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ゆうき経営労務事務所/キャリアレインボーゆうき

https://www.sr-rainbow.com/

東京都港区浜松1-2-17 ストークベル浜松町4階

経営者と社員の「通訳」に。社労士とキャリコンの“二枚看板”で企業の未来を拓くHRスペシャリスト

ステークホルダーVOICE 経営インタビュー
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ゆうき経営労務事務所 結城氏

人材を「コスト」ではなく「資本」として捉える人的資本経営。その理念を掲げても、実行に移すには現場ごとに異なる壁が立ちはだかる。そのなかで「社会保険労務士」と「キャリアコンサルタント」の二枚看板で企業の人材活用を支援するのが結城氏だ。「労使は敵対する関係ではなく、立場が違うだけで同じ目的を持つ仲間」という信念のもと、経営者と社員の“通訳”として企業の発展に伴走している。結城氏に、これまでの歩みと事業への想い、今後の展望を伺った。

3つの専門性と「二枚看板」で橋渡しを

少子高齢化に伴う労働人口の減少、ダイバーシティ推進、人的資本関連の情報開示義務化――。企業を取り巻く労働環境が変化しつつあるいま、「人」に重きを置いた経営が企業の価値や競争力を左右する時代に入っている。

そのなかで、人事労務のスペシャリストとしてHR(Human Resources:人的資源や人的資源全般に関する業務)の視点から経営をサポートするのが結城氏だ。特筆すべきは、「ゆうき経営労務事務所」と「キャリアレインボーゆうき」の二枚看板で支援を行っている点にある。

「ゆうき経営労務事務所」では、主に社会保険労務士の領域で企業経営をサポート。オーダーメイド研修、制度設計、労務相談を得意とし、30余年の実践で培ったHR領域の経験と社会人向け大学院で修得した知見が土台だ。

そして「キャリアレインボーゆうき」では、キャリアコンサルタントとして人材育成を支援するほか、個人の要望に応じたキャリア相談にも対応。認定心理士として培った心理学領域の知見を活かした関わり方と、キャリア個別面談の実務経験が活かされている。

結城氏はこの二枚看板を背負いながら、「心理学」「法学」「キャリアコンサルタント」の3つの専門領域の知見を掛け合わせ、経験に基づく実務スキルによって現場に落とし込んでいる。

人の集合体である組織を、法令やルールだけでマネジメントするのは容易ではない。そこで、心理学の知見をもとにエンゲージメントを高め、労使間の信頼関係を基盤にしたHR領域施策を提案する。同時に、ビジネスローを深く学んだ法学修士として、また特定社労士として、法的なリスクヘッジも欠かさない。

さらに、こうした知見を相手にきちんと届けるため、キャリアコンサルタントとして経営者の代弁を担い、産業カウンセラーとしての視点も交えながら社員らが抱える課題をすくい上げる。また、勤務社労士として長年現場で培ってきた経験があるからこそ、人事担当の事情や求めているものを汲み取り、トラブルパターンの事例を元にアドバイスすることもできる。これこそが、結城氏の伴走の在り方であり、最大の強みだ。

こうして二枚看板で支援する理由について、結城氏はこう語る。

「社員はAIではなく人間ですから、心の在り様や疲労度をしっかり捉えなければ、十分な能力は発揮できません。これは労働法令だけでは解決できない領域なのです」(結城氏)

ゆうき経営労務事務所 結城氏

幅広い専門性と確かな実行力を持ち合わせている結城氏。結城氏のような外部の専門家に頼る意義とは。

「会社員と経営者は互いに見ている景色が違います。だからこそ、間に入って”通訳”をする存在が必要です。経営者の代弁者になりつつ、社員の本音や不満の種を拾い上げ、適切な対応を経営者にアドバイスする。そういう存在がいれば、今いる人材のまま、必ずもっと良い会社になっていくことができます」(結城氏)

そう話す結城氏の根底にあるのは「労使は敵対する関係ではない」という信念だ。

「労使は立場こそ違えど、『価値ある活動によって企業を永続的に発展させる』という共通の目的を持っています。だからこそ、Win-Winの関係でなければ続きません。働く人々(労)がいきいきと能力を発揮することで良い仕事につながり、業績が上がって会社(使)が発展する。HRのプロとして、第三者の立場からその橋渡しをすることが私の存在意義だと考えています」(結城氏)

経理から拓いてきたキャリアの背景

新卒で経理として就職した結城氏。当時は消費税が導入されて間もない頃で、新たな税制への対応に追われるなか、自ら社内外に情報を獲りに行き、必死に学びながら業務を進めた経験は、後のキャリアの礎となっている。

その後出産を機に退職し、20代後半で子どもが3歳になったタイミングで地元企業へ復職。このときの心境を、結城氏はこう振り返る。

「シングルマザーでしたし、背負っている責任を考えると、これまでのような働き方ではだめだと思いました。男性社会で認められるには、男性の120%の成果を出さないと認められないと。大きな岐路に立ち、仕事への向き合い方を180度転換し生まれ変わったような気持ちでした」(結城氏)

当初は経理として働いていたが、望まぬ辞令で人事部へ異動に。全国出張が伴う部署だったが、本気で働くと決意した結城氏に「ノー」という選択肢はなかった。合同説明会へのブース出展、全国各地の大学訪問、学生に選ばれる企業になるための人事制度や研修の仕組みづくり…必死に働くうち、採用マーケティングなども含むHR領域全般を担当することになり、その専門性を深く掘り下げていった。

そんななか、突如としてその会社が倒産してしまう。300名以上の社員が路頭に迷うことになり、その対応や退職手続きを担ったのが結城氏だった。顧問社労士がおらず、HRという広い領域で従業員の採用から退職までを結城氏が担当していた延長線上で、もはやほかに対応できる人がいなかったのだ。

この経験が、結城氏が社労士の資格を取得する大きな転機となった。「これだけ倒産件数があるなかで、世の中には同じような人がまだまだいるのかもしれない」という思い。そして、結城氏が新卒の頃から抱え続けてきた「120%のトラウマ」がその背景にある。

「男女雇用機会均等法によって女性総合職は誕生していましたが、ガラスの天井が分厚い時代でした。男性は80%の力で働いていても仕事を続ければ昇格できるのに対し、女性は100%でも昇格しない。120%の力で働いて、やっと仕方なく重い腰が上がるような感じでしたね。女性社員は、仕事ができることよりも目立たずにいることが望まれているような感じがして、すごく悔しかったんです。そんなトラウマのように抱えていた思いを、解消したいという気持ちがあったのかもしれません」(結城氏)

時代は変わりつつあったものの、その雰囲気をまだ感じていた結城氏。だからこそ、経験だけでなく、きちんと説得力のある「資格」という材料を持っておきたい。そんな思いから、社労士へのキャリアを歩み始めた。

ゆうき経営労務事務所 結城氏

その後、総合商社の子会社に転職した結城氏は、働きながら社労士の資格取得に励んだ。合格には1,000時間以上の学習が必要と言われるなか、2度目の挑戦で合格を掴み、総合職から専門職への転換を果たす。新人事制度導入やBPOの切り替えなども含む一連の業務を経験しながら、社会人向け大学院にも通学し、労働法令を中心に専門性を磨き上げた。

そして、50歳を目前にして結城氏は独立を決意する。

「前職では出向者が多く、いろいろな方と関わったのですが、そのなかで大きく二手に分かれたんですよ。自分がシニアの年齢に入った時に何事もなく静かに時間をやり過ごそうとする人と、残された期間で人の役に立とうとする人。それを見たときに、私は後者になりたいと思いました。

会社にいたままそれをする選択肢もあったのですが、これからのキャリアを考えたときに、65歳の定年後再雇用満了で退職したあとに何をするんだろうとふと思ったんです。隠居してゆっくり過ごすようなタイプでもないですし、私のできることで社会貢献を続けたい。自分のいる会社だけでは限定的な貢献しかできないと感じ、独立を選択しました」(結城氏)

「とにかく本気で仕事と向き合っていたら、見える景色が変わった」と話す結城氏。同じように本気で何かに取り組む人を、二枚看板で力強くサポートしている。

必須の経営課題。「あらゆる人が働きやすい会社」の意義

専門家として、「人」に重きを置いた経営をする意義をどう考えていますか。

結城:非常に大きな意義があります。なかでも、特に重要な二つの観点からお話します。

まずは「人的資本経営」です。これは、人件費を“コスト”ではなく、人という資本への“投資”と捉え、それによって企業価値を高めていくという発想です。あるデータによれば、社員が満足して仕事に取り組むときは通常時より3割増しでパフォーマンスを発揮できる一方、嫌々こなす仕事は通常時の75%程度に落ち込むそうです。130対75と、ほぼ倍近い差が生まれることになります。

つまり、社員一人ひとりがどのようなキャリアを描き、どんな仕事をしたいのかをきちんと聞き、それを実現できる環境を整えることは、業績向上にも直結するのです。また、今の若い世代は、給与額以上に「成長できる環境か」を会社選びの基準にしている傾向が強まっています。

ですから、人的資本経営を意識していない企業は、意識している企業にどんどん置いていかれてしまうでしょう。だからこそ、人的資本の重要性をきちんと捉えて、社員と向き合う会社になることはとても大切なのです。

ゆうき経営労務事務所 結城氏

二つ目は「ダイバーシティ」の観点です。国籍や男女差、LGBTQ、年齢、育児・介護などが働きづらさの原因となり、その人が持つ能力を十分に発揮できないとすれば、それは企業にとって大きな損失です。また、居心地の悪さから人材が定着せず、同属性の人が集まる組織になると、新しい発想や柔軟性、環境への順応性も下がります。変化の激しいVUCAの時代だからこそ、多様な人材で構成されている企業が強いです。

また、将来の人口構成比を見ると、現役世代が年少者とシニア層の合計を下回る時代が来ます。つまり、現役世代の多くが、育児や介護に関わる社会になるのです。そうなれば、仕事と家庭を両立しやすい環境を整えた企業に人が集まり、対応が後手に回った企業は人材流出のリスクを抱え続けることになります。ダイバーシティへの対応は、もはや必須の経営課題なのです。

さらに、ダイバーシティが進む企業では、女性活躍も促進されます。男女の生物的な特性の違いもあるため一概には言えませんが、女性が管理職になりやすい仕組みを整えると登用候補の母数が増え、より適性の高い人材を管理職に据えられるようになります。また、家庭と両立しながら管理職を担える環境が整えば、父子家庭や介護中といった状況の男性も、管理職やキャリアアップを諦める必要がなくなります。あらゆる人が働きやすい環境をつくることは、マイノリティや女性など特定の誰かのためではなく、社員全員にその効果が広がるのです。

そうした取り組みの必要性を理解していながらも、まだできていない企業もあるのではないでしょうか。

結城:経営層の方とお話ししていると、「一人や二人のためにそこまでできない」「大企業がやることでしょ」とおっしゃる方がいらっしゃいます。でも、それは違います。お話ししたように、取り組みの効果は全社員に及びますし、大企業よりも中小企業の方が一人抜けることの影響が大きいですから。ぜひ取り組んでいただきたいと思います。

事務所名の「キャリアレインボー」にはどのような由来があるのですか。

結城:キャリア理論のひとつに「ライフキャリアレインボー」というものがあります。キャリアを「仕事」ではなく、「人生のなかで果たすさまざまな役割の組み合わせ」と捉え、それを虹のような図で可視化します。

ライフキャリアレインボーの図
引用:文部科学省「高等学校キャリア教育の手引き(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/1312816.htm)」

これを見ると分かるように、それぞれの役割は独立したものではなく、相互に関係し合っているのです。人生におけるあらゆるもの・ことは無駄ではなく、それぞれが財産となって一生をかけてキャリアとして蓄積されていきます。この発想が、私はすごく好きなんです。また、私はLGBTQの支援団体で活動しており、ダイバーシティを象徴する虹色もかけて「レインボー」を名前に入れました。

社会に貢献を続けるプロフェッショナルへ

今後の展望について教えてください。

結城:高いハードルですが、二つあります。一つは、社外取締役です。立場上、顧問社労士はどうしても経営者のフィルターを通した情報しか入ってこず、そこから社内の実態を推察するのは難しさを感じることもあります。IPOの労務監査でも、顧問社労士ではなく、第三者の視点を持つ社労士が関与することが推奨されています。であれば、それ以外のかかわり方があるのではないかと考えたのです。仮に社外取締役であれば、取締役会に出席することができ、合議制の中で正確な情報に触れる機会があります。ただ、当然簡単になれるものではありませんから、手始めに任意監査の位置づけではありますが、内部監査の視点を補うために日本内部監査協会の認定講習会で学びを深めており、6月には内部監査士として認定される見込みです。

もう一つは大学の非常勤講師(実務家教員)としての活動です。10年ほど前より、小学生から高校生までの子ども向けに授業をすることがあるのですが、教育現場における実務家教員の必要性を感じています。ある中学校で授業をした際、担任の先生が「名刺交換やビジネスマナーを、僕たちは教えてあげられない」とおっしゃっていたんです。大学でも、キャリアデザインやワークルールの分野で実務家教員が求められていますし、私が現場で培ってきた知見で貢献できるのではないかと考えています。

ゆうき経営労務事務所 結城氏

士業を目指す人へメッセージをお願いいたします。

結城:試験に合格するまでの道のりが平坦でないほど、合格がゴールであるように感じるかもしれませんが、合格はスタートラインです。頻繁に法改正があるため、せっかく覚えた知識も日々の研鑽を怠ればすぐに陳腐化し、プロとしてのアウトプットは出せません。運転免許を取得しても、運転しなければペーパードライバーになってしまうのと同じです。

だからこそ、合格よりも先の未来を思い浮かべて学んでいってほしいと思います。私なりの心が折れないためのコツは、わくわくするようなシーンを、映像に再現できるくらい明確に思い浮かべること。合格後の研鑽時もそのシーンを励みに乗り越え、ブラッシュアップしていってほしいです。

◎事業所情報
事務所名(社労士関連業務):ゆうき経営労務事務所
事務所名(キャリアコンサルタント):キャリアレインボーゆうき
代表者:結城 久美子
所在地:東京都港区浜松1-2-17 ストークベル浜松町4階
URL:https://www.sr-rainbow.com/

◎インタビュイー
結城 久美子
就職後の異動により新卒採用を担当したことで、人事関連領域の重要性と影響力を実感し、以降は一貫して人事部門を30年以上経験。総合商社子会社にて人事関連の制度設計及び人材施策等を経験後に開業。東京都社会保険労務士会ダイバーシティ経営研究会、青山学院アイビー会 青学社労士会所属。書籍に『IPOの労務監査標準手順書』共著があるほか、社会保険労務士会、都立高校・公立小中学校、東京商工会議所など多数登壇している。

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ライター:

取材ライター。より伝わりやすい言葉で、目で見て、耳で聞いて分かりやすい文章を書くことをモットーに執筆している。自然や地域、文化が大好きで、全国各地に赴いて書く仕事をすることが目標。

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