
フワちゃんのプロレス映像がXで930万回以上表示され、華麗な空中技に称賛が集まっている。ところが11月1日、女子プロレス団体「スターダム」の試合では、勝利したにもかかわらず、タッグパートナーの安納サオリから厳しいダメ出しを受けた。しかも、今回話題となった映像でフワちゃんが倒した相手こそ、安納だった。炎上による芸能活動休止を経て、プロレスラーに転身したフワちゃん。かつての自由奔放なキャラクターは健在だが、リングでは失敗すれば容赦なく叱られる。そんな環境で結果を残し始めたことが、新たな評価につながっている。
フワちゃんのムーンサルトプレスが930万表示 実は半年前の試合
話題となったのは、10月30日にプロレス関連のXユーザーが投稿した試合映像だ。フワちゃんがコーナーポストから後方に宙返りし、相手に飛び込むムーンサルトプレスを披露している。投稿は11月1日時点で930万回以上表示され、1万8000件を超える「いいね」を集めた。ムーンサルトプレスは高い身体能力や度胸、正確なタイミングが求められる難度の高い技だ。SNSでは技の完成度に驚く声が相次ぎ、芸能人としての好き嫌いとは別に、プロレスの才能を評価する反応も広がった。
ただし、映像は最近の試合ではない。2026年4月26日、横浜アリーナで開催されたスターダムの大会で、安納サオリと対戦した際のものだ。フワちゃんはミサイルキックやブレーンバスターなどを繰り出し、試合で初めてムーンサルトプレスを披露。最後は師匠の葉月から教わった「直伝、葉・月ストラル」で安納を丸め込み、シングル初勝利を挙げた。当時も話題となった試合が半年後に再び拡散され、フワちゃんの身体能力が改めて注目された形だ。
4月に倒した安納サオリとタッグ結成 白星発進も痛恨の誤爆
その安納サオリとフワちゃんが、11月1日にはタッグを組んでリングに上がった。東京・後楽園ホールで開幕した「第16回ゴッデス・オブ・スターダム」のタッグリーグ戦に、「超戦友Z」として出場。初戦の相手は、前年度優勝チームのさくらあや、玖麗さやか組だった。かつてシングル戦で激しく戦った相手が、今度は勝利を目指すパートナーになる。プロレスならではの関係の変化だ。
試合は序盤から激しい攻防となった。フワちゃんはドロップキックや卍固めで応戦し、安納も得意技で相手を追い込んだ。しかし、試合開始から10分過ぎ、フワちゃんが放ったミサイルキックが、相手ではなく安納の顔面に誤爆してしまう。これをきっかけにピンチを迎えたものの、最後はフワちゃんのシャイニング・ウィザードから安納の丸め込み技につなぎ、3カウントを奪った。前年度覇者を破り、タッグリーグ初戦を白星で飾った。
勝っても叱られるフワちゃん 安納サオリ「反省会や」
勝利後、フワちゃんは安納への誤爆を謝罪した。だが、安納の評価は厳しかった。安納は2人の連係について「なんも息合ってへんやん」と苦言を呈し、試合後には反省会をすると宣言した。勝ったからといって、連係ミスが帳消しになるわけではない。プロレスラーとしての課題を突きつけられた形だ。
一方のフワちゃんは、いつもの調子を崩さなかった。安納の愛車であるテスラのハンドルを模した小道具を持って入場し、試合後も、安納が負けそうになったら車で助けに来ると冗談を連発。さらに、人気漫画『ドラゴンボール』のキャラクターを持ち出し、自分は最初から全速力で戦うと豪語した。安納はそんな言動にも呆れ顔を見せたが、2人のやり取りには早くもタッグとしての個性が表れていた。リング上では実力を求められながら、持ち前の明るさや奔放さは残している。
師匠・葉月からも公開説教 フワちゃんが学んだプロレスの厳しさ
フワちゃんがリング上で叱られたのは、今回が初めてではない。4月8日の後楽園ホール大会では、試合中にコミカルな踊りを披露して相手を挑発し、師匠の葉月から公開説教を受けた。葉月は、フワちゃんの明るい性格は長所だと認めながら、リングでふざけることとは違うと厳しく指摘。安納からも実力不足を突きつけられ、フワちゃんはリング上で正座して謝罪した。
フワちゃんは試合後、自分のキャラクターを生かすことと、ふざけることを取り違えていたと反省した。直後の4月11日にはスターライト・キッドとのシングル戦に臨み、敗れたものの、礼儀正しい入場や真剣な試合運びを見せた。そして4月26日、安納からシングル初勝利を挙げる。公開説教から初勝利まで約3週間。その間、先輩たちの厳しい指導を受けながら、リングでの振る舞いを変えていった。
フワちゃんがプロレスで再評価される理由 好感度よりも実力が問われる世界
フワちゃんは2024年8月、お笑い芸人のやす子に対するSNSでの不適切な投稿が問題となり、芸能活動を休止した。その後、2025年11月にスターダムでの活動を表明し、同年12月にプロレスラーとして再デビュー。もっとも、プロレスへの挑戦は芸能活動休止前から始まっており、2022年と2023年にもテレビ番組の企画で試合を経験していた。今回はその経験を土台に、本格的な競技活動へと踏み出した。
テレビでは自由奔放な発言や周囲との掛け合いが注目されてきたフワちゃんだが、プロレスでは相手の技を受け、試合を組み立て、観客を沸かせる技術が求められる。知名度があっても、練習不足や連係ミスはリング上で明らかになる。師匠の葉月や安納も、フワちゃんの人気に遠慮せず、改善すべき点を指摘してきた。もちろん、プロレスには選手同士の対立や厳しい言葉を演出として見せる側面もある。それでも、実際の試合で技を成功させ、勝利を重ねるには技術が必要だ。
10月30日に再拡散されたムーンサルトプレスは、そうした取り組みが目に見える形になった場面だった。過去の言動を理由にフワちゃんを好意的に見ていなかった人でも、技の難しさや身体能力には驚く。今回の称賛は、炎上騒動への評価が一変したというより、プロレスラーとしての実力に新たな評価が集まったものといえる。
フワちゃんはどこまで成長する? 次に問われるタッグの完成度
フワちゃんのプロレス転身から約1年。4月には安納からシングル初勝利を挙げ、11月にはその安納と組んでタッグリーグに参戦した。しかも初戦で前年度優勝チームを破っている。芸能人として注目を集めるだけだった段階から、リーグ戦で結果を求められる立場へと進んだ。
一方、安納が指摘した連係ミスは、今後の課題として残る。シングル戦では自身の判断で攻められても、タッグではパートナーの動きを見極め、互いの技を生かす必要がある。実力者の安納と組むことで、フワちゃんの未熟な部分もより明確になるだろう。
かつての対戦相手から、今は同じチームで厳しい言葉をかけられる。フワちゃんにとって、安納サオリは技術を競うライバルであり、成長を促す存在にもなっている。半年ぶりに脚光を浴びたムーンサルトプレスは、フワちゃんの可能性を示した。これから求められるのは、その可能性を試合の結果につなげ続けることだ。次の試合で「超戦友Z」がどこまで息を合わせられるか。そこに、プロレスラー・フワちゃんの現在地が表れる。



