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新しい金融システムReFiとは(企業価値とESG #14)

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新しい金融システムReFiとは?

環境や社会の再生に貢献する金融システム「ReFi(Regenerative Finance)」。ReFiは、ブロックチェーンを活用して、環境や社会に良い影響を与えるプロジェクトに報酬やインセンティブを提供する仕組みです。

ReFiはESGとも関連が深く、持続可能な経済活動を促進することを目指しています。本稿では、ReFiの概要やメリット、デメリット、事例などをご紹介します。

ReFiとは? Regenerative Finance(再生金融)という新たな金融システム

ReFiは、Regenerative Finance(再生金融)の略称で、ブロックチェーンを活用して環境や社会の再生に貢献する金融システムのことです 。

ReFiは、環境問題や社会課題の解決に向けた取り組みに対して、経済的な報酬やインセンティブを提供することで、持続可能な経済活動を促進します。

ReFiは、ブロックチェーンの特徴である分散型、透明性、信頼性、不変性などを利用して、環境や社会に良い影響を与える行動やプロジェクトを評価し、その価値を反映したトークンや資産を発行することができます 。

従来の金融システムにはない柔軟性や効率性を持ち、多様なステークホルダーのニーズに応えることができるでしょう。

ReFiのメリットとデメリット

ReFiのメリットには、以下が挙げられます。

  • 環境や社会に良い影響を与える行動やプロジェクトに対して、適切な報酬やインセンティブを提供することで、持続可能な経済活動を促進することができる。
  • ブロックチェーンの技術を活用することで、環境や社会の状況や影響を正確に測定し、そのデータを信頼性高く記録し、共有することができる。
  • 分散型のネットワークを構築することで、中央集権的な権力や規制から自由になり、金融の民主化や普及を進めることができる。
  • トークンや資産の流動性や交換性を高めることで、金融の効率性や透明性を向上させることができる。


一方で、ReFiのデメリットには、以下が挙げられるでしょう。

  • ブロックチェーンの技術には未熟な部分や課題が多く、安全性やスケーラビリティなどに問題が生じる可能性がある。
  • 環境や社会の影響を評価する基準や方法には、まだ統一性や客観性が欠けており、その信頼性や妥当性に疑問が残る。
  • ReFiのプロジェクトやファンドには、規制や監督が十分に行き届いておらず、不正や詐欺のリスクが高い場合がある。
  • ReFiのトークンや資産には、市場の変動や投機による価格の変動が激しく、その安定性や価値の保持に不安がある。

ReFiとESGの関係

ReFiとESGは、環境や社会の再生に貢献することを目的としており、その点で関連が深いと言えます。ReFiは、ESGの各要素に対して、以下のような貢献をすることができるでしょう。

環境(Environment)

ReFiは、温暖化や環境破壊などの環境問題に対処するために、再生可能エネルギーや環境保全などのプロジェクトを支援し、その成果に応じたトークンや資産を発行することができます。

環境に優しいブロックチェーンの技術やプラットフォームを開発し、その利用を促進することができるでしょう。

社会(Social)

ReFiは、貧困や格差などの社会課題に対処するために、社会的インパクトや共同体の創造などのプロジェクトを支援し、その成果に応じたトークンや資産を発行することができます。

社会的に弱い立場の人々や地域に金融のアクセスや機会を提供し、その自立や発展を支援することが期待されます。

ガバナンス(Governance)

ReFiは、コーポレートガバナンスやステークホルダーの関与などのガバナンスの質に対処するために、分散型の意思決定やコンセンサスの形成などのプロジェクトを支援し、その成果に応じたトークンや資産を発行することができます。

ブロックチェーンの透明性や信頼性を活用して、ガバナンスのプロセスやアウトカムを公開し、その監査や評価を容易にすることができるでしょう。

ReFiが取り組むべき課題

ReFiは、環境や社会の再生に貢献するという目的を達成するために、以下のような課題に取り組む必要があります。

知識やスキルの向上と普及

ReFiは、ブロックチェーンの知識やスキルを必要とするため、その向上と普及がReFiの普及にも重要です。

ブロックチェーンの教育や啓発活動を行い、多くの人々にブロックチェーンの理解と利用を促進する必要があるでしょう。

規制やガイドラインの整備と遵守

ReFiは金融や環境などの分野に関わるため、規制やガイドラインの整備と遵守がReFiの信頼性や安全性にも影響します。

関係者間の協力や対話を通じて、適切な規制やガイドラインを策定し、それに従って活動する必要があります。

コミュニティの形成と発展

コミュニティの形成と発展が、ReFiの活力や持続性にも関わります。ReFiは、共通の目的や価値観を持つ人々が集まり、情報や意見を交換し、協力し合うことが求められます。

ReFiの事例

ReFiでは、環境や社会の再生に貢献するという目的を持つ多様なプロジェクトやファンドが存在しています。

以下に、その一部を紹介します。なお、以下のプロジェクトへの参加を推奨するわけではありません。

KlimaDAO

KlimaDAOは、ブロックチェーンを活用して、環境に良い影響を与えるプロジェクトに対して、カーボンクレジットという形で報酬やインセンティブを提供するコミュニティです。

カーボンクレジットの市場価値を高めることで、気候変動の対策を促進することを目指しています。

Nori

Noriは、ブロックチェーンを活用して、大気中の二酸化炭素を除去するプロジェクトに対して、NFTという形で報酬やインセンティブを提供するマーケットプレイスです。

炭素排出量の削減や気候安定化に貢献することを目指しています。

MOSS

MOSSは、ブロックチェーンを活用して、アマゾン地帯の森林保全に対して、カーボンクレジットという形で報酬やインセンティブを提供するプラットフォームです。

森林破壊の抑制や生物多様性の保護に貢献することを目指しています。

Flowcarbon

Flowcarbonは、ブロックチェーンを活用して、カーボンクレジットをトークン化し、流動性や交換性を高めるプラットフォームです。

カーボンクレジットの市場の効率性や透明性を向上させることを目指しています。

Return Protocol

Return Protocolは、ブロックチェーンを活用して、気候変動問題に取り組むプロジェクトに対して、NFTという形で報酬やインセンティブを提供するプラットフォームです。

気候変動問題の解決に向けた行動を楽しくすることを目指しています。

ReFiの意義

ReFiは、環境や社会の再生に貢献するという目的を持つ金融システムとして、大きな可能性と意義を持っています。

環境や社会の再生に貢献するという目的を達成するために、ブロックチェーンの技術やコミュニティの力を活用していくでしょう。

ReFiは、金融の仕組みを再設計し、お金の流れを変えることで、より持続可能で再生型の経済への移行を促進することを目指しています。

金融的なリターンが社会全体の「再生」のために循環し、より持続可能な未来を築くことが期待されます。

出典・参考:
環境や社会の再生につながるお金の循環をつくる「ReFi」、知っておきたい仕組みや注目の事例・日本の取り組みも|Money for Good【SMBC日興証券】 (smbcnikko.co.jp)
ReFiとは?取り組む課題や事例について分かりやすく解説します!| Pacific Meta マガジン (pacific-meta.co.jp)
DeFiに次ぐブームとなる!?“ReFi”の概要・事例・展望とは? | サステナビリティ×ブロックチェーン情報メディア【HEDGE GUIDE Web3】
ReFi完全解説:カーボンクレジット市場とブロックチェーン(前編) | HashHub Research (hashhub-research.com)

次回のコラムでは、「RWAトークンがもたらす現実資産の新たな価値」について解説します。

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ライター:

1986年、埼玉県生まれ。2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。 プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。 2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から暗号資産投資、不動産投資、事業投資を始める。 現在は、複数の企業で経営戦略チームの一員としてM&Aや企業価値向上、海外進出等に携わるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。

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