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特定非営利活動法人 キーパーソン21

http://www.keyperson21.org/

〒211-0004 神奈川県川崎市中原区新丸子東2-907-25 ハイツ武蔵小杉704

キーパーソン21のプログラムは大人にとっても刺激的

ステークホルダーVOICE 地域社会
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「キーパーソン21のプログラムは大人にも勉強になって刺激的」と語るのは、ジェクト株式会社の代表取締役である市川功一さん。

建築や不動産管理を本業とする傍ら、地域貢献にも力を入れ学童施設やカフェなどを運営している。

地域との交流を大切にする市川さんが、協賛先として応援しているのが、子どもたち一人ひとりが自分らしく生きる力を育む「わくわくエンジン®」プログラムを中心に活動を展開する特定非営利活動法人キーパーソン21(以下、キーパーソン21)。

キーパーソン21主催の川崎市立新城小学校での講演や、子どもたちとの関わりは同社にとってどのような意味があるのか。キーパーソン21との協働について、市川さんと経営企画部の米倉さんに話を伺った。

100年続く総合建築不動産会社、シンママ向けシェアハウスや学童運営も

ジェクト株式会社はどのような企業なのかをお聞かせください。

市川

ジェクトの前身は、腕利きの大工である市川重太郎が1920年に創業した建設業です。

1944年に株式会社川崎組として法人化し、50年後の1994年に当時の社長であり実父の市川清が、ジェクト株式会社に商号変更しました。

創業100年を超えた現在では、資産相談から、設計、施工、不動産管理・仲介からリニューアルまで、ワンストップで対応しています。

特徴や強みはどこにあるのでしょう?

市川

当社は、神奈川県川崎市の中原エリア周辺5キロ圏内で、1,000軒を超える施工実績があります。

武蔵小杉、武蔵中原、武蔵新城、武蔵溝ノ口といった、近年価値が右肩上がりのエリアを古くから扱っており、人脈や情報を豊富に持っています。

また、管理戸数約4000戸をもつ建築会社は市内では他にありません。地域の入居者ニーズを建築プランやお部屋のリノベ―ションに反映し、入居率も97%を超えています。

数十年前に官庁工事を中心に手掛けていた頃は、お客さまといえば川崎市長と神奈川県知事のお2人だけでしたが、賃貸を行うようになってからはステークホルダーの幅が一気に広がりました。

狭いエリアで深く仕事をしている当社にとっては、通りすがりの人すべてがステークホルダーになりえます。

米倉

地域の方々とはお互いに、見て、見られての関係性ですよね。寄り添う姿勢が求められるし、ある種の緊張感もある。

市川

だから自然と地域密着型の企業になるんですよ。地域に必要とされる企業であり続けるという理念のもと、お客様をはじめ、社員、協力会社様、地域の方、関わる全ての人が幸せになることをミッションとしています。

御社の地域とのつながりについて詳しく教えてください。

市川

地域とのつながりは大きく分けて、地域交流イベントの参加、カフェの経営、学童施設とシングルマザー向けシェアハウスの運営などがあります。

まず、地域交流イベントとしては、毎年4月に川崎市教育委員会が後援するコンクリートまつりを開催しています。

地域の方たちに建築の仕事について楽しみながら知ってもらうため、ミキサー車に乗っての写真撮影やコンクリートを使用した手形づくり体験などを実施しています。

次に、地域の方の憩いの場を目指しているのが、「工房カフェ」です。

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グリーンがアクセントとなっている「工房カフェ」
市川

当社が運営する会員制のDIY工房「中原工房」の施設内を一部改装し、カフェとしてオープンさせました。

無骨なインダストリアルテイストをベースとしながらも、地域の方々の話のネタになるように中原区の昭和 30 年代の地図も店内に掲示するなど、懐かしく過ごしやすい雰囲気のカフェとなっています。

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工房カフェは地域の方々の憩いの場としても機能している。(画像提供:ジェクト)
市川

そして学童施設とシェアハウスは、当社が創業100周年を迎えた際に長年支えてくださった地域の方々に恩返しをしたいという思いから、2020年に賃貸マンションのワンフロアに設立しました。

当初は、疎遠化する近隣住民との付き合いを活性化するために、シェアハウスをつくることを想像していました。

その話を以前からお付き合いのあった不動産会社、株式会社エヌアセットの細⼭勝紀さんに相談したところ、「同業他社が参入し始めているため、普通のシェアハウスでは空室が出てしまう。

差別化するためシングルマザー用のシェアハウスはどうですか?川崎市は待機児童問題もあるし、小学生向けの学童を一緒に運営するとより価値の高い取り組みになると思います」と提案いただいたんです。

地域に住む母子に貢献したいという思いから運営を始め、今では4年目を迎えています。

「社長も子どもの頃は何がやりたいか分からなかったんだ」

地域密着を大切にする御社ですが、キーパーソン21との協働もそうした地域とのつながりを持つための一つなのでしょうか?

市川

そうですね。シングルマザー向けシェアハウスや学童施設など、子どもたちのためになる施設を運営してきたものの、私自身は地元の子どもたちとの直接的な接点はなかったため、いつか何かをしたいと思っていたんです。

キーパーソン21の協賛企業となったおかげで、地元の川崎市立新城小学校で、私自身の人生や仕事について語ったり(『おもしろい仕事人がやってくる』)、子どもたちがビンゴをしながら自分の興味や好きなものが社会の仕事につながっていることを発見するワーク(『すきなものビンゴ&お仕事マップ』)をしたりしながら、今までになかった近い距離で子どもたちと接することができました。

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児童一人ひとりと会話をしながらプログラムを届ける市川社長(画像提供:キーパーソン21)

実際に地元の子どもたちと間近に触れてみていかがでしたか?

市川

非常に勉強になりましたね。

私は自分の生い立ちから、会社の紹介、社員に何を求めるか、私自身の「わくわくエンジン」について話したのですが、一番子どもたちが話題にしてくれたのが、「今、社長をしている人でも学生のときは何をやりたいかが決まっていなかった」ということだったんです。

家業を営む家に生まれたにもかかわらず、私が仕事を継ぐのだと始めて思ったのは、父親から「大学では建築を学んでほしい」と言われたとき、つまり高校生のときでした。

それまでは自分の将来についてぼんやりとしたイメージしかなかったということを正直に話したところ、「それでもいいんだと思った」という感想を子どもたちから多くいただきました。

なるほど、私の話をこういうふうに受け取ってくれるんだなと意外な発見があったりして、とても新鮮でしたね。

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「社長のような仕事に就く人は、小さい頃から夢を持っているはずだ」と思うのかもしれませんね。

米倉

良くも悪くも、夢を持たないといけないという周りからのプレッシャーもあるのかもしれません。

私自身、小学校の卒業式で保護者の前で将来の夢を発表しなければいけなかったときに、自分だけ具体的なことが言えなかったのが今でもトラウマです(笑)。

わくわくエンジンの見つけ方をあの頃に知っていたらと思いますね。

市川

今から見つけると良いよ。

米倉

おかげさまで、ジェクトに入ってから周囲の大人たちに「米倉さんってこういうのが得意だよね、上手だね」と教えてもらったことで、興味の対象や得意なことがだんだんわかっていった感覚があります。

わくわくエンジンも周りの大人が教えてくれることで自己理解が進むので同じですよね。

私が子どもの頃は、ケーキ屋さんやお花屋さんなど思いつく職業のバラエティが少なかったですが、社会人の話を直接聞いたり、地域の大人との対話を通して自分のわくわくエンジンを発見することで将来への視野が一気に広がるのだと思います。

市川

子どもの時代に仕事人と接点を持ち、会話ができること自体に大きな意義があるのでしょうね。

画像④「全てのプログラムを終え、児童からハイタッチで見送られる笑顔の市川社長
すべてのプログラムを終え、児童からハイタッチで見送られる(画像提供:キーパーソン21)

地域から必要とされ続ける企業になるためのキーワードは「寄り添い」

今後キーパーソン21とどのように協働を続けていきたいとお考えですか?

米倉

キーパーソン21は教育に精通していて、当社は不動産や建築が得意です。お互いの強みをいかせば、地域と子どもたちの成長により貢献できると思うので、相乗効果を生み出す関わりを続けていきたいと思います。

市川

今は私たちが学校に行っていますが、次は子どもたちが私たちのところに来て職場を体験する機会を設けてみたいです。

米倉

弊社が運営する「学童クラブAYUMI武蔵中原」でも、当社が手がけている工事中の現場と完成後の建物を見学してもらうと、「すごい、こんなに変わるんだ!」と子どもたちが目を輝かせてくれます。

市川

そういう授業では味わえない体験を提供してあげたいですね。あわよくば、今後建築の道に進みたいと思ってくれる人が出てきたら嬉しい(笑)。

子どもたちにとって非常に貴重な機会になりそうですね。

市川

会社によっては、多忙さから子どもや学生のインターンを受けつけない選択をするところもあるでしょう。

もちろん本業を差し置いてそういう活動をするのは本末転倒ですが、「売上を上げて、お金を稼ぐことだけでいいのかな?」と疑問に思うことがあります。

会社があるのは地域の方に支えられてこそ。地域の宝である子どもたちのために、できる範囲で色々なことにトライしていきたいと思っています。

米倉

私も自分の生活のためだけでなく、地域を盛り上げたいという目的もあって、この会社で経営企画の補助や広報などを行っています。

地域のためにがんばりたい、お互いが元気になる活動をやっていきたいという社員が集まっている会社だと思うので、地域の密着企業として、顔の見える関係性を大切にしていきたいですね。

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米倉

川崎市中原区はキーパーソン21代表理事の朝山さんにとっての地元ですから、さらにこのエリアを盛り上げるべくともに協力したいです。

ありがとうございます。最後に、今後の会社の青写真を教えていただけますか?

市川

当社の理念である「常にお客様の立場でものを考え、お客様にご満足いただける住環境を創造し、サービスをご提供する」を実現するための案を現在模索中です。

2022年にこの理念の“住空間”を“住環境”へと変更したことで、私たちが価値を発揮するフィールドが住宅だけではなくなりました。

その一環として、カフェを通りすがりの人が元気になる居場所になるよう作りましたが、それ以外にもできることはたくさんあるのではないかと考えています。

米倉

市川社長は、地域密着企業だからできること、地元での役割は何かと考え、長期的な目線でさまざまな取り組みに挑戦していらっしゃいますが、キーワードとなるのは寄り添いだと思います。

地域の方々に寄り添う素敵な取り組みを今後も続けたいと思うので、楽しみにしていただけると嬉しいですね。

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オフィスエントランスにて。壁には、市川社長が購入した川崎市内の障がい者たちによるアートの数々が飾られている。

◎団体情報
特定非営利活動法人 キーパーソン21
http://www.keyperson21.org/
設立:2000年12月10日
代表理事:朝山 あつこ
所在地:〒211-0004 神奈川県川崎市中原区新丸子東2-907-25 ハイツ武蔵小杉704

◎企業情報
ジェクト株式会社
https://www.jecto.co.jp/
創業:1920年5月
代表者:代表取締役 市川功一
本社:〒211-0053 神奈川県川崎市中原区上小田中6丁目20番2号
TEL:044-755-2525

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ライター:

1991年東京生まれ。中央大学法律学部出身。卒業後は採用コンサルティング会社に所属。社員インタビュー取材やホームページライティングを中心に活動中。

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