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旭屋 神戸牛コロッケ「極み」ついに45年待ちへ 手作りこだわりが生んだ“未来の味”

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神戸牛専門店旭屋
兵庫県高砂市に本拠を置く老舗精肉店「旭屋」が手がける神戸ビーフコロッケ「極み」が、ネット通販で約45年待ちという異例の人気を集めている。1日200個限定の完全手作りで、A5ランク神戸牛をたっぷり使用したこの商品は、作れば作るほど赤字になるにもかかわらず注文が殺到。
2026年現在、出荷予定は2070年代前半に達し、最近のX投稿で再び大きな話題となった。5個入り税込2700円という価格設定ながら、店主の徹底した職人魂と素材へのこだわりが、長きにわたる行列を生み出している。
 

旭屋の歴史と極みコロッケの概要

大正15年創業の旭屋は、神戸牛専門の精肉店として長年信頼を集めてきた。3代目店主の新田滋氏が開発した極みコロッケは、ネット通販限定の看板商品だ。5個入り税込2700円(送料別、代金引換)という価格で提供されており、1個あたり約540円相当となる。

中身は別格で、A5ランクの3歳雌牛のみを厳選し、ステーキ用部位を角切りで使用。1個あたり牛肉約40グラム前後が入り、通常のコロッケの数倍の肉量を誇る。じゃがいもは兵庫県産レッドアンデス種を契約農家から仕入れ、牛糞堆肥を使った無農薬栽培で育てられたもの。収穫後3ヶ月程度の冷蔵追熟で糖度を高めている。

商品は冷凍状態で届き、自宅で170〜180℃の油で約4分揚げるだけ。付属の牛脂を加えると香ばしさが増す。公式サイトでは現在約45年待ちと明記されており、新規注文を受け付けながらも生産が追いつかない状況が続いている。神戸牛の仕入れ価格高騰により、2016年以前の注文者に対しても出荷時点の価格が適用されるケースがある。

【公式サイト】神戸牛専門店 旭屋 https://www.asahiya-beef.com

 

徹底した手作り製造過程

極みコロッケの最大の特徴は、機械化を極力排除した手作業にある。製造は本店近くの専用施設で、少人数のスタッフが担う。1日の生産数は約200個に制限され、これ以上増やせば品質が落ちると店主は判断している。工程は以下の通りだ。

まずじゃがいもを蒸し、熱いうちに手で皮をむく。芋と皮の間の薄皮を残すため、機械の皮むき器は使用しない。玉ねぎは手でみじん切りにし、飴色になるまでじっくり炒める。牛肉はサイコロ状にカットし、熟成させて旨味を引き出す。これらを混ぜ合わせてタネを作り、1日寝かせて味をなじませる。衣付けは小麦粉、卵、パン粉の順で機械を一部使用するが、スタッフが一つずつ手で調整。最終的に急速冷凍して出荷する。

過去に工場委託を試みたが、同じ原材料を使っても味が大きく異なるため断念した。新田氏は「原材料も調味料も1グラム変わらないのに、手作りと工場では全然違う」と強調する。薄皮の甘みやなめらかなマッシュの食感、肉のゴロゴロ感を損なわないため、手作業にこだわり続けている。

 

人気の理由 素材と職人魂の結晶

極みコロッケがここまで支持される理由は、素材の質と手作りの味わいにある。食べた人の多くが「今まで食べたコロッケの中で一番」と絶賛する。神戸牛の角切り肉が口の中でじゅわっと溶け、ステーキのような旨味と脂のコクが広がる。レッドアンデスのじゃがいもは蜜のように甘く、砂糖を加えなくても自然な甘みが肉の味わいを引き立てる。

味付けはあっさりめで、素材本来の良さが際立つ。リピート率は9割を超え、一度食べた顧客が再注文を繰り返す。5個入り2700円という価格に対し、牛肉の原価率が高く作れば作るほど赤字になる商品だが、新田氏は「肉を売るためのきっかけとして始めたが、コロッケが一人歩きした」と語る。地元新聞での紹介やテレビ露出が全国的なブームを呼び、口コミでさらに注文が増えた。

保存料を使わず毎日新鮮に作る姿勢も、安心感を与えている。価格改定のお知らせでも、神戸牛の仕入れ値がコロナ前より2倍以上に上昇した影響を公表しており、それでも注文が途絶えない人気の強さを示している。

 

待ち時間の推移とついに45年待ちへ

極みコロッケの待ち時間は、発売以来着実に延び続けてきた。2000年代初頭の報道で人気に火がつき、2011年頃には5年半待ち、2017年頃には13〜17年待ちに達した。

2022年頃は30年待ち、2024〜2025年は38〜43年待ちとなり、2026年現在は公式で約45年待ち(出荷予定2068〜2071年頃)と更新されている。この異常な待ちは、1日200個限定の生産体制が原因だ。リピーターの再注文と新規の殺到が積み重なり、バックログが膨張した。新田氏は一度新規注文を中止したこともあるが、顧客からの強い要望で再開。「お待ちいただければ必ず届きます。幻ではありません」と笑う。

作れば作るほど赤字になるため、生産を無理に増やさない方針を貫いている。5個入り2700円の価格設定は、原材料高騰を反映しつつも手頃さを保ち、長期待ちの価値を高めている。

 

ネットとメディアの大きな反響

極みコロッケの「〇〇年待ち」は、長年ネットのネタとして定着している。

最近のX投稿では、注文確認メールの配送予定が2052年と判明した画像が拡散され、1万件を超えるいいねを集めた。リプライでは「19年早く食べられて羨ましい」「相続税の対象では」「長生きのモチベーションになる」といったユーモアあふれる反応が相次いだ。

メディア露出も豊富で、PRESIDENT Onlineなどで「43年待ち」の特集が組まれ、毎日新聞、朝日新聞、CNN Travelでも紹介された。食べた人の感想は「ゴロゴロした神戸牛の食感と甘いじゃがいものハーモニーが別格」「揚げたての香りが焼肉のよう」と高評価。一部で「待った補正があるかも」との冷静な声もあるが、全体として満足度は極めて高い。

届いた人は「忘れていたけど嬉しい」「人生の思い出になった」と語るケースが多い。5個入り2700円という価格が、待ち時間とのギャップでさらに話題を呼んでいる。このコロッケは、単なる食品を超えた存在となっている。店主の「手作りにこだわる」執念が、40年超の行列を生み、現代の食文化に一石を投じている。長く待つ価値がある味を求める人々にとって、極みコロッケはまさに“未来への約束”だ。公式サイトで最新の待ち状況と価格を確認し、注文を検討する人も増えそうだ。

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ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

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