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アライアンス・フォーラム財団

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「公益資本主義で未来を切り拓く」原丈人さん講演2024WAF東京

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株主至上主義からの脱却を訴える

原丈人 2024WAF TOKYO
原丈人さん 2024WAF TOKYOにて

アライアンス・フォーラム財団は10月10日、都内で「ワールド・アライアンス・フォーラム東京円卓会議(WAF東京)2024」を開催した。公益資本主義の提唱者として知られる原丈人さんは、講演で、短期的な利益を追求するのではなく、社会全体にとっての利益を重視する公益資本主義の必要性を訴えた。

毎年開催されるWAF東京

WAF東京は、世界の潮流や社会環境の変化を踏まえ、公益資本主義社会の実現に向けた戦略を議論する場として、アライアンス・フォーラム財団が毎年開催している。1999年の設立以来、同財団は短期の利益に偏重しない、中長期視点での経営の重要性を訴え、政策提言など、様々な活動を行っている。WAF東京では、制度改革や法改正、ヘルスケア分野など幅広いテーマで議論が行われた。

日本の課題と公益資本主義の必要性

原さんは講演で、現在の日本経済が抱える課題として、賃金の低下や、株価上昇の恩恵を受けられない大多数の国民の存在を指摘。岸田政権が掲げる「新しい資本主義」についても、実際には株主資本主義的な政策が継続されたと話し、「株主主義と公益主義の掛け持ちはできない」と断言した。

その上で、従業員や地域社会、地球環境など、企業活動に関わるすべてのステークホルダーに配慮した経営を行う公益資本主義への転換が急務であると主張した。

特に、原さんは岸田政権下での金融所得倍増計画や、労働市場改革など、株主重視の政策を批判。一方で、外交・安全保障政策や、地方創生などに取り組みを見せる石破氏に対し、一定の期待感を示唆した。

公益資本主義実現に向けた具体的な政策

公益資本主義の実現に向けた具体的な政策として、原さんは防災や医療・介護、教育などへの積極的な財政出動や、公益国債の発行による国民の資産形成支援などを提案。企業に対しても、短期的な利益にとらわれず、イノベーションや人材育成、社会貢献活動などに積極的に投資していくべきだと呼びかけた。

公益資本主義の社会実装に向けて

原さんの講演は、公益資本主義という理念が、単なる理想論ではなく、日本経済の閉塞感を打破し、持続可能な社会を創造するための現実的な解決策となりうることを示唆するものとして、参加者に深い感銘を与えた。

しかし、公益資本主義の社会実装には、企業や投資家、そして政府の意識改革が不可欠だ。短期的な利益を重視する従来型の資本主義から脱却し、長期的な視点に立った投資や経営判断、そして政策が必要となる。

具体的には、企業は中長期視点での研究開発、従業員の待遇改善や人材育成、地域貢献活動への投資を積極的に行い、その成果をステークホルダーに分かりやすく開示していく必要がある。投資家もまた、短期的な利益ではなく、企業の長期的な成長や社会貢献活動への貢献度を重視した投資を行うべきだ。政府は、公益資本主義を推進するための政策や制度設計を行い、企業の取り組みを後押ししていくことが求められる。

公益資本主義の実現は、一朝一夕に達成できるものではない。しかし、原さんの講演は、私たちが進むべき方向性を明確に示してくれたと言えるだろう。

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ライター:

株式会社Sacco 代表取締役。一般社団法人100年経営研究機構参与。一般社団法人SHOEHORN理事。週刊誌・月刊誌のライターを経て2015年Saccoを起業。社会的養護の自立を応援するヒーロー『くつべらマン』の2代目。 連載: 日経MJ『老舗リブランディング』、週刊エコノミスト 『SDGs最前線』、日本経済新聞電子版『長寿企業の研究』

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