![佐藤里佳元フジテレビアナウンサー](https://coki.jp/wp-content/uploads/2025/02/fujiTV-sato.jpg)
2月5日、元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏と弁護士の福永活也氏が、福永氏のYouTubeチャンネル『福永活也@冒険家弁護士』で緊急対談を行った。そのなかで、長谷川氏は、改めて笠井信輔、佐々木恭子といった先輩アナウンサーによって、自身がおすぎに献上され、強烈なベロチュー被害にあったことの事実性を主張。
とくに「16歳から毎日日記をつけている」とし、当時の記録を証拠として持参。その場で公開された日記には、詳細な出来事が記されており、福永氏も「裁判においても客観的な証拠になりうる」と評価した。
この対談のなかでもう一つ注目されたのが、2022年に早期退職した元フジテレビアナウンサー・佐藤里佳氏の存在である。
“役員の好みで採用”を批判した女性初のアナウンス室長
佐藤氏は女性初のフジテレビアナウンス室部長だった。その頃、アナウンサーの採用面接では、ある問題が起きていた。それは、ベテランアナウンサーらの評価とは異なる学生が最終段階の役員面接で採用されるケースが続いたのだという。
ある日の定例会議で佐藤氏は、「最近のアナウンサー採用は役員の好みで変わることが多い」と異議を唱えたそうだ。長年アナウンス部門で活躍し、現場を熟知していた彼女だからこそ、この発言には重みがあった。
しかし、その発言が踏んではいけない虎の尾だった。佐藤氏は即座にアナウンス職を離れ、長谷川氏曰く、近隣のゴミ拾いなどを受け持つCSR・SDGs推進室へ異動させられたという。そして翌年2022年3月末、フジテレビを去ったそうだ。
SNSで広がるフジテレビの体質への批判
SNSでは、長谷川氏の弁により、佐藤氏が再び話題となり、多くの共感を呼んでいる。
「そういえば、以前フジテレビのアナウンサーの佐藤里佳が、アナウンサーの選考に関して苦言を呈したら、嫌がらせ記事がすぐ出たな」
「元フジテレビ佐藤里佳アナがアナウンス室長のころ言ってたな。毎年現場で推薦した学生が役員の好みでひっくり返る。なるほど、そういうことなんだな」
「SDGsの担当って閑職なんだ……」
「フジテレビの中で誰かバカなバラエティの連中に文句を言ってきた社員がいましたか? 今頃になって労組を作って泣いたりわめいたり、幼稚ですよ。なぜ佐藤里佳みたいに苦言を呈してこなかったの?」
こうした声が広がる背景には、フジテレビだけでなく、テレビ業界全体の構造的な問題がある。元TBSアナウンサーの小島慶子氏も「若くて見た目の整った女性しか画面に映す価値はない」という業界の風潮を厳しく批判し、改善を求めている。
佐藤里佳の歩み——実力派アナウンサーの軌跡
ところで、佐藤氏とはどういった人なのだろうか。ここで少し振り返ってみよう。佐藤里佳氏は1967年1月14日生まれ、神奈川県出身。フェリス女学院大学文学部英文学科を卒業後、1989年にフジテレビへ入社。FNNのニュース番組をはじめ、笑っていいとも!のテレフォンアナウンサーなど、数々の番組でアナウンサーとして活躍した。
彼女のキャリアの特徴は、単なる“女子アナ”の枠を超えた多才さにある。1996年には結婚し、2010年には43歳で第一子を出産。産休を経て2014年に復帰し、仕事と家庭を両立させながら活躍を続けた。
また、ワインやチーズに関する資格を多数取得し、ワインエキスパートやチーズプロフェッショナルの資格を持つなど、多彩な知識を持つ人物でもある。ブルゴーニュやボルドーのワイン騎士団にも叙任されるなど、文化面でも高い評価を得ている。
退職後の動向と今後
2022年の退職後、佐藤氏は公の場にほとんど登場していない。しかし、彼女の発言や行動は、今もフジテレビをめぐる議論の中で重要な意味を持ち続けている。
今回の騒動を受け、フジテレビの採用基準や社内文化への批判が再燃している中で、佐藤氏のように異議を唱える人物が今後も現れるのか。業界全体の変革が求められている。