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奈良県警の巡査2人、警察施設で複数回の性行為 繰り返される「職場の私物化」はなぜ信頼を削るのか

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奈良県警
奈良県警察 公式インスタグラムより

また、警察施設だった。

奈良県警の20代女性巡査と10代男性巡査が、勤務後に警察施設内で複数回、性行為をしていたことが明らかになった。しかも、警察署や交番を私的な場として使った不祥事は、ここ数年だけでも繰り返されている。なぜ、公共のために使われる場所が、職員の私的空間に変わってしまうのか。

 

奈良県警の巡査2人、警察施設で複数回

毎日新聞によると、奈良県警の20代女性巡査と10代男性巡査は、8月から9月にかけ、勤務を終えた後に警察施設内で複数回、性行為をしていた。2人はいずれも未婚で、交際関係にはなかったという。同僚が不適切な行為に気付き、上司へ報告したことで発覚した。女性巡査は「欲求に負けてしまった」、男性巡査は「欲求を抑えることができなかった」と説明。奈良県警は9月11日付で2人を所属長注意とし、2人は同日付で退職した。

一度きりではなく、8月から9月にかけて複数回。警察施設を私的な行為に使うことへの抵抗は、一度目で止まらなかった。

 

市民は自由に入れない、職員だから使える場所

警察施設は、誰でも自由に使える場所ではない。執務室や会議室、休憩スペースなどに入れるのは、そこで働く警察官や関係者だ。捜査情報や個人情報を扱う以上、外部から簡単に立ち入れない場所もある。そこには「警察官だから使える」という立場がある。

その空間を、公務とは関係のない個人的な行為に使う。仕事のために与えられた場所と私生活との境界が、今回のケースでは崩れていた。

 

直前には兵庫県警でも署内で発覚

よく似た問題は直前にも起きている。兵庫県警は9月11日、同じ警察署に勤務していた29歳の男性巡査長と21歳の女性巡査を、減給10分の1、3カ月の懲戒処分とした。2人は2025年11月から2026年7月にかけ、署内の執務室や会議室、署近くに止めた車内などで複数回、性行為をしていた。男性巡査長は既婚者で、女性巡査とは不倫関係だった。

さらに、同じ当直班になって以降は2人で持ち場を離れることもあり、勤務中には1日計約160通の私的なLINEを送り合っていた。奈良県警では勤務後、兵庫県警では勤務中だったが、警察業務のために用意された空間が、職員同士の極めて私的な場所に変わっていた点は重なる。

 

交番の休憩室でも同じことが起きている

さらにさかのぼると、同様の不祥事は交番でも起きている。2025年には神奈川県警で、40代の男性巡査部長と20代の女性巡査が、当直勤務中の深夜に交番の休憩室で複数回性行為をしたとして、減給処分を受けた。2024年には兵庫県警で、パトロール中だった男女警察官が、立ち寄った交番の休憩室で性行為をしていたことが明らかになった。

警察署の執務室、会議室、交番の休憩室。どれも警察業務を支えるための場所だ。そこで似た不祥事が続けば、今回の奈良県警にも「またか」という印象が重なる。

 

なぜ警察施設が私的な空間に変わるのか

交番では24時間体制の勤務があり、警察署には当直や仮眠のための設備もある。執務室や会議室を含め、一般市民の目が届きにくい空間も少なくない。こうした環境は、警察活動を続けるうえで欠かせない。

しかし、職員が自由に出入りできることと、自由な目的で使えることは別だ。仮眠室は休息、会議室は打ち合わせ、執務室は業務のためにある。仕事上の利便性として与えられた空間を私的に使ったとき、公と私の境界は一気に曖昧になる。

 

「指導を徹底」で再発を止められるのか

奈良県警監察課は今回、「職員に対する指導を徹底し、再発防止に努める」としている。しかし、似たケースは奈良、兵庫、神奈川で続いてきた。そのたびに当事者を処分して終われば、「なぜ警察施設が私的に使われるのか」という疑問は残る。

警察官は交通違反を取り締まり、事情を聞き、ときには市民の行動を制限する権限を持つ。その一方で、職員自身が警察施設を私的な目的で使えば、「自分たちには甘いのか」という不信を生む。個々の不祥事以上に重いのは、「また警察か」という印象が積み重なっていくことだ。

 

繰り返されるたびに削られる警察への信頼

奈良では警察施設内で複数回、兵庫では署内の執務室や会議室、神奈川では交番の休憩室が使われた。場所は違っても、仕事のための空間が私的に使われた点は共通している。

警察施設の内側は、市民から見えにくい。だからこそ、そこで働く警察官自身が境界を守らなければならない。公共のために用意された場所を私物化する不祥事が繰り返されれば、失われるのは施設内の規律だけではない。市民が警察に向ける信頼そのものだ。

 

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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