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M!LK、冠番組レギュラー化の裏に12年 「最近売れた」だけじゃない5人の歩み

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M!LK
M!LK 公式インスタグラムより

M!LKの冠番組『M!LKの爆裂ミッション』が、10月24日からTBS系でレギュラー放送される。2025年の「イイじゃん」大ヒットから紅白初出場、アリーナツアー、そして冠番組へ。ここ1年ほどで、M!LKの名前を目にする機会は一気に増えた。

だが、ここまで来るのに約12年かかった。客席がわずか30人ほどだった時期もあれば、メンバーの卒業も続いた。その間、佐野勇斗は俳優として一足先に全国区へ。それでもM!LKは活動を続けた。今ようやく、グループそのものの知名度が佐野に追いつこうとしている。

 

500人の会場に観客30人、半分はメンバーの親戚

M!LKは2014年11月に結成され、翌2015年に「コーヒーが飲めません」でCDデビューした。今の姿からは想像しにくいが、最初から多くのファンに囲まれていたわけではない。吉田仁人と曽野舜太は今年4月の『ぽかぽか』で、かつて約500人入る会場に観客が30人ほどしかおらず、その半分ほどが塩﨑太智の親戚だったと振り返っている。

曲を出し、ライブを続けても、一気に一般層まで届くヒットには恵まれなかった。現在のM!LKだけを見れば、長く人気を保ってきたグループにも見える。しかし実際には、広く名前が知られるまでの時間の方がはるかに長かった。

 

メンバーが抜け、7人になり、また5人になった

M!LKはメンバー構成も何度も変わっている。結成当初は5人。2018年にはメンバーの卒業を経て、山中柔太朗、曽野舜太、宮世琉弥が加入し7人体制となった。その後、板垣瑞生と宮世が俳優業へ専念するため卒業し、2020年から現在の5人体制になった。公式サイトには当時、残る5人から「これからも5人で進んでいきます」とのコメントが掲載されている。

メンバーが変われば、歌割りも立ち位置も、ファンが抱くグループのイメージも変わる。しかも現在の5人になった後、すぐ大ブレイクしたわけでもない。メジャーデビューは2021年11月。結成からすでに7年がたっていた。何度も形を変えながら、それでもグループ名を残し続けた。その長さは、今のブレイクを見る上で外せない。

 

その間、佐野勇斗だけがどんどん有名に

一方で、佐野勇斗は早くから俳優としてドラマや映画への出演を増やしていった。M!LKを知らなくても、佐野の顔や名前は知っている。そんな時期が長く続いた。グループ名を説明するときに、「佐野勇斗がいるグループ」と付け加えれば伝わる一方、M!LKという名前だけではピンと来ない人も少なくなかった。

佐野の活躍はグループにとって大きな入口になった。ただ、個人とグループの知名度に差が広がる状態が続けば、「M!LKとしてどう売れていくのか」という難しさも生まれる。

メジャーデビュー後にはオリコン1位を獲得する楽曲も出た。それでも、一般層にまで一気に名前を広げる決定打は、さらに数年先だった。

 

11年目でようやく来た「イイじゃん」

景色を大きく変えたのが、2025年3月に発表した「イイじゃん」だった。「今日ビジュイイじゃん」というフレーズと振り付けがSNSで広がり、ビクターエンタテインメントによると関連動画を含むSNS総再生数は27億回を突破。「ビジュイイじゃん」は新語・流行語大賞にもノミネートされ、その年のNHK紅白歌合戦へ初出場した。結成から約11年。「佐野勇斗がいるM!LK」ではなく、「イイじゃんのM!LK」として知る人が一気に増えた瞬間だった。

ここがM!LKの面白いところでもある。デビュー直後の勢いで売れたのではない。メンバーが20代半ばになり、長く活動を続けた先で最大級のヒットをつかんだ。続けていたところに、ようやく一般層まで届く一曲が重なった。

 

それだけでは終わらなかった

大きなヒットが一曲出ても、その先につながるとは限らない。M!LKは「イイじゃん」以降も「好きすぎて滅!」などの楽曲を発表し、ライブ規模も拡大した。さらに佐野だけではなく、塩﨑太智、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人もバラエティやドラマなどへの出演を増やしている。

以前は佐野をきっかけにM!LKを知る人が多かったが、今は曲やバラエティ、俳優としての活動など、それぞれの場所からグループを知る人が増えた。「イイじゃん」がヒットして終わりではなく、その後も5人それぞれの露出が増えたことで、グループ全体の知名度がようやく底上げされ始めた。

そして今回、その5人全員で冠番組を持つ。

 

冠番組で問われるのは、曲以外のM!LK

TBSは10月6日、『M!LKの爆裂ミッション』を10月24日から毎週土曜午後2時にレギュラー放送すると発表した。これまで2回の特番を経てのレギュラー化となる。この番組では、歌やダンスだけでは見えにくい5人の関係性や素の反応も前に出る。誰が仕切るのか。誰が失敗するのか。誰が意外なところで活躍するのか。グループのファンでなくても、番組を見続けるうちに5人それぞれのキャラクターが見えてくる。

約12年前、数百人規模の会場で客席が埋まらなかったグループが、今度は毎週5人そろってテレビに出る。冠番組のレギュラー化は、単に出演番組が一本増えたという話ではない。これまで楽曲や佐野勇斗からM!LKを知った人に、5人そのものを見てもらう場所ができたということだ。

 

売れなかった12年ではなく、辞めなかった12年

M!LKの現在を「遅咲き」という言葉だけでまとめると、大切な部分が抜け落ちる。客が少ない時期があり、メンバーが変わり、メジャーデビューまで7年かかった。その間、佐野勇斗は一足先に全国区になった。それでもM!LKというグループは残った。いつ転機が来るのか分からない状態で活動を続けた時間は、ブレイクした後よりはるかに長い。

だから共感を呼ぶのは、「12年かけて売れた」という結果だけではない。売れる保証が見えなかった時期にも、活動を続けたことだ。今では「最近よく見る」と言われるM!LK。その“最近”の後ろには約12年がある。2025年に「イイじゃん」が届き、紅白へ出場し、今度は5人で冠番組を持つ。何度もメンバー構成が変わり、佐野勇斗だけが先に知られた時期を越えて、ようやくグループ名そのものが前に出始めた。

冠番組のスタートは、突然現れた人気グループの新番組ではない。長く続けてきた5人が、ようやくM!LKそのものを見てもらえる場所までたどり着いたということだ。

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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