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地域商社という地方銀行の新たなビジネスモデル|株式会社富山銀行 執行役員金沢営業部長 末武真吾さん

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株式会社富山銀行 執行役員金沢営業部長 末武真吾さん

株式会社富山銀行は、富山県高岡市に本店を置く地方銀行です。2013年4月に金沢事務所を開設し、主に法人向けの経営相談に対応し、情報提供やソリューション提案を行うことで、 金沢エリアのお客様との信頼関係を築いてきました。

2017年2月には、事務所を支店に昇格させ、金沢営業部 (金沢営業部コンサルティングプラザ)として、金沢エリアでのコンサルティング業務に特化した営業活動を行っています。

今回は、営業統括部企画役などの役職を歴任し、現在は執行役員金沢営業部長として活躍している末武真吾さんに、現在の富山銀行および金沢営業部の取り組みと、ステークホルダーへの想いについて話を伺いました。

地域の企業と関東圏・関西圏の企業をマッチングして販路拡大へ

──今、御行が最も力を入れている事業は何でしょうか。

銀行業の柱は融資です。しかし、この融資というビジネスモデルだけに頼っていると、今後、地方銀行の多くは行き詰まっていく可能性があるといわれています。多くの地方銀行は、現在、新しいビジネスモデルを探索している過程にあります。

今、弊行が考えているビジネスモデルは「地域商社」です。地方にも良い会社はたくさんあります。ところが、販路を広げることがなかなかうまくいきません。そこを弊行でお手伝いしたいと考えています。

具体的には、富山・石川の優秀な企業を関東圏・関西圏、ひいては海外の企業とつなげて販路を拡大し、成長を促すというビジネスモデルです。その一環として、東京のコンサルティング会社である有限会社ロッキングホースさんと2021年4月に業務提携しました。

ロッキングホースさんは、首都圏等で活躍する、業務支援、Eコマース、コスト削減、情報セキュリティーなどが得意なベンチャー企業の顧問などを務めていますので、富山・石川地域の優良企業とのマッチングをしていただきます。

6月24日には初の販路拡大セミナーを高岡市で開催し、会場とオンライン合わせて約200社が参加しました。業務提携から2カ月にもかかわらず、金沢営業部では既に2社の契約を実現しています。

企業の経営状態が良いときも悪いときも取引を続ける

──多くの地域で地方銀行が複数ありますが、御行の特徴、あるいは役割とは、どういった点にあるのでしょうか。

銀行という業態は、その差別化が難しいのです。差別化しにくいから、経営統合という話がしばしば上がってくるわけです。

弊行はお客様と長く取引していくことをモットーとしています。お客様の経営状況は、良いときも悪いときもあります。良いときだからといって、弊行はメインバンクを押しのけてまで取引を拡大しようとは思いません。弊行のことを少しずつ理解していただき、信頼関係を築きながらシェアを広げていくようにしています。

つまり、業績が良くないときも、お客様に寄り添っていくのです。一時の業績の浮き沈みで取引をやめるということはありません。

一般的には「銀行は雨の日に傘を取り上げ、晴れの日に傘を貸す」などと批判されますが、弊行ではそういうことはしません。こういった文化が弊行には脈々と受け継がれてきています。

もちろん、貸し倒れのリスクもありますので、経営状況が悪化してきた時には、当然、お客様から経営に関する情報の提供を要求しますが、取引をやめることはありません。弊行のこういったスタンスをしっかりとお伝えしてお取引をさせていただいています。

株式会社富山銀行執行役員金沢営業部長 末武真吾さんへのインタビューの様子

企業担当の行員を複数人にするという銀行では珍しい取り組み

──その他に御行の特徴はありますか。

普通の銀行では1社につき1人の担当者を付けますが、金沢営業部では複数人で担当する体制を敷いています。銀行は転勤が多い業種なので、そのたびに担当者が代わると企業側は一から説明しなくてはなりません。他の業種でそのようなことをしていると、「きちんと引き継ぎをしていないのか」と怒られます。ところがなぜか銀行は許されてしまいます。

それは本当に失礼な話です。そもそも複数人の担当者を付けておけば、1人が転勤しても他の者が理解しています。また相手企業の困り事に対しても、複数人が担当していれば話し合いができ、より良い解決策を提示することができます。

例えば5人の行員がいたとします。5人が均等に忙しいということはありません。3人はフルに案件を抱えているが、2人は案件を探している状態だとします。この2人は、担当の会社や社長のことを知っているので、提案書や稟議書などの書類を集中的に書くことができます。したがって組織としてはトータルで見れば効率が上がり、より多くの業務をこなすことができるのです。

──複数人で担当する場合、営業マンの評価が難しいように感じますが、どのように決めているのでしょうか。

案件を獲得してきた人が最後まで仕上げたら自分の手柄になるとしたら、誰にも案件を渡したくなくなります。金沢営業部ではそうならないように、案件を獲得してきた人、手伝った人、書類を書いた人、クロージングをした人など、関わった人は全て評価します。毎朝30分間のミーティングをしているのですが、その話し合いの中で皆の合意を得ながら評価を決めていきます。

富山銀行本店(画像提供:株式会社富山銀行)

富山銀行金沢営業部のステークホルダーへの想い

取引先との向き合い方
有限会社ロッキングホースさん

ロッキングホースの代表取締役 森部好樹さんは、弊行の中沖雄頭取の先輩です。大学の先輩であり、日本興業銀行(現:みずほ銀行)の先輩でもあります。興銀証券(現:みずほ證券)時代は2人とも役員を務めていました。そういうご縁もあり、今、弊行で最も力を入れている「地域商社」としての大都市圏の企業とのビジネスマッチングの取り組みが実現しました。新しいビジネスモデルを模索していた弊行としては、ロッキングホースさんの存在は大変ありがたいことでした。大変感謝しております。

株式会社クラスコさん

金沢市で3本指に入る不動産事業者です。代表取締役 小村典弘さんは40代という若さで先代から会社を承継した際に、社内でハレーションが起き、社員の半分以上が退社したという経験をお持ちです。
 
小村社長はそういったピンチをチャンスに変えようと、ビジネスモデルの変革に着手しました。例えば、古い不動産物件を購入し、デザイン重視でリノベーションをして、新たな価値を付けて販売する取り組みを始めたのです。このとき培ったノウハウをパッケージ化して、全国の不動産業者とフランチャイズ契約をして物件を販売しているのです。地方の不動産業者でそのような革新的なビジネスモデルにチャレンジしているところはほとんど聞いたことがありません。
 
小村さんの社長室に伺うと、ルームランナーの前に机を置いて、常に足を動かしながら仕事をしているのです。とてもユニークな社長さんです。
 
ちなみに、この金沢営業部の店舗もクラスコさんにデザインしてもらいました。銀行らしくない、おしゃれなデザインです。
 
今後の事業展開にも期待しています。

金沢営業部コンサルティングプラザのオフィスの写真

銀行らしくない、金沢営業部コンサルティングプラザのおしゃれなオフィス

エステックアセットマネジメント株式会社さん/エステック不動産投資顧問株式会社さん

エステックホールディングス株式会社さんのグループ企業で、金沢市に拠点を構えています。宅建業、投資顧問業、金融商品取引業を営む企業になります。最近では「北陸ファンド」の設立を準備しています。
 
例えば、行政がビルや駐車場を造るときに、地域から資金を集めて、地域の人が利用できるように還元することを目的にしています。普通の不動産業者には、なかなかこういう発想はできません。地方創生に貢献している素晴らしい会社だと思います。

ダイワ通信株式会社さん

金沢市に本社を置き、ソフトバンクショップの運営をメインに行ってきました。ソフトバンクのモバイル機器やアクセサリーの販売では、北陸地方で随一のシェアをお持ちだと思います。
 
現在、AIとIoTを駆使した新世代セキュリティーシステムの開発に力を入れており、急成長を遂げています。
 
例えば、自律走行式のAIロボットにさまざまな機能を搭載させ、自動化による効率化や人間では難しい作業の代行を実現しています。
 
また、新型コロナウイルス感染対策のため、測温センサーとAI認証システムのノウハウを組み合わせ、AI体温検知システムを緊急開発しました。
 
AI行動検知システムでは、人間の不審な動きをAIが検知し、万引きなどを未然に防ぎます。
 
ソフトバンクショップの運営というメイン事業で満足することなく、こういった新世代セキュリティーシステムを積極的に手掛け、成長を続けていることは大変素晴らしいと思います。

株式会社宗重商店さん

金沢市に本社を構える企業で、解体事業、リサイクル事業、リユース事業などを手掛けています。創業は1939年で、長い歴史を持つ会社ですが、現在の代表取締役 宗守重泰さんの代になり、大きく成長しました。
 
宗守社長はSDGsや地域貢献への理解が深く、積極的に取り組んでいます。建物の解体時に残されていた家具などを東南アジアに送るリユース事業も行っています。同様に、金沢市内の一人暮らしの学生が卒業してこの地を離れる際にも、冷蔵庫など引き取って、次に来る学生に使ってもらう取り組みも行っています。このような取り組みは、途上国にも地域にとってもありがたい存在ですので、応援しています。

地域社会・地球環境との向き合い方

地方銀行の使命は、地域社会に利益を還元することです。弊行だけが利益を出していても意味がなく、社会全体でその利益を享受しなければなりません。弊行では2019年8月、ホームページに「SDGsへの取り組み」を公表し、目標の達成に向け取り組み行ってきましたが、SDGs推進の更なる強化に向け、組織横断的なプロジェクトチームを2021年1月に立ち上げ、さまざまな取り組みをより積極的に推進しています。

株式会社富山銀行のSDGsへの取り組み

<重点推進項目>

持続可能な地域社会の実現

・質の高い金融サービスの提供を通じ、持続可能な地域経済・社会の発展に貢献します。

健全な経営管理態勢の確立

・当行のビジネスモデルが持続可能となるべく、ガバナンス、コンプライアンス、 各種リスク管理の更なる強化により健全な経営管理態勢を確立します。

働きがいのある職場環境創り

 ・従業員の多様性、人格、個性を尊重する働き方を実現し、健康と安全に配慮した 働きやすい職場環境創りに取り組みます。

(参考)富山銀行のSDGsへの取り組み

https://www.toyamabank.co.jp/pages/info/sdgs.pdf

 

富山銀行 執行役員金沢営業部長 末武真吾さんのインタビュー写真(正面)

<企業情報>

株式会社富山銀行

https://www.toyamabank.co.jp/

本店所在地:〒933-0021 富山県高岡市下関町3番1号
金沢営業部所在地:〒920-8203 石川県金沢市鞍月5-181 AUBEビル1階
設立:1954年2月1日
資本金:67億3,000万円
代表者:中沖雄
店舗数:39店舗
従業員数:316名
預金残高:4,868億円
貸出金残高:3,639億円
(2021年3月31日現在)

 

フェニックスソリューションを富山銀行金沢営業部末武真吾さんが語る
富山銀行執行役員 金沢営業部長 末武真吾さんが語る株式会社フェニックスソリューションの記事はこちらから読むことができます!

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WRITER
サイエンスジャーナリスト
小林 浩
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1964年生まれ、群馬県出身。国立群馬高専卒。専攻は水理学と水文学。卒業後、日刊紙『東京タイムズ』をはじめ、各種新聞・雑誌の記者・編集者を務める。その後、映像クリエーターを経て、マルチメディア・コンテンツ制作会社の社長を6年務める。現在は独立し、執筆と映像制作に専念している。執筆は理系の読み物が多い。 研究論文に『景観設計の解析手法』、『遊水モデルによる流出解析手法』、著書に科学哲学啓蒙書『科学盲信警報発令中!』(日本橋出版)、SFコメディー法廷小説『科学の黒幕』(新風舎文庫、筆名・大森浩太郎)などがある。

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