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東京美容外科・黒田あいみ医師、解剖実習のSNS投稿で炎上 献体写真アップに批判殺到

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美容外科医の解剖実習投稿が炎上 献体写真に軽佻浮薄なコメントで批判殺到

東京美容外科 黒田あいみ医師
東京美容外科のHPより

東京美容外科の医師・黒田あいみ氏が、グアムでの解剖研修の様子をSNSに投稿し、炎上している。献体の写真と共に軽佻浮薄なコメントを添えたことが、倫理観を問う批判の声に繋がった。

問題の投稿内容

黒田氏は、インスタグラムとアメブロに解剖研修の様子を写真付きで投稿した。インスタグラムでは、「fresh cadaver (新鮮なご遺体の解剖)解剖しに行きます!!」といったコメントと共に、献体の頭部が並んだ写真に「頭部がたくさん並んでるよ」と絵文字付きのコメントを添えていた。

アメブロでは、解剖中の献体の頭部の画像や、医師らで並んだ記念写真などを公開。黒田氏は笑顔でピースサインをしており、解剖研修の様子を「朝から晩までの解剖は本当に疲れました」「もうぐったりでした」と絵文字を交えて伝えていた。これらの投稿は現在削除されている。

東京美容外科および統括院長の対応

東京美容外科の統括院長・麻生泰氏はX(旧Twitter)で謝罪した。「大変申し訳ございません。主催者の1人としてお詫びします」と述べた上で、「解剖をすることは外科医にとって、とても重要な意味を持ちます。臨床に携わる医師が解剖することは、学生時代との解剖とは違い、患者さんに直結して還元できることが大きいです」と解剖の意義を強調。

「この写真は、アメリカで解剖している事ですので、日本ともルールが異なります」と釈明し、「投稿は既に削除されております。この事で臨床医師が解剖できる火が消えませんように願います」と投稿した。

世間の反応

この件はXで「解剖実習」「美容外科医」といったワードがトレンド入りするほどの騒動となった。多くのユーザーから「ご遺体に対して敬意がない」「倫理観のないサイコパス」といった批判が寄せられた。

麻生氏の釈明に対しても、「解剖することに怒ってるんじゃなくて、それをSNSにあげるリテラシーの無さや取り組む姿勢の軽さに呆れてるんだよ皆」といった反論が相次いだ。

コミュニティノートによる補足情報

Xのコミュニティノートでは、黒田氏が東京美容外科沖縄院院長であること、投稿内容に解剖の様子を背景にした記念撮影や不適切なコメントが含まれていたことなどが補足された。

また、米国でも解剖のご遺体は尊厳と敬意をもって扱われるべきであり、写真撮影してSNSにアップする行為は非倫理的であると指摘されている。米国の医科大学や教育機関では、解剖中の写真撮影やSNSへの投稿を禁止する厳格な方針が設けられていることが多く、違反した場合は懲戒処分を受ける可能性があると説明されている。

高須克也氏の見解

高須クリニックの総括院長で、美容外科医業界の大御所、高須克也氏は、「南無阿弥陀仏。馬鹿医者め!クズ。」と黒田氏を厳しく批判。

さらに、「僕の時代の医学部解剖実習での作法は、献体してくださった方に黙祷のあとお顔をしっかりと観察して記憶することでした。解剖学の中村為吉教授は『この方が君たちに人体を教えてくださる師匠だと記憶せよ』と諭されました」と自身の経験を語り、献体への敬意の重要性を訴えた。

黒田あいみ氏の謝罪と釈明

黒田氏はアメブロで謝罪文を公開。「皆様に不快な思いをさせてしまって大変申し訳ありませんでした」と謝罪し、モザイク処理の不備や倫理観の欠如を認めた。

一方で、解剖研修の意義を強調し、「医師としてより向上し、患者様の満足度をよりあげるため」に参加したと説明。日本の美容外科業界の現状に触れ、トラブル増加を背景に「ご遺体から学べるということはとても貴重な機会」だと主張した。

投稿の意図については、「より多くの医師に知ってもらうことでより安全に、より多くの患者様の満足度をあげることができる、と思い、投稿しました」と説明し、献体者とその遺族、研修関係者への感謝を述べた。

東京美容外科の企業概要

東京美容外科は、全国に114院を展開する美容クリニック。「若返り」「二重」「鼻」「脂肪吸引」「豊胸術」などの美容医療を提供している。

統括院長である麻生泰氏は、「美容外科医師は、医師でありますが芸術家すなわちアーティストでなければならない」という理念を掲げ、「手術した患者様の結果が私達のプライド」と述べている。

考察とまとめ

今回の騒動は、医療従事者におけるSNS利用のあり方、そして献体に対する倫理観を改めて問うものとなった。黒田氏の投稿は、医療行為の尊厳を軽視し、献体への敬意を欠いたものとして、多くの批判を浴びた。

黒田氏の謝罪は、医師にとってこのツアー自体の意義を切実に訴えるものであり、実際にそうなのだろうと感じ取れるものとなっている。また、真摯に謝罪していることも伺える。

しかし、医療従事者は、常に高い倫理観を保ち、患者や社会からの信頼を損なわないよう行動する必要がある。今回の批判もどちらかというと、同業界の医師たちからのものが多いように見受けられる。

社会的にも尊敬される医師であるからこそ、人としての最低限の倫理観はもってもらいたいものである。SNS利用においても、情報発信の責任を自覚し、適切な情報管理と発信を心がけるべきである。

東京美容外科、並びに黒田氏が今後この失敗を改善し、高い倫理観をもった医師となっていくことを願う。

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ライター:

株式会社Sacco 代表取締役。一般社団法人100年経営研究機構参与。一般社団法人SHOEHORN理事。週刊誌・月刊誌のライターを経て2015年Saccoを起業。社会的養護の自立を応援するヒーロー『くつべらマン』の2代目。 連載: 日経MJ『老舗リブランディング』、週刊エコノミスト 『SDGs最前線』、日本経済新聞電子版『長寿企業の研究』

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