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高砂電気工業株式会社

https://takasago-elec.co.jp/

愛知県名古屋市緑区鳴海町杜若66番地

052-891-2301

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ステークホルダーVOICE サステナブルな取り組み コラム

「ミドリムシ×宇宙」株式会社ユーグレナ×高砂電気工業をつなぐ志の共通項

取引先
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株式会社ユーグレナ執行役員CTO鈴木健吾さん

ミドリムシの学名「Euglena(ユーグレナ)」を社名に冠する株式会社ユーグレナ。

2005年、世界で初めて微細藻類ユーグレナの食用屋外大量培養に成功した同社は「Food(食料)」、「Fertilizer(肥料)」、「Fuel(燃料)」などを含む「バイオマスの5F」モデルに基づき、戦略的な研究開発を展開してきました。

地球上の人々の健康や持続可能な社会に貢献してきた同社の次なる研究ステップの一つは、宇宙空間でのソリューションの提供。

宇宙関連の分野でさまざまな企業と協業する高砂電気工業との出会いも、とある宇宙関連イベントがきっかけでした。

「両社には、研究開発への想いに共通項がある」と語るユーグレナ社の執行役員CTO鈴木健吾さんに、両社協業の今とこれからを伺ってきました。

「サステナビリティ・ファースト」で社会課題を解決するユーグレナ社
「バイオマスの5F」モデルに基づいた戦略的な研究開発

御社の研究開発について伺います。

鈴木

私たちは、「ユーグレナ」(和名では「ミドリムシ」)という生き物を活用して、社会課題を解決るべく、Food(食料)、Fiber(繊維)、Feed(飼料)、Fertilizer(肥料)、Fuel(燃料)という「バイオマスの5F」モデルに基づき、戦略的に研究開発を行ってきました。

最近ですと、地球上でバイオ燃料を作るという試みも行っています。ユーグレナは、酸素がない状態で育てると体内に脂を蓄える仕組みがあります。

これを活用し、大量培養して蓄えた脂を抽出し燃料の原料として使用することを目指していますが、安価かつ安定的に、大量に作れなければ一般活用できません。そのために、ゲノム編集も含め研究開発を進めています。

科学技術振興機構(JST)が推進する「藻類と動物細胞を用いた革新的培養食肉生産システムの創出」にも、チームの一員として参画しています。

寄与しているのは、植物プランクトンなどの微細藻類、ワカメやコンブなどの大型藻類を培養するシステムの開発や、細胞培養による食肉生産システムの開発といった分野です。

さまざまな領域で、研究開発が同時進行で進められているのですね。

鈴木

さまざまな分野でユーグレナをはじめとする微細藻類の活用法を編み出し、実装レベルまで実現できているところに、当社の面白さがあると自負しています。

当社の成長起点は、石垣島でのユーグレナの食用屋外大量培養を可能にした培養関連技術にあります。

ユーグレナを活用した取り組みは、日本の課題、アジアの課題、そして世界の課題を解決するだけでなく、将来的に宇宙で人が生活するようになれば、宇宙の課題も解決する可能性をも秘めています。

高砂電気工業株式会社(以下、「高砂電気工業」)さんとの関わりも、「ミドリムシ(ユーグレナ)と宇宙」という文脈での出会いが始まりでした。

「ミドリムシと宇宙」出会いのきっかけ

高砂電気工業さんとの出会い

「ミドリムシと宇宙」が文脈の出会いだったと。

鈴木

高砂電気工業さんとの出会いは、一般社団法人SPACE FOODSPHERE(スペースフードスフィア)でプレゼンをした際のパネルディスカッションでした。

高砂電気工業さんが「宇宙でビール」を作る話をされていて非常に興味深く、我々の知見で貢献できればと感じたのです。

宇宙での長期滞在や火星との往来期間に人間の生活を支える仕組みとして、人が吐き出した二酸化炭素を再利用する、水を再利用するといった研究は主流ですが、生物を用いた物質循環の研究はまだまだ発展途上にあります。

当社が研究しているユーグレナが宇宙空間でどのような動きを示すかということについては、ベーシックな研究として知見も蓄積されていますが、ユーグレナを用いた物質循環の研究としては不十分でした。

宇宙でユーグレナを育てようとすると、無重力ないし微小重力、例えば月だと1/6の重力という環境下で育てることになります。我々がコントロールできる空間は地球上と比べてかなり限定的です。

そこで、なるべく小さいスペースで最大限効率的にモノが循環する仕組みづくりが求められます。当社としては、それに対応できる技術の開発が必要でした。

省スペースが課題になると共に、育てるためのエネルギーの節約、すなわち省エネルギーも課題になってきます。

このような掛け算の中では、理想とされる生産システムの条件が変化するため、いかに適応できるかが新しい開発課題でした。そのタイミングで、高砂電気工業さんと出会えたのは、とても意義深いことでした。

「バイオマスの5F」推進に必要不可欠
省スペース省エネルギーを実現できる高砂電気工業の技術力

培養液の開発

高砂電気工業さんとは、どのような部分で協業されているのでしょうか。

鈴木

「バイオマスの5F」を推し進めるには、ユーグレナの高密度な培養やゲノム編集など、効率よくユーグレナを育てるための培養液の開発が不可欠です。

高砂電気工業さんは、小スケールでの効率的な送液技術をお持ちです。

「培養液をどうコントロールするか」、「狭いスペースの中で固体と液体とどう分けるか」という技術は、当社が現在取り組んでいる研究開発と非常に親和性が高いのです。

また、高砂電気工業さんは無重力下でビールを醸造できる「宇宙ビール醸造デバイス」の開発を手がけていらっしゃいます。

ビールを醸造する場合は酵母を使って発酵させますが、「発酵」の定義を広くとると、ユーグレナを使って様々な物質を生産することも、生物のはたらきを活用するという共通項があります。

ユーグレナ社が感じている、高砂電気工業さんの存在感、強みとは。

鈴木

宇宙を視野に入れた研究開発では、まず地球上でスケールの大きな実証実験を行い、宇宙空間で小規模の実証実験を行います。

そこで必要なのが高砂電気工業さんの強みである「小さいスケール」に対応できる技術力だと考えています。

当社では、動物細胞を用いて、ユーグレナ由来の成分がどう人間の肌の細胞や免疫細胞などに影響するかを実験したりもしていますが、高砂電気工業さんの技術は、未来の技術で細胞を取り扱うモジュールとして応用できる可能性があります。

スペースフードスフィアという同じ枠組みの中で、情報交換しながら協業できることを心強く感じています。

高砂電気工業さんは、我々の研究の国際競争力となる源泉です。大きなスケールで大規模な事業や開発を手がけていらっしゃるエンジニア会社は幾つかありますが、高砂電気工業さんは小さなスケールでの液体制御を得意とされています。

今後、さまざまな研究領域において、プレゼンスは高まっていくのではないでしょうか。

「2040年の構想にリアリティを持たせたい」
“未来の可能性”を拓く両社の共通項

高砂電気工業さんとは、今後どのように協業を発展させていきたいとお考えですか。

鈴木

高砂電気工業さんと共に参画しているスペースフードスフィアでは、「2040年に人が月で生活する」、「2050年には人が火星で生活する」というビジョンを描いています。

ただ、具体的なシステムがどのように稼働していくかの設計図、どれくらいの人口がどう維持されていくのかという物質の収支などは、未だ完全に理解できる形にはなっていません。

「では誰かその設計図を作ってくれないか」という話になったとき、それぞれが他人頼みにするのでは実現は不可能でしょう。

可能な範囲で我々もディスカッションに加わりたいと思っています。会社として寄与できる部分は寄与し、当社の立場としてできる範囲で宇宙開発をサポートし、2040年の構想にリアリティを持っていきたいと考えています。

「宇宙」はロマンを感じさせるテーマですが、一方で、将来を見据えていなければ扱えないテーマでもあります。とりわけ民間企業では、その研究領域を許容する自由度がなければ実現できません。

高砂電気工業さんも当社も、開発担当に一定の信任がおかれたうえで、未来の可能性を切り拓く研究開発が奨励されています。この点が、最も大きな共通項かもしれません。

両社とも、宇宙における課題と地上における課題には相互に乗り入れられる部分が大いにあるということを理解しています。そのうえで、未来に貢献できることに喜びを感じるメンバーで構成されているのではないでしょうか。

宇宙へのロマンは、リアリティのある行動で実現できる。

鈴木

私自身『月をマーケティングする アポロ計画と史上最大の広報作戦』(日経BP)という本に共感したこともあり、宇宙という研究フィールド、実証フィールドに、ロマンとリアリティの両面を抱いています。

宇宙開発というと、どうしてもテクノロジーとして最低限用意しなければいけないことに目が行きがちです。

こと宇宙空間における生命維持の分野で言えば、必要な栄養を血液に流し込むとか、美味しくなくても流動食として生命を維持するとか。

けれど実際に宇宙で活動し生活するのは人間です。美味しくて健康的なものを用意できるに越したことはないですよね。

当社は、ユーグレナという一種のプランクトンを効率的に育てる研究と同時に、「美味しく健康的な食品に育てる」という研究も行ってきました。

野菜や食用の生物も同じで、育て方によって味が変わったり、後処理によって変化したりするわけです。

特に、極限状態の環境下、エンターテインメントも少ない宇宙空間では、人の味の感じ方を考えることは、大変重要なことだと感じています。

私たちの宇宙への興味を突き詰めると、自分たちの生活領域を拡大するための課題を解決して、ブレイクスルーしてみたいという欲求があるのだと思います。

新大陸を求めて造船が発展したのと同様に、生活領域を広げること自体が、発想の豊かさや技術の向上につながります。それは、翻って地上の生活にプラスになることでもあります。

こうした宇宙開発におけるリアリティと、地球と宇宙の相互関係に共感してくれる人が増えると、ヒト、モノ、おカネ、情報は、今よりもっと集まるようになるのではないでしょうか。

私たちは地球人であると同時に、ある意味宇宙人でもあります。宇宙というフィールドに多くの人が興味を持ち、研究開発を支援してくれる人がどんどん増えると嬉しいですね。

◎企業概要
・会社名:株式会社ユーグレナ
・設立年月日:2005年8月9日
・代表取締役社長:出雲充
・HP:https://euglena.jp

◎プロフィール
鈴木健吾(すずき・けんご)
株式会社ユーグレナ執行役員CTO
1979年生まれ。2005年東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程在学中に株式会社ユーグレナの設立に携わり、共同創業者の一人として研究開発の責任者を担当して現在に至る。2016年、博士(農学)学位取得。2019年、博士(医学)学位取得。 理化学研究所 微細藻類生産制御技術研究チーム チームリーダー、マレーシア工科大学 マレーシア日本国際工科院 客員教授、東北大学未来型医療創造卓越大学院プログラム特任教授(客員)、ガジャマダ大学(インドネシア)生物学部 客員教授を務める。 著書に『ミドリムシ博士の超・起業思考』(日経BP)がある。 

ライター:

1985年生まれ。米国の大学で政治哲学を学び、帰国後大学院で法律を学ぶ。裁判所勤務を経て酒類担当記者に転身。酒蔵や醸造機器メーカーの現場取材、トップインタビューの機会に恵まれる。老舗企業の取り組みや地域貢献、製造業における女性活躍の現状について知り、気候危機、ジェンダー、地方の活力創出といった分野への関心を深める。企業の「想い」と人の「語り」の発信が、よりよい社会の推進力になると信じて、執筆を続けている。

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