに実用化の目処が立ったことを大変嬉しく思っています。

 開発で最も苦労された点は?

中村次長

 イノシトールとフィチン酸 の最適な配合比率を見つけることでした。様々な比率を試した結果、1:3という黄金比にたどり着くまでには、かなりの試行錯誤がありました。

 特許取得についても進めていると伺いました。

築野靖子氏

 はい、イノシトールとフィチン酸 を1:3の比率で配合し、育毛に用いる技術に関して、特許も取得しました。国内だけでなく、海外展開も視野に入れています。

今後の展望についてお聞かせください。

築野副社長

この新素材を、育毛剤だけでなく、シャンプーやコンディショナーなど様々なヘアケア製品へ応用していきたいと考えています。また、米ぬかの有効活用を通じて、食品ロス削減や持続可能な社会の実現に貢献していきたいですね。

伝統と科学の融合が生み出したイノベーション

築野食品工業は、古くから日本人に親しまれてきた米ぬかの効能に着目し、伝統的な知恵と最新の科学技術を融合させることで、この革新的な素材を開発した。同社は、米ぬかから様々な有用成分を抽出する技術を長年培ってきた。今回の発見は、その技術力と探究心の賜物と言えるだろう。

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ライター:

株式会社Sacco 代表取締役。一般社団法人100年経営研究機構参与。一般社団法人SHOEHORN理事。週刊誌・月刊誌のライターを経て2015年Saccoを起業。社会的養護の自立を応援するヒーロー『くつべらマン』の2代目。 連載: 日経MJ『老舗リブランディング』、週刊エコノミスト 『SDGs最前線』、日本経済新聞電子版『長寿企業の研究』

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