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オープンAI、マスク氏の15兆円買収提案を拒否 背後にある“対立の構図”とは?

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オープンAI、マスク氏の15兆円買収提案を拒否背後にある“対立の構図”とは?
DALL-Eで作成

米人工知能(AI)開発企業オープンAIは、実業家イーロン・マスク氏が率いる投資家グループからの974億ドル(約15兆円)に及ぶ買収提案を全会一致で正式に拒否したと発表した。共同創業者であるサム・アルトマンCEOとイーロン・マスク氏の対立は、AI業界の覇権争いと企業理念の相違を浮き彫りにしている。

買収提案の経緯と背景

イーロン・マスク氏率いる投資家グループは、974億ドル(約15兆円)規模の買収提案をオープンAIに対して行っていた。この提案に対し、オープンAIは2月14日に「オープンAIは売り物ではない」との声明を発表し、理事会が全会一致で拒否したと公表した。

アルトマンCEOとマスク氏の応酬

買収提案直後、オープンAIのサム・アルトマンCEOはX(旧ツイッター)で「ノーサンキュー。望むのであれば旧ツイッター社を97億4000万ドルで買収します」と挑発的な投稿を行い、提案額の10分の1でマスク氏の企業買収を揶揄した。これに対し、マスク氏はアルトマン氏を「詐欺師」と批判し、両者の対立が公然化した(ブルームバーグ報道)。

オープンAIとマスク氏の確執の背景

オープンAIは2015年に非営利団体として、アルトマン氏とマスク氏を含む共同創業者によって設立された。しかし、2018年にマスク氏は組織の方向性をめぐる意見対立を理由に離脱。オープンAIはその後、AI開発資金を確保するために営利企業構造へと移行した。この方針転換に対し、マスク氏は「設立理念への裏切り」として反発し、オープンAIを提訴している。

専門家が指摘する買収拒否の背景

米ウォールストリート・ジャーナルは、オープンAIが買収提案を拒否した背景として以下の要因を指摘している。

AI研究の独立性維持:マスク氏の支配下では、研究方針の中立性が損なわれるリスクがある。
企業評価のさらなる向上:オープンAIは現在、ソフトバンクグループと3000億ドル規模の資金調達を協議中であり、買収に応じることは不利益と判断した可能性が高い。

今後の展望とまとめ

オープンAIは再編計画を維持しつつ、資金調達やAI研究の強化を進める構えを示している。一方、マスク氏は自身のAI企業「xAI」を通じて市場での影響力を高めようとしている。

両者の対立は、AI業界の覇権をめぐる象徴的な事例であり、企業理念や研究の独立性をめぐる議論として今後も業界を揺るがすだろう。

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ライター:

新聞社で記者としてのキャリアをスタートし、政治、経済、社会問題を中心に取材・執筆を担当。その後、フリーランスとして独立し、政治、経済、社会に加え、トレンドやカルチャーなど多岐にわたるテーマで記事を執筆

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