
牛丼チェーン大ての吉野家が、人気スマホゲーム”ドラゴンクエストウォーク”との初めてのコラボを七月二日からスタートすると発表した。限定フィギュアや豪華グッズがもらえる大注目のキャンペーンだけど、その厳しすぎるルールの裏には、外食業界のこれからを揺るがすある心配が隠されている。お祭り騒ぎのスタートを前に、早くもネットで大騒ぎになっているみんなの期待と不安の正体を追ってみた。
ほしいならお店で食え?厳しすぎるルールの狙い
株式会社吉野家(本社:東京都中央区)が発表した”冒険者応援キャンペーン”は、対象のセットメニューを食べるとリアルなミニフィギュアがランダムでもらえたり、アプリのポイントを貯めて限定グッズがもらえるというもの。一見するとファンにはたまらない嬉しいニュースだけど、そのルールの厳しさにはネット社会のドロドロした物欲が見え隠れしている。なんと今回のドラクエウォークセットは、一日の数を限定した上で”お店の中で食べる人だけ、持ち帰りやデリバリーは絶対にダメ”という、めちゃくちゃ焦りを煽るルールになっている。しかも、一回の来店につき一人一食までという厳しいおまけ付き。転売目的の悪い人たちをブロックしつつ、お店にお客さんを呼び込みたい吉野家の強い気持ちが伝わってくる。だけど、代表取締役社長の成瀨哲也氏率いる吉野家が仕掛けたこの厳しすぎるルールのせいで、逆にお店が大混雑して新しいトラブルが起きちゃうんじゃないの?という心配も出てきている。
過去のトラウマでファンたちがガタガタ震える理由
この鬼ルールに対して、早くもネットでは色んな噂や悲鳴が飛び交っている。それもそのはず、過去に他のお店で人気キャラクターのグッズ付きセットが出たときは、グッズだけを奪い取って中身の食べ物をそのままゴミ箱に大量に捨てるという、信じられないほどモラルのない事件が起きて社会問題になったからだ。今回のグッズに並ぶ”吉野家スラミチ”や”つゆだくスライム”といった可愛いフィギュアは、ファンなら絶対に欲しい宝物であると同時に、メルカリとかで一儲けしようとする転売ヤーたちの格好のターゲットになるのは間違いない。そのため、純粋にゲームを楽しんでいるプレイヤーたちの間では「本当に欲しい人がちゃんと買えるの?」という不安が広がっていて、キャンペーンが始まる前から早くもハラハラした空気が漂っている。
牛丼だけ置いて帰る 最悪のシナリオと食べ物ロスの影
ここで一番心配なのが、今回の”お店で食べる人限定”というルールが招くかもしれない、最悪の副作用だ。持ち帰りができないとなれば、フィギュアだけが目当ての人がお店で注文して、おまけだけを受け取って”牛丼にはいっさい手をつけずにそのまま席を立って帰る”という、信じられないほど自分勝手な行動に出る可能性がゼロではないからだ。持ち帰りなら、まだ誰かにあげたり後で食べたりすることもできるけれど、お店に残された牛丼はすべてそのままゴミ箱行きになってしまうのが飲食店の冷たいルール。食べ物を大切にすることやゴミを減らすサステナブルな社会が叫ばれている中で、お祭りのせいでこんな悲しいことが起きてしまっては意味がない。転売対策として完璧に見えるルールが、一番やってはいけない食べ物の命をムダにする引き金にならないことを、今は祈るしかない。
Xの声に見るみんなの期待とポイント設定へのガチ不満
ここで、公式発表があった直後にエックス(旧ツイッター)に投稿された、みんなのリアルな生の声を見てみよう。吉野家の転売対策を褒める声から、過去のコラボと比べて愚痴をこぼす声まで、色んな意見で大盛り上がりしている。
「また転売ヤーの餌食になるんでしょう???最近ドラクエのこの手のやつ全然手に入らんから萎えてるよ」
「店内限定で1来店につき1個のみは、転売目的で食べ物捨てる人が少なくなるいい手段ですね」
「店頭で食べれたら1000円で牛丼とフィギュア、ポイント交換だと8P(4000円)でフィギュア1つ。送料とか踏まえても3Pか4Pが妥当では?ポイント交換性をしてくれるのは大変嬉しいですけど、カービィのときは2Pでしたよ、、、」
これらの投稿を見ると、”お店で食べる人限定”にした防衛策はナイスアイデアと拍手されている。その一方で、アプリのポイント交換ルールに対してはかなり厳しいツッコミが入っている。前のカービィコラボのときはすぐにグッズがもらえた感覚だったのに、今回の吉野家はフィギュア一個もらうために四千円分も牛丼を食べなきゃいけない計算になるから、「さすがに高すぎ!」というみんなのガチな本音が丸出しになっている。
人手不足のお店を直撃するヤバいクレーマーの影
今回のコラボは、ネット通販でのセット販売や、スクウェア・エニックス側との調整など、かなり気合が入っている。だけど、一番しんどい思いをするのは、他でもない全国のお店で働くアルバイトや店員さんたちだ。ただでさえ今、飲食業界はどこも深刻な人手不足で、ワンオペ営業などがニュースになっている。そんな中で、この過酷なフィギュア争奪戦に対応させられるスタッフたちのメンタルや体力の負担は想像を超えている。「今日の分は売り切れました」という案内や、次の販売スケジュールの告知など、やらなきゃいけない仕事は山積みだ。スマホを握りしめてお店に突撃する熱狂的なファンと、ルールをすり抜けようとする転売ヤーたちがカウンターに押し寄せたとき、本当に怖いモンスターになっちゃうのは一体どっちなのか。
全国の店員さんたちが、ゲームに出てくる”ひとくい箱”ならぬ”ガチのクレーマー”に襲われてお店が崩壊しないことを願うとともに、どうかカウンターに牛丼だけがぽつんと置いて帰られるなんて悲しい光景が起きないことを、切に祈るばかりだ。



