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セムコ株式会社

https://www.semco-ltd.com

〒651-2271 兵庫県神戸市西区高塚台5-4-23

電話番号 / FAX:078-992-8361 / 050-3730-4362

藤田医科大学田口智博さんから見たセムコ株式会社代表宗田謙一朗さん|チームコーチングで共に成長する

ステークホルダーVOICE 地域社会
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藤田医科大学 田口智博さんから見たセムコ株式会社 代表取締役 宗田謙一朗さん

セムコ株式会社は、船舶燃油の計測制御機器「液面計」の製造・販売で国内トップシェアを誇っています。代表取締役 宗田謙一朗さんは、創業者である父親の急逝を受けて32歳で事業承継をされました。当初の数年間は社内にコンフリクトが起きるなどの苦しい経験をされた宗田さんは、社員とのディスカッションを通じたチームワークをビジョンに掲げてこの難局を乗り切ったのだそうです。

宗田さんと親交のある藤田医科大学医学部地域医療学講師 田口智博さんもチームワークの大切さを訴えている一人です。田口さんは医師として、総合診療という分野で患者や家族と接するとともに、医療従事者がやりがいを持ち、チームワークを通して患者さんや地域住民に貢献し、社会が豊かになることを目指しています。医療の世界ではエビデンスが必要となるため、チーム医療やチームコーチングなどの研究活動も行っています。

診療・教育・研究・組織運営に対し、精力的な取り組みを進めている田口さんに、宗田さんへの想いなどについてインタビューしました。

パートナーシップを築きながら一緒に成長していく仲間

田口 智博(たぐち ともひろ)藤田医科大学 医学部 地域医療学 講師
田口智博さん

──宗田さんとの出会いについて教えてください。

私と宗田さんとは、2020年9月にあるセミナーで出会い、2021年1月まで共に時間を過ごしました。取引先ではなく、個人的な関係が出発点でした。

──そのセミナーはどういったものだったのですか。

主にリーダーシップをテーマとしたものです。9月のセミナーは、自分の本質を探究して、制限を突破するもので、10月以降は実際に日常の生活あるいは仕事で成果をつくる、ビジョンを実現していくというテーマのセミナーでした。

──宗田さんに出会ったときの第一印象はどうでしたか。

最初は非常に信念が強いということと、一方でその信念が強過ぎて近寄り難い印象もありました。

──お付き合いを進める中で、実際にはどのような人物だと感じましたか。

セミナーで話をする中で、印象がだいぶ変わりました。それは主に2つの点です。

一つは、宗田さんとの共通点があったということです。宗田さんも私も、PHP研究所という同じ場所、同じ人からコーチングやチームコーチングを学び、実践していたという点です。だからこそ宗田さんはビジョンが非常に明確で、そこに至る想いや在り方がしっかりしているのだということに納得がいきました。自分に近いものを感じたので、1月までの間だけではなく、その後もずっと宗田さんと共にパートナーシップを築きながら一緒にやっていくのだろうという気持ちになったのです。

もう一点は、卓越した行動力・正直さ・謙虚さ・柔軟性を兼ね備えた人物だということです。今後もこういう方と共に過ごす時間を大切にしたいと思いました。

──今でもプライベートで会うことがあるのですか。

コロナ禍になってしまいましたので、対面で会うことはあまりないのですが、ZoomやLINEなどでやりとりすることは非常に多いです。毎週のように何らかのことで関わっています。

──そのときの話題は、チームコーチングやチームビルディングの内容が多いのですか。

話題はさまざまです。一緒にチームを作る話も出ますし、あるいは私の妻のことや、宗田さんの息子さんなど、お互いの家族の話も出ます。

セムコさんの社員の話も多いですね。宗田さんは社員に対して非常に思いやりがあり、優しさにあふれています。社員が単に組織の中で働くのではなく、やりがいを感じながら、その人が持っているものを最大限に生かしたいということを感じています。私は医師という立場なので、社員がメンタル面で課題を抱えているときにどうしたらいいかという相談を受けます。

こういったことを含めて、いろいろなテーマでやりとりをしています。

自分の在り方を見つめ直し、行動力や信念を拡張していく

──今回、宗田さんが主催したチームコーチング、チームビルディングについてのイベントに参加したそうですが、どういった動機があったのでしょうか。

2020年9月から2021年1月にかけて対面でお会いし、その後もオンラインでやりとりする中で、宗田さんが事業を引き継ぎ、葛藤や困難から抜け出して、今の会社をつくり上げたことについて、部分的には聞いてきました。しかし、ストーリーとしてまとめて伺ったことがなかったのです。

私は宗田さんという人にとても興味があったので、彼が過去の状況から現在に至るまでどのように歩んできて、そして今後どうしたいのかということを、伺いたかったのです。また、社員さんも参加するということだったので、社員から見て宗田さんはどう見えているのか、宗田さんが社長をしているセムコがどう映っているかということも、ぜひ聞いてみたかったのです。

それに加えて、私自身もコーチやチームコーチとして活動しているので、そういった視点からも学ぶことが多いのではないかと思って参加しました。

──イベントに参加した感想をお聞かせください。

参加した感想を一言で言うと、宗田さんはすごい方だなとあらためて実感しました。彼はとても柔軟性があって謙虚です。そして行動力にあふれていて、自分の会社の中でもいろいろな学びを生かしています。何よりも今までの自分の在り方を見つめ直して、行動力や信念を拡張していく姿に感銘を受けました。NHKの『逆転人生』という番組を見ているかのようでした。

さらに、プレゼンテーションの最後には、「そうは言っても、本当にいろいろな葛藤・困難があって大変でした」ということをきちんと正直に語っていました。順調にいったのではなくて、いろいろな困難があったという、彼らしい正直さも見えて非常にうれしかったですし、学びもありました。参加した後、「非常にいいものなので、どんどん発信していくといい」と、すぐ彼に連絡しました。

彼は日本のものづくりをしている中小企業を、より発展させていきたいと考えています。セムコだけではなく、日本全体のものづくりのことを考えています。

私自身も医療という世界の中で、患者さんや地域住民が、一人一人がお互いにつながって笑顔で、幸せを感じていますということをビジョンとしています。それを実現するためには、医療従事者一人一人がやりがいを持つことが大切です。医療従事者は目の前にいろいろな課題があって、終始それに追われてしまっている現状はあるのですが、医療従事者がやりがいを持ち、チームとなってやりたいことを実現していくということが、私自身のビジョンです。

そのために、宗田さんも私も、コーチング、チームコーチングというものを、もっと日本に広げていきたいという思いがあります。そういったこともあって、彼のプレゼンテーションはストーリーとして聞いていて感銘を受ける人も多いと思います。ぜひ発信してほしいと思いました。

謙虚で正直に話す姿勢に勇気を与えられた

──宗田さんに対して、あらためて感謝の言葉をお願いします。

宗田さんに出会えて、一緒に過ごさせていただく中で、感動や勇気を与えていただいています。

彼はこれまで、取引先との関係が悪くなったときに、恐れや不安があったとしても相手の社長と正面から向き合い、謝罪し、「こうしたいのです」という思いを伝えてきました。社内でも、関係がうまくいっていない社員と話をする場をつくって、正直に気持ちを伝え合ってきました。

どのような状況からでも、関係性を深めて構築していく場面を見聞きし、感動しました。もっと自分も頑張ろうと思うことができるのです。そういった彼の行動力や、本当に謙虚で正直に話をするところから、どれだけ私が勇気を与えられてきたでしょうか。心から感謝しています。

──宗田さんにより期待することは何ですか。

彼自身がこれからやろうとしていること、つまり自分の会社のみならず、モノづくりをしている日本の中小企業を発展させていきたいということを、どんどん進めていってほしい。日本という社会をより豊かにしていくために、与えられた環境や出会いに感謝し、そこに喜びと楽しみを感じながら、彼と一緒にできることを一歩一歩進めていきたいです。

【プロフィール】

田口 智博(たぐち ともひろ)
藤田医科大学 医学部 地域医療学 講師
PHP 上級認定ビジネスコーチ、PHP認定チームコーチ、全国チームコーチ連盟認定 チーミングリーダー養成トレーナー、日本臨床コーチング研究会幹事、東海臨床コーチング研究会幹事、国際メンターシップ協会認定アソシエートメンター、米国NLP協会NLPマスタープラクティショナー。
2000 年山梨医科大(現・山梨大学)医学部卒。聖路加国際病院,亀田メディカルセンター,名古屋大学大学院、三重大学医学部附属病院などを経て,2019 年3月より現職。
コーチングとチームコーチングをテーマに診療、教育、組織運営で実践、研究をし、全国各地の学生や医療従事者に紹介している。
https://www.fujita-hu.ac.jp/

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ライター:

1964年生まれ、群馬県出身。国立群馬高専卒。専攻は水理学と水文学。卒業後、日刊紙『東京タイムズ』をはじめ、各種新聞・雑誌の記者・編集者を務める。その後、映像クリエーターを経て、マルチメディア・コンテンツ制作会社の社長を6年務める。現在は独立し、執筆と映像制作に専念している。執筆は理系の読み物が多い。 研究論文に『景観設計の解析手法』、『遊水モデルによる流出解析手法』、著書に科学哲学啓蒙書『科学盲信警報発令中!』(日本橋出版)、SFコメディー法廷小説『科学の黒幕』(新風舎文庫、筆名・大森浩太郎)などがある。

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