
大分県の陸上自衛隊・日出生台(ひじゅうだい)演習場で21日午前、10式戦車の射撃訓練中に砲弾が砲内で暴発し、隊員3人が死亡、1人が負傷した。防衛省は原因を確認中としており、小泉防衛大臣は事故調査委員会を立ち上げて原因究明を進める考えを示した。
事故の概要
大分放送系とFNN系の報道によると、事故が起きたのは午前8時39分から40分ごろ。陸上自衛隊西部方面戦車隊が日出生台演習場で射撃訓練をしていた際、10式戦車の砲内で砲弾が破裂した。自衛隊から消防に「戦車が暴発した」と通報があり、搭乗していた4人のうち45歳、32歳、28歳の男性隊員3人が死亡し、21歳の女性隊員1人が負傷した。FNNは女性隊員について重傷と報じている。
報道では、45歳と28歳の隊員は現場で死亡が確認され、32歳の隊員は心肺停止の状態で搬送された後に死亡が確認されたとされる。事故当時、戦車には4人が乗っていた。
10式戦車とは
陸上自衛隊公式サイトによると、10式戦車は陸上自衛隊の4代目の戦車で、対機甲戦闘、機動打撃、特殊部隊攻撃対処などの能力向上を特徴とする。C4I機能を備え、戦車同士や普通科部隊との情報共有を前提にした装備とされる。乗員は3人、全備重量は約44トン、全長は約9.5メートル、全幅は約3.2メートル、全高は約2.3メートル、最高速度は約70キロとされている。
防衛省の装備資料では、10式戦車の武装は120ミリ滑腔砲、12.7ミリ重機関銃、74式車載7.62ミリ機関銃とされている。今回の事故では、この10式戦車による射撃訓練中に砲内破裂が起きた。
今回の事故で報じられた搭乗人数は4人だった一方、陸上自衛隊公式サイトの10式戦車の乗員数は3人と記されている。事故時の搭乗態勢については、21日午後時点の報道では詳細は示されていない。
西部方面戦車隊と日出生台演習場
西部方面戦車隊は、陸上自衛隊第8師団の公式サイトによると、大分県の玖珠(くす)駐屯地に駐屯する部隊で、2018年の第4戦車大隊、第8戦車大隊の廃止に伴って新編され、九州唯一の戦車部隊。10式戦車のみで編成された全国初の部隊と説明されている。
日出生台演習場について、防衛省の資料では所在地を大分県玖珠郡玖珠町日出生とし、区域は玖珠町、九重町、由布市にまたがるとしている。事故現場は、九州の戦車部隊が訓練に使用する演習場の一つだった。
防衛省と大分県の対応
小泉防衛大臣は21日午後、事故調査委員会を立ち上げ、原因などを確認すると説明した。テレビ朝日の報道では、防衛省は砲弾が砲内で破裂した経緯を含めて調査を進めるとしている。
大分放送系の報道によると、大分県は21日午前10時半ごろ、九州防衛局から連絡を受け、情報連絡室を設置。佐藤樹一郎知事は同日午後の会見で、再発防止と安全確保、住民への説明を防衛省に求めた。玖珠町も南部コミュニティーセンターに情報連絡室を設置した。



