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永野芽郁『かくかくしかじか』Netflix映画ランキング1位 不倫報道を超えて再評価、配信で制作費回収はできるのか

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映画『かくかくしかじか』公式サイトより引用

Netflix映画ランキングで永野芽郁主演『かくかくしかじか』が初登場1位。不倫報道の逆風の中で興収約10億円を記録した作品は、配信で制作費を回収できるのか。Netflix配信収益の考察や、東村アキコ原作の魅力、「描けぇ!!」に込められたメッセージを解説。

不倫報道の逆風を超えNetflix首位 『かくかくしかじか』が再評価される理由

Netflixが発表した週間視聴ランキング(6月15日~21日)の日本映画部門で、永野芽郁主演、大泉洋共演の映画『かくかくしかじか』が初登場1位を獲得した。

2025年の劇場公開当時は、永野芽郁と田中圭の不倫報道が世間を大きく騒がせていた時期と重なり、「不倫報道の影響で大コケするのではないか」との予想も少なくなかった。

しかし最終興行収入は約10億円を記録。そして今回、Netflixでもランキング首位を獲得したことで、「作品そのものの評価は高かった」と改めて注目を集めている。
一方で、制作費や広告宣伝費を考えると、劇場興行だけで黒字化したとは言い難いとの見方もある。Netflix配信によってどこまで回収が進むのかも気になるポイントだ。

 

劇場公開時は永野芽郁の不倫報道で逆風 それでも興収10億円を突破

『かくかくしかじか』は、漫画家・東村アキコの自伝的漫画を実写映画化した作品。
原作者自ら脚本を担当し、漫画家を目指す主人公・明子を永野芽郁、恩師・日高先生を大泉洋が演じた。

公開時は永野芽郁の不倫報道が連日報じられており、
「作品にも大きな影響が出る」
「興行収入は伸びないのでは」
という声が相次いでいた。

しかし、一般的に実写邦画は興行収入10億円を超えればヒット作品といわれる中、本作は約10億円を記録。
期待された大ヒットには届かなかったものの、「スキャンダルで完全に埋もれる」という最悪の展開は回避した。

SNSや映画レビューサイトでも、
「今年一番泣いた映画」
「大泉洋の演技が圧巻」
「永野芽郁の代表作になったのでは」
など、作品自体を高く評価する口コミが目立っていた。

 

Netflix映画ランキング1位 劇場で見逃した人が再評価

Netflix配信開始後は、日本映画ランキングで初登場1位を獲得。
劇場公開時にスキャンダルの影響で鑑賞を見送った人や、口コミで作品の評価を知った人が、新たに視聴している可能性もある。

また、

  • 東村アキコ作品のファン
  • 永野芽郁ファン
  • 大泉洋ファン
  • 漫画・実写映画ファン

など幅広い層へ届いていることもランキング首位の要因と考えられる。

近年は映画館ではなく配信サービスで初めて作品を見る層も増えており、Netflixランキング1位という実績は作品の評価をさらに押し上げる材料となりそうだ。

 

制作費は回収できる?Netflix配信でどこまで黒字化するのか

一方、映画ビジネスとして見ると興味深い点もある。
映画業界では、本作の制作費・広告宣伝費を合わせて約14~21億円程度と推測する見方がある。
さらに映画館の興行収入は、その全額が制作会社へ入るわけではない。
一般的には映画館との配分があるため、興行収入10億円だけでは制作費を十分回収できたとは考えにくい。
また、作品規模にもよるが、業界では損益分岐点が興行収入40~60億円程度になるケースもあるといわれている。

もっとも、映画の収益は劇場興行だけでは終わらない。
現在は

  • Netflixなど動画配信サービスへのライセンス販売
  • Blu-ray・DVD販売
  • テレビ放映権
  • 海外配信
  • 各種サブスクリプション契約

など複数の収益源が存在する。

Netflixは契約金額を公表していないものの、話題作では数億円規模のライセンス契約になるケースもあるとされる。
もちろん契約内容は作品ごとに異なるため単純な試算はできないが、Netflixランキング1位という実績は、作品価値をさらに高め、長期的な収益には大きく貢献する可能性がある。

 

『かくかくしかじか』がここまで支持される理由

筆者も今回の配信で本作を視聴した。
本作が多くの観客の心を動かした理由は、漫画家の成功物語ではなく、「努力することの意味」を真正面から描いている点にあるのではないだろうか。

物語の中心となるのは、恩師・日高先生の厳しくも温かい指導だ。
主人公へ何度も投げかけられる言葉。

「描けぇ!!」「いいから描けぇ!!」

怒声を響かせながら竹刀を振り回す日高先生の姿は、今の時代なら体罰・パワハラと揶揄されそうな描写ではあるが、この一言は作品を象徴するセリフとなっている。

現代はAIの進化やSNSの普及によって、「効率」「最短距離」「タイパ」が重視される時代だ。
しかし日高先生が教えるのは、その真逆である。

才能だけでは足りない。
毎日描き続ける。
失敗しても、苦しくても描く。
反復し続ける。
その先にしか、本物の技術も、本物の表現力も生まれない。

「描けぇ!!」という叫びには、単なる絵の指導ではなく、「人生そのものを磨き続けろ」というメッセージが込められているようにも感じられる。
だからこそ後半、恩師との別れが描かれる場面では、多くの観客が涙した。

これは画家や漫画家だけの物語ではない。
スポーツ、音楽、仕事、資格試験、子育て……何かを極めようと努力したことがある人なら、誰もが共感できる普遍的な作品なのである。

 

スキャンダルを超えて残ったのは作品の力だった

公開当初、『かくかくしかじか』は永野芽郁のスキャンダルとセットで語られることが多かった。
しかし、時間が経ちNetflixで再び多くの人が作品に触れた今、評価されているのは俳優の私生活ではなく、映画そのものだ。

もちろん出演者に対する印象は人それぞれ異なるだろう。
それでも、東村アキコが自身の実体験をもとに描いた骨太なストーリー、大泉洋の鬼気迫る演技、永野芽郁が演じた主人公の成長、そして「描けぇ!!」という一言に込められた普遍的なメッセージは、スキャンダルだけでは埋もれない力を持っていた。

Netflixランキング初登場1位という結果は、作品が時間をかけて正当に評価され始めたことを示しているのかもしれない。
そしてこれからも、配信を通じて新たな観客へ届き続けることで、『かくかくしかじか』は「2025年を代表する邦画」の一つとして長く語り継がれていく可能性がありそうだ。

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軽田 カルダモン

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スパイスの妖精。ライター歴10年。

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