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一般社団法人公益資本主義推進協議会(PICC)

https://picc.or.jp/

東京都渋谷区神宮前5丁目-52-2号

ラポールヘア・グループ早瀬渉さんが語るPICCへの想い|社会課題解決にドライブをかける仲間

ステークホルダーVOICE 地域社会
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ラポールヘア・グループ代表早瀬渉さんが語るPICCへの想い

株式会社ラポールヘア・グループ は、東日本大震災の直後に、最大被災地の石巻市で設立されました。10年間にわたり、子育てや介護など、時間的な制約でなかなか働くことができなかった美容師さんの雇用を創出してきました。

一般社団法人公益資本主義推進協議会(PICC)宮城支部が発足した当初から活動し、社会問題解決のために尽力してきた、ラポールヘア・グループ 代表取締役 早瀬渉さんに、PICCとのつながりの経緯や、今後の期待についてインタビューしました。

PICC大久保秀夫会長からの感謝の言葉

──まず、PICCの大久保秀夫会長からの感謝の言葉を紹介します。

株式会社ラポールヘア・グループさんへ

 

代表取締役 早瀬渉さんは、かつて株式上場企業の役員をされていました。2011年3月11日の東日本大震災を機に退任し、同年7月に最大被災地となった宮城県石巻市で美容業のラポールヘア・グループを創業しました。
 
被災者たちに雇用の機会を提供したいという思いが強かったのはもちろんですが、彼は美容室業界全体の課題を解決したいとも考えていたのです。その課題とは、いわゆる制約人材の問題です。子育てや介護など、働き方に制約を抱えている女性美容師たちの雇用が危ぶまれていたのです。
 
早瀬さんは保育士常駐の無料キッズルームを併設するなど環境も整備し、働く時間も1週間に1日でも1時間でも構わないとしました。雇用の機会を増やすことが目的なので年齢制限もせず、70歳の美容師さんも働いています。そういう美容師さんは、同年代のお客さまと昔話をしながら働けるということで、幅広いお客さまが集い、高齢者も社会で活躍できる場が提供されています。

 

また、来店だけでなく訪問にも対応しています。65歳以上世帯のうち3割が独り暮らしですが、その高齢者の生活実態を考えると、地方に行くほど自動車がないと何もできません。これが地方にとって大きな課題になっているので、美容師が空いている時間帯とお客様がきてもらいたい時間帯をマッチングすることで、自分では美容室に来ることができないお客様にも対応できるようにしていくことにもチャレンジされています。
 
早瀬さんの取り組みは、2016年には経済産業省中小企業庁「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選定され、2017年には復興庁「企業による復興事業事例」として表彰されるなど、各方面で高く評価され、メディアでも多く取り上げられました。
 
現在では全国にフランチャイズ展開しています。特に素晴らしいと思うことは、過疎化地域に美容室を開設していることです。人口が多い地域にはたくさんの美容室がありますが、過疎化している地域には美容室がないのです。そういう地域で、かつて美容師をやっていた方に働いてもらうことで、過疎化対策になっています。こういった取り組みは、社会性、独自性、経済性を持った事業であり、尊敬に値し、頭の下がる思いです。


一般社団法人公益資本主義推進協議会大久保秀夫会長の記事はこちらからも読むことができます!

さらに仲間を増やし、社会課題解決にドライブをかけていきたい

──御社とPICCとのつながりの経緯についてお聞かせください。

PICCの設立時からのお付き合いになります。東北地方でも社会起業家と呼ばれる経営者を募り、全国のPICCの同志が集まり、社会的インパクトがある情報を発信しようというスタートでした。そのときに声を掛けていただいて、東北のメンバーの1人として活動するようになりました。

──御社にとってPICCはどういった存在でしょうか。

PICCの宮城支部はもちろん、全国の支部に所属している経営者は、社会課題を解決したい、三方よしを目指すといったように、基本的に同じ志を持っています。そういった経営者を集めて活動する団体が世の中にはなく、非常に勇気を与えられています。振り返れば、お互いの活動を参考にして、自社の事業の成長にもつながっています。

──PICCに期待していることは何ですか。

コンセプト、志、創業の経緯は会員の皆が賛同するところです。私たち会員にとっては、仲間が増えるほど自社にとってもプラスになります。社会課題解決にもドライブがかかってくるので、さらに仲間を増やしていきたいと思っています。

被災地で美容師の生活基盤を取り戻す

──御社の今後の活動についてお聞かせください。

2011年3月11日に発生した東日本大震災の後に、最大被災地の石巻市で起業した美容室チェーン店は、日本で唯一、ラポールヘア・グループだけです。創業から10年、子育てや介護など、時間的な制約があってなかなか働くことができなかった女性たちの雇用を創造してきました。最高齢の美容師は67歳で、毎月平均25万円の収入があります。

人生100年時代に向かう中で、50歳以上の技術者が働く場所はかなり少なくなっています。消滅可能性都市といわれる人口5~20万人の自治体に関していえば、さらに減ってくるわけです。ただし、そこに住み暮らす方々がいなくなるわけではありません。

美容室は地域コミュニティーの一つとしての位置付けがあります。雇用の創造と地域コミュニティーの形成を同時に進めていくことで、社会課題を少しで解決したいという思いで今後も取り組んでいきたいと思っています。

ラポールヘア早瀬渉

<企業情報>

株式会社ラポールヘア・グループ

http://www.rapporthair.com

代表者:早瀬渉

本社所在地:〒986-0859 宮城県石巻市大街道西2-2-27

仙台支社:〒983-0005 仙台市宮城野区福室田中前1-53-1 仙台コロナワールド1階

設立:2011年7月1日

資本金:15,050,000円(資本準備金:7,050,000円)

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ライター:

1964年生まれ、群馬県出身。国立群馬高専卒。専攻は水理学と水文学。卒業後、日刊紙『東京タイムズ』をはじめ、各種新聞・雑誌の記者・編集者を務める。その後、映像クリエーターを経て、マルチメディア・コンテンツ制作会社の社長を6年務める。現在は独立し、執筆と映像制作に専念している。執筆は理系の読み物が多い。 研究論文に『景観設計の解析手法』、『遊水モデルによる流出解析手法』、著書に科学哲学啓蒙書『科学盲信警報発令中!』(日本橋出版)、SFコメディー法廷小説『科学の黒幕』(新風舎文庫、筆名・大森浩太郎)などがある。

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