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特定非営利活動法人 キーパーソン21

http://www.keyperson21.org/

〒211-0004 神奈川県川崎市中原区新丸子東2-907-25 ハイツ武蔵小杉704

キーパーソン21とのパートナーシップで「誰もがありのままにその人らしく暮らせる地域づくり」を

ステークホルダーVOICE 地域社会
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社会福祉法人生活クラブ風の村 代表 池田徹さん(プロフィール))

「特定非営利活動法人キーパーソン21さんが素晴らしいのは、子どもたちのキャリア教育プログラムを独自に開発し、商標登録をして、質を担保した取り組みをしている点です。長期的な視野で事業を成立させる姿勢も尊敬しています。」

こう語るのは、職員数1,800名を擁する千葉県最大の社会福祉法人「生活クラブ風の村」理事長の池田徹さん。キーパーソン21が独自開発した「わくわくエンジン®」を千葉県内で取り組むために団体を結成し、地域や学校での展開を計画中とのこと。

「あらゆる境遇の人が自分らしく生きることができる社会をつくりたい」という信念で50年以上にわたり生活者の暮らしに寄り添い、先駆的な福祉事業で社会問題解決のために取り組んできた池田さんに、キーパーソン21とともに取り組む未来づくりについて伺いました。

「誰もがありのままにその人らしく」。地域づくりに「わくわくエンジン®」を活用

生活クラブ風の村 代表 池田徹さんが語る

―まず、千葉県で最大の社会福祉法人の理事長である池田さんから見て、キーパーソン21の取り組みについて、どのように感じていらっしゃるか伺わせてください。

キーパーソン21さんが素晴らしいのは、子どもたちのキャリア教育をするにあたり、教育システムをつくって商標登録をし、きちんと質を担保した取り組みをされているところです。事業として採算をとりやすいものではないのですが、何年もかけて成立させていることも素晴らしく、尊敬しています。

また、キーパーソン21さんの「わくわくエンジン®」は一般企業・団体の社員教育にも活用されています。生きる意欲を持たないまま大人になった人たちはたくさんいますから、社員研修においても効果があるプログラムだと思います。われわれの法人でも朝山さんに教えていただきながらタイミングをみて取り入れていきたいと考えています。

生活クラブ風の村(高齢者と子どもの交流)
(画像提供:社会福祉法人生活クラブ風の村)

―「生活クラブ風の村」さんは、保育から高齢者介護、障がい者支援など幅広い事業を展開されていますが、キーパーソン21と直接つながる子どもの領域ではどのような事業を行っておられるのでしょうか。

「風の村」では保育園を3園運営しています。保育事業においてもっとも大切にしているのは乳幼児期の子どもの健全な発達をどう保障するかということで、「子どもは遊びの中から成長する」が方針です。早期教育が必要と考える風潮の中、最近は保育園でも勉強を教えるところがありますが、私たちはそうではないと考えています。子どもたちはかけまわり、遊びまわり、毎日の日常を大切にすることによって成長していきます。

また、「風の村」には児童養護施設もあります。基本的な子どもの生活の方針は保育園と同じですが、養護施設は24時間生活をともにする場で、高校生までが暮らしていますから支援のあり方は保育の現場と当然違ってきます。

今施設にやってくる子どもの7・8割は被虐待児で、親と一緒に食事をする、休日には遊びに行くという普通の生活がなかった子どもです。われわれがもっとも大切にしているのは子どもたちが普通の生活を送ること。普通の家に近い場所で食事もその家で担当職員が作り、一緒に食べます。普通の暮らしを丹念に繰り返していくことで、子どもは本来の尊重される人としての日常を取り戻していきます。

キーパーソン21と生活クラブ風の村のワークショップの様子
(画像提供:特定非営利活動法キーパーソン21)

―キーパーソン21さんの「わくわくエンジン®」のどこに共感されたのでしょうか。

子どもたちに社会的養護が必要になる理由の多くは貧困に起因する家庭環境です。生活環境を整え、普通の暮らしを取り戻すことで、時間をかけて自立に向けた支援を行っていきます。一方で、「中間層」と呼ばれる家庭や裕福な家庭の子どもたちに何も問題がないかというとそうではありません。

子どもの意識についての国際調査の結果を見ると、諸外国と比べて日本の子どもたちは生きることへの意欲が非常に低くなっています。その背景に教育の問題、福祉の問題もある。それらを強化していかないといけない。今、子どもや若者の問題は日本の大きな問題で、日本の大人が総力で取り組んでいかないといけない課題です。

つまり、子どもをめぐる問題にはグラデーションがあって、中間層の環境にいる子どもたちの意欲や生きる力が落ちていかないようにすることも大切です。千葉県内の賛同者とともに結成した「わくわくプロジェクトCHIBA」では、「風の村」の事業では届かない地域のそうした子どもたちに向けて行うことが第一の目標です。

「わくわくエンジン®」で自分らしく生きるための「軸」をつくる。失敗しても立ち直り、自分らしい人生を歩いていく力をつける。キャリア教育によって子どもたちのモチベーションを上げていく。これらの考え方と実践的なプログラムはとても有効だと思います。

生活クラブ風の村(子どもの笑顔)
(画像提供:社会福祉法人生活クラブ風の村)

―キャリア教育は生活が保障されている子ども向けで、生活の支援が必要な子どもたちはその前段階にいるということでしょうか。

私が考えているのはまさにそこで、必ずしもそうではないのではないかと感じています。家庭環境に恵まれない子どもには衣食住や生活のリズムを作る支援が最優先ですが、同時に中間層の子どもたちと同様、生きるモチベーションを高めるための支援も必要だからです。

そこで、学習支援事業に来ている子たちに「わくわくエンジン®」が有効かどうかを試してもらうため、講師の人たちに依頼して「すきなものビンゴ&お仕事マップ」というワークショップを行いました。

生活困窮者自立支援法に基づく事業のため、参加した子どもたちの多くは貧困家庭の子どもですが、ビンゴを通して自分の好きなことや大切にしたいことを知るゲームは好意的に受け取られたようです。今後、あらためて振り返りを行い、具体的な実施方法を検討していくことになりますが、さまざまな可能性があると感じています。小学校での取り組みとあわせてどんどんチャレンジしていきたいですね。

保育事業者としての問題意識がキーパーソン21の活動とつながる

キーパーソン21と生活クラブ風の村のメンバーの集合写真
(画像提供:特定非営利活動法キーパーソン21)

-「わくわくエンジン®」には、どんな境遇の子どもたちでも「自分らしさ」の発見につながる仕組みが内包されているのですね。ちなみに、これまでのキーパーソン21さんとの活動の経緯はどのような流れだったのでしょうか。

2018年に社会活動家の湯浅誠さんの著書でキーパーソン21さんの活動を知り、代表の朝山あつこさんに連絡したのがはじまりです。まず、習志野市で朝山さんの講演会を開催し、「わくわくエンジン®」を千葉県全体に広めたいと考え、賛同者とともに任意団体「わくわくプロジェクトCHIBA」を結成しました。

「わくわくプロジェクトCHIBA」ではキーパーソン21さんとのパートナーシップ提携のもとに、プログラムを実行するナビゲーターを地域で養成し、子どもたちにキャリア教育プログラムを届けています。これまでにワークショップを生協の組合員の家庭の子どもたち、「風の村」の児童養護施設の子どもたちを対象に2回実施しました。

今後は小学校での活動を中心に進めていく予定です。千葉市内の小学校でのワークショップが新型コロナ禍によって中止を余儀なくされましたが、コロナが終息したら再挑戦します。

「わくわく」を必要とするさまざまな地域の子どもたち

生活クラブ風の村キーパーソン21のワークショップ終了後の1シーン
(画像提供:特定非営利活動法キーパーソン21)

―最後に、今後、キーパーソン21さんとどのように連携を深めていきたいとお考えかをお伺いできればと思います。

1990年代から続いた新自由主義政策や温暖化による地球環境の破壊により、次世代を担う子どもたちをめぐる環境は厳しいものです。それでもやれることはまだまだあると思います。子どもたちが生き生きと暮らせて、自立した人間に成長できるようにサポートすることがあらゆる地域で求められています。

子どもたちのキャリア教育の手段としての「わくわくエンジン®」は魅力も実績もあります。われわれも目の前にいる子どもたちに未来に希望を持つためのひとつのツールとして利用していきたい。ワークショップは学校という場において有効だと思いますし、やり方によっては困窮家庭の子どもたちの可能性も引き出すことができます。キーパーソン21さんと共同でチャレンジしながら、われわれの事業が目指す「誰もがありのままにその人らしく暮らせる地域づくり」を進めていきたいと考えています。

―本日はお忙しい中、ありがとうございました。

◎プロフィール
池田 徹
生活クラブ風の村 理事長

◎法人概要
生活クラブ風の村
https://kazenomura.jp/company/
設立:1998年
〒285-0837 千葉県佐倉市王子台1−28−8
ちばぎん臼井ビル4階
TEL 043-309-5811

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