
東京都の小池百合子知事は、老舗結婚式場「ホテル雅叙園東京」が突然のキャンセルを通達した問題を受け、都として支援策を講じる意向を示した。都庁の展望室を代替会場とする可能性にも言及し、影響を受けたカップルの救済に乗り出す。
突然の結婚式キャンセル 都が動く
東京都目黒区にある老舗結婚式場「ホテル雅叙園東京」が、結婚式を予定していた約180組のカップルに対し、突然キャンセルの連絡を行った問題が波紋を広げている。この事態を受け、小池百合子都知事は21日の定例記者会見で、都としての支援策を検討していることを明らかにした。
小池知事は「東京都では、AIを活用したマッチングを含め、結婚や出産、教育に至るまで一貫した支援を行っている。その意味で、結婚式直前のカップルが会場のキャンセルに直面することは大きな痛手になる」とし、都としての対応を進める考えを示した。
また、都庁45階にある展望室を「ユニークベニュー」として活用し、結婚式や披露宴の代替会場とする可能性にも言及。「業界団体とも連携しながら、必要なバックアップを行っていきたい」と述べた。
投資会社の影響?キャンセルの背景
この問題の背景には、雅叙園の所有権の変化があるとされる。今年1月、カナダの投資会社が雅叙園の所有権の一部を取得したことを契機に、雅叙園側が2025年10月・11月の結婚式を予定していたカップルに対し、キャンセルの連絡を行ったと報じられている。
式の前倒しを検討する場合には会場費の無料提供が提案された一方、キャンセルする場合は迷惑料として10万円を支払うという対応が取られたという。しかし、多くのカップルは突然の変更に困惑しており、ネット上では批判が相次いでいる。
SNSで賛否の声 都の対応は評価?
この問題に対し、SNSでは賛否の声が上がっている。
「結婚式は人生の大イベント。直前のキャンセルはあまりにも無責任」 「投資会社の方針転換が原因なら、もっと早い段階で発表すべきでは?」 「都庁の展望室で結婚式ができるのは面白いアイデアだが、全員が満足できるわけではない」
一方で、「都がすぐに支援を表明するのは評価できる」と小池知事の対応を評価する声も見られる。
小池百合子の軌跡 都知事になるまでの歩み
ー政界入りから都知事選までー
小池百合子氏は、兵庫県出身で、カイロ大学を卒業後にアラビア語の通訳などを経て政治の道に進んだ。1992年には参議院議員として政界入りし、その後衆議院議員へ転身。環境大臣や防衛大臣などを歴任し、クリーンな政治を掲げながら知名度を高めた。
ー9年目の都政 小池知事の実績ー
2016年に東京都知事に就任し、現在9年目を迎える。女性初の都知事として、環境政策や都市改革に取り組み、クリーンな政治を掲げてきた。
特に、少子化対策や子育て支援に力を入れており、2023年には「子育て支援金制度」を導入。東京都内の子育て家庭に対し、経済的支援を提供する施策を打ち出した。また、教育環境の改善や女性の社会進出支援にも注力し、持続可能な都市づくりを目指している。
今回の雅叙園の問題についても、発生から間もなく対応策を打ち出しており、都民の関心を引きつけている。問題解決へのスピード感は、小池知事の強みの一つと言える。
今後の展開
今後、雅叙園の対応や投資会社の動きが注目されるとともに、都がどのような具体的支援を打ち出すかが焦点となる。都庁展望室の活用が実現するのか、また業界団体と連携してどのような代替策が提供されるのか、今後の動向が注目される。