スポーツ界に広がる「メンタルケア」の重要性
近年、アスリートのパフォーマンス向上において、メンタルケアの重要性がますます高まっている。かつては体力や技術が重視される傾向にあったスポーツ界だが、プレッシャーやストレス、モチベーション管理など、目に見えない心の状態が競技結果に大きく影響することが明らかになってきたためだ。
海外では、オリンピック選手やプロスポーツチームにおいて、専属のメンタルコーチやスポーツ心理学者が帯同することが当たり前になっている。メンタルケアによって、集中力や自己肯定感を高め、プレッシャーを克服することで、最高のパフォーマンスを引き出すことが期待されている。
「98%が重要」 アンケート調査が示す実態
株式会社新生技術開発研究所が、スポーツ経験者や指導者を対象に実施した「スポーツのメンタル」に関するアンケート調査によると、「スポーツにおいて、メンタルケアの重要性は高いと思われますか?」という質問に対し、「とても思う」「思う」と回答した人が合わせて98.1%に達した。
競技者本人だけでなく、指導者や保護者など、スポーツに関わる人々の間で、メンタルケアの重要性が広く認識されている実態が浮き彫りになったと言えるだろう。
<スポーツにおいてメンタルケアが重要だと思う理由>(複数回答)
パフォーマンスを安定させるため (74人)
プレッシャーに対処するため (71人)
集中力を持続させるため (70人)
モチベーションを維持するため (61人)
ストレスを管理するため (44人)
(新生技術開発研究所「スポーツのメンタルに関する調査」より。スポーツ経験、またはスポーツ指導経験がある全国20〜60代の男女102名を対象にした調査。
メンタルケアで強化したいスキルは?
同調査では、「スポーツをしている際、どのようなメンタルスキルを強化したいと感じますか?」という質問もされており、1位は「プレッシャーへの対処法」(74人)という結果になった。競技中に自分にかかるプレッシャーに対応する力が、多くの競技者や指導者にとって強化したいスキルであることがわかる。
2位は「集中力」(67人)で、長時間にわたり高い集中力を維持することも、多くの競技者にとって必要だと考えられているようだ。
その他「感情の管理やコントロール方法」(51人)や「ポジティブな姿勢の維持」(49人)、「モチベーションの維持」(47人)といった回答も上位に挙がっており、スポーツにおいてパフォーマンスを発揮するために、様々なメンタルスキルが求められていることがわかる。
メンタル面のサポート体制は?
「スポーツで活躍するために、メンタル面でサポートやケアをしてくれる人は必要だと思いますか?」という質問に対しては、「とても必要だと思う」「ある程度必要だと思う」を合わせて98.0%の人が、メンタル面でのサポートやケアをしてくれる人材が必要だと回答している。
以前は、メンタル面の弱さは、根性論で片付けられてしまうことも少なくなかった。しかし、今回の調査結果からは、競技者がプレッシャーや集中力などの問題を乗り越えるためには、専門的なサポートを受けることが重要であるという認識が広まっていることが伺える。
今後の展望 – スポーツとビジネスをつなぐ新たな可能性
スポーツメンタルケアの普及は、スポーツ界だけでなく、ビジネスや社会全体に好影響をもたらす可能性を秘めている。メンタルヘルスの重要性に対する意識が高まり、誰もが心身ともに健康な状態でパフォーマンスを最大限に発揮できる社会の実現が期待される。
スポーツとビジネスが連携し、メンタルケアを軸とした新たな価値を創造していくことが、今後の社会の発展には不可欠と言えるだろう。
そして、こうした動きを加速させる存在として、通信教育講座『諒設計アーキテクトラーニング』の存在も見逃せない。
スポーツメンタルケア士の資格取得を目指す通信講座を提供することで、スポーツ界におけるメンタルケアの専門知識を持つ人材育成を支援している。企業は、こうした資格を有する人材を活用することで、より専門性の高いメンタルケア体制を構築することが可能になるだろう。