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クックパッド新機能「レシピスクラップ」にリュウジら人気料理家が激怒!タダ乗り批判も強行した裏事情は?

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クックパッド、公式Xより
クックパッド、公式Xより

「こっちは必死で自己アカウントで頑張ってんすけど。あまりにもレシピ製作者にリスペクトがない」

3月21日、SNS総フォロワー数数百万を誇る大人気料理研究家・リュウジ氏ら料理家たちの怒りの告発が、ネット上で大きな波紋を呼んでいる。

怒りの矛先は、日本最大級のレシピサイト「クックパッド」だ。料理業界を牽引してきたはずの上場企業が、なぜここまで料理研究家たちを激怒させているのか。

 

他人のフンドシで相撲を取る? 驚愕の新機能「レシピスクラップ」

事の発端は、クックパッドがリリースした新機能「レシピスクラップ」。クックパッド公式Xが「Instagram、X、Webサイト。どこで見つけたレシピも、クックパッドのレシピスクラップへ」「あちこちアプリを行き来する手間を省いてキッチンではクックパッドを開くだけ」と無邪気にアピールしたこの機能、実はとんでもない“仕様”だったのだ。

なんと、InstagramやX、他者のWebサイトに掲載されているレシピのURLをクックパッドのアプリに貼り付けるだけで、AIが自動で材料や作り方を読み込み、アプリ内に保存できてしまうという代物。インポートされたレシピは非公開となり個人利用に限られるというが、問題の根幹はそこではない。

 

リュウジ氏は自身のレシピを実際に取り込んでみた結果をこう綴っている。

「作り方も全部取り込まれた。こんなんされたら元記事みないでクックパッドだけ観るようになるから料理家は一つもメリットなく」

さらに驚くべきことに、この機能は5レシピ以降の保存には課金が必要になるという。

「クックパッドにだけメリットがあるシステムです。さすがに酷すぎないかこれ」とリュウジ氏が憤るのも無理はない。

 

「必死に作ったコンテンツにタダ乗り」料理研究家たちから非難の嵐

怒りの声はリュウジ氏だけにとどまらない。

人気料理研究家のジョーさん。は、「必死に作ったコンテンツにタダ乗りされて許せるわけがない」と激怒。

「個人アカウントやサイトは投稿を見てもらったり、見返すために再帰してもらったりして成り立ってる。そしてクックパッド側がそれを知らないはずがない」と、コンテンツクリエイターの死活問題に関わる仕様を容認した企業の姿勢を強く非難した。

 

また、人気レシピサイト「白ごはん.com」の冨田ただすけ氏も、「元のレシピページに入る必要がなくなるんですよね」と懸念を表明。

「レシピには著作権はないけれど、写真には著作権があるからアプリに取り込むこの仕様はどうなんだろうな」と、法的なグレーゾーンにも切り込んでいる。

IT専門家が指摘する“巨大なブーメラン”の危険性

 

「レシピには著作権がなく、情報をAIでまとめて入れてしまえばセーフだね!という発想」 そう分析するのは、起業家でIT事情に詳しいけんすう氏だ。しかし、これはサービス同士でのマナーを大きく逸脱していると指摘する。

けんすう氏によれば、クックパッドがこの禁じ手を打ったことで、今度は他社が「クックパッドのレシピを簡単に保存し、クックパッドに遷移させないサービス」を作っても文句が言えなくなるというのだ。有料レシピのリンク集が出回り、他社のアプリで一括インポートされれば、本家クックパッドは誰からもお金を払ってもらえなくなるという皮肉な“ブーメラン”の危険性を孕んでいる。

 

なぜ上場企業が“禁じ手”に? 生成AI時代の避けられない波

では、なぜ上場企業であるクックパッドが、このような倫理的批判を浴びるリスクを冒してまで新機能をローンチしたのだろうか。

当然、社内でも法務チェックなどは入念に行われており、ある程度の炎上リスクは織り込み済みだったはずだ。背景にあるのはレシピ自体には著作権が認められにくいという法的な現状と、彼らの下がり気味な業績と、生成AIの進化だ。

もしクックパッドがやらなくとも、この生成AI全盛の時代、世界中のレシピをAIで瞬時に解析・要約し、自分だけのレシピ帳を作れるアプリは、いずれ他社(それも海外のテック企業など)が作るだろう。クックパッドからすれば、他社にプラットフォームの覇権を奪われる前に、自らがその器になろうと先手を打った形とも言える。

 

「利益追求」を否定していた過去の理念はどこへ…なりふり構わぬ延命策か

しかし、古参のビジネスマンや投資家からは、クックパッドのこの姿勢に違和感を覚える声も上がっている。

クックパッドといえば、創業者の佐野陽光社長が有名であり、かつては金融資本主義的な利益至上主義とは距離を置くスタンスをとっていた企業だ。実際、過去の決算説明会資料(ビジョン資料)などでは、「資本主義社会では、どうしても利益の追求が優先され、結果、地球の未来を犠牲にすることが多くなります」といった、現在の行き過ぎた資本主義にアンチテーゼを唱えるような思想を掲げていた。

「つくり手を増やすこと」で社会を良くすると謳っていたかつての高尚な理念と、他人のコンテンツをAIで吸い上げて自社の有料プランへ誘導する今回のレシピスクラップ機能。そこには、業績低迷が囁かれる中、生成AI時代に生き残るためにいよいよなりふり構っていられなくなったという、上場企業ゆえの苦しい立ち位置が透けて見える。

 

大炎上の末にサービス撤回はあるのか? 今後の動向に注目

「他人のデータを掠め取って自社の利益にするって、法律は潜り抜けても企業倫理としてどうなのか?」 「まともな企業のやることじゃない」 「他人の褌で相撲を取る行為」

SNS上では現在、厳しい声が飛び交っている。料理家だけでなく、一般の料理ファンからも見放されつつある現状は、プラットフォーマーとして致命傷になりかねない。

 

上場企業である以上、株主からの視線やレピュテーション(評判)リスクを無視することはできない。コンプライアンスや企業倫理が厳しく問われる昨今、これだけの大炎上を招いた機能がそのまま存続できるのか。事態の収拾を図るため、早々にレシピスクラップ機能を引っ込める(一時停止や仕様の抜本的見直し)可能性も十分に考えられる。

かつて毎日の料理を楽しみにすると宣言した料理サイトの巨人は、この荒波をどう乗り越えるのか。その決断に注目が集まっている。

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寒天 かんたろう

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ライター歴26年。月刊誌記者を経て独立。企業経営者取材や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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