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ハッピーターンの規格外品をアップサイクルした「除菌ウェットティッシュ」が誕生

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ファーメンステーションと亀田製菓が連携し、循環型経済を推進

亀田製菓とFERMENSTATIONのコラボ
提供:ファーメンステーション

食品ロス削減や環境負荷軽減を目的とした新たな取り組みとして、株式会社ファーメンステーションと亀田製菓株式会社が共同開発した「ハッピーターンから作った除菌ウェットティッシュ」が発表された。

本プロジェクトは、亀田製菓の代表商品「ハッピーターン」の製造過程で発生する規格外品をアップサイクルし、高付加価値の商品へと転換する試みだ。

未利用資源を活用した新たな価値創出 発酵技術で廃棄物をエタノールに変換

両社の発表によると、本プロジェクトでは「ハッピーターン」の製造工程で発生する焼き上げ不足や焦げ付きなどの規格外品が原料として活用されている。これらは従来、飼料としてリサイクルされてきたが、ファーメンステーションの持つ高度な発酵技術と蒸留技術を用いることで、発酵アルコール(エタノール)へと再生された。エタノールは除菌性能を持つため、ウェットティッシュの主要成分として採用されている。

また、同商品にはチャ葉エキスやグレープフルーツ種子エキスが配合されており、99%天然由来成分で構成されている。加えて、不織布には植物由来の生分解性セルロース素材を使用することで、環境への配慮も徹底されている点が特徴的である。

持続可能な社会を目指す「Re Kameda」プロジェクト 亀田製菓が掲げる循環型社会への貢献

亀田製菓は2024年5月にアップサイクルプロジェクト「Re Kameda」を立ち上げた。このプロジェクトは、米菓の製造過程で発生する副産物を新たな価値ある商品にアップサイクルすることを目標としている。同社は従来から、製造工程で生じるフードロス削減に取り組み、エコフィード活動やフードバンクへの寄贈を行うなど、環境負荷の低減に注力してきた。

今回の「ハッピーターンから作った除菌ウェットティッシュ」の開発は、「Re Kameda」プロジェクトの一環であると同時に、食品製造業が抱える廃棄物問題に対する解決策のひとつとして注目されている。

サーキュラエコノミーへの挑戦 ファーメンステーションの発酵技術が示す可能性

亀田製菓とファーメンテーションのアップサイクルの取り組み
亀田製菓とファーメンテーションのアップサイクルの取り組み図(提供:ファーメンテーション)

ファーメンステーションは、未利用資源を再生・循環させる社会を構築する研究開発型のスタートアップ企業である。同社はこれまでにも、食品・飲料工場で発生する副産物を原料としたアロマ製品や除菌ウェットティッシュの開発を手がけてきた。今回のプロジェクトはその一環であり、亀田製菓とのパートナーシップによって、サーキュラエコノミー(循環型経済)の実現に寄与する取り組みとなった。

ファーメンステーションの酒井里奈代表取締役は、「多様な未利用資源を発酵技術で付加価値の高い素材に再生することは、持続可能な未来への鍵となる」と述べている。同社は今後も未利用資源の再生パートナーシップを拡大し、企業間連携を通じて環境問題解決に貢献していく方針だ。

次世代商品開発の可能性 市場投入と今後の展望

今回の「ハッピーターンから作った除菌ウェットティッシュ」は2024年12月上旬より、一部スーパーマーケットでの店頭プロモーションを皮切りに展開される予定だ。商品そのものの販売計画は明らかにされていないが、環境配慮型商品としての注目度は極めて高い。

両社の取り組みは、食品製造業や消費財産業における廃棄物削減のモデルケースとなり得る。さらに、消費者の環境意識の高まりを受け、サステナブルな商品開発が企業競争力の重要な要素となる中で、今回のプロジェクトはその先駆けとしての位置づけを強めている。

未利用資源を未来の資産へ

「ハッピーターンから作った除菌ウェットティッシュ」は、単なる商品開発の枠を超え、廃棄物を新たな価値へと転換するサステナブルビジネスの好例である。このような取り組みが普及することで、食品ロス問題や環境負荷軽減の実現可能性が広がることが期待される。ファーメンステーションと亀田製菓の挑戦が、より多くの企業にとってのインスピレーションとなることを願いたい。

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サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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