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法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

株式会社エストネーション

https://www.estnation.co.jp/

東京都渋谷区千駄ヶ谷2-11-1

廃棄ハンガーが動物に大変身! 親子でSDGs体験

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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エストネーション×日本コパック×森ビル ~企業連携で社会貢献目指す~

六本木ヒルズの子ども向けワークショップCLOSETANIMALの模様

セレクトショップを運営するエストネーション(東京・渋谷)は2024年8月2日、六本木ヒルズで、子ども向けワークショップ「CLOSET ANIMAL」を開催した。

これは、アパレル業界で廃棄されるハンガーをアップサイクルし、動物などのオブジェを製作するワークショップ。子どもたちが楽しみながらSDGsを学べるイベントとして人気を集めている。

CLOSET ANIMALの取り組み

六本木ヒルズのESTNATIONの店舗前広場
イベント開催前の様子

CLOSET ANIMALとは、わけあって不要になったハンガーを動物へと再編するアップサイクルプロダクトを軸とした企画である。

今回は、7月27日から8月18日まで開催されている「ヒルズ・ワークショップ フォー・キッズ 2024」の一環として企画され、8月2日に全3回のワークショップとして開催された。親子連れなど約30組以上が参加した。

六本木ヒルズの子ども向けワークショップCLOSETANIMALの模様

会場には、エストネーションの倉庫で眠っていたハンガーのうち約200点と、衣料の残布やボタンなどが用意された。子どもたちは、それらをグルーガンで接着したり、装飾品を自由に組み合わせて、思い思いの動物を作り上げていった。

六本木ヒルズの子ども向けワークショップCLOSETANIMALのなかで工作する子ども

参加した小学生の女の子は「最初は難しかったけど、好きな形のハンガーを見つけて、ウサギを作ることができた。捨てるはずのものが可愛い動物に変身して嬉しい」と笑顔を見せた。

保護者からも「子どもと一緒に楽しみながらSDGsについて考える良い機会になった」「家でもハンガーを使って何か作ってみたくなった」といった声が聞かれた。

六本木ヒルズの子ども向けワークショップCLOSETANIMALの参加者親子

ワークショップに立ち会っていた、本イベント主催者の森ビル(東京・港)の玄葉芽依さん(タウンマネジメント事業部)。

森ビルの玄葉さん

「木の切れ端を色々な動物に見立ててつくっていける子どもたちの想像力の豊かさに驚嘆しました」(玄葉さん)

六本木ヒルズの子ども向けワークショップCLOSETANIMALのなかで工作する親子
子どもだけでなく、大人も熱中して作品づくりに没頭

きっかけはゴミ山の廃棄ハンガー

今回のワークショップは、ハンガーの製造・販売を手がける日本コパック(東京・台東)との連携によって実現した。同社は、1992年からいち早く循環型ハンガーの仕組みを構築し、アパレル業界で発生する廃棄ハンガーの削減に取り組んできた。

この取り組みは、1991年に創業者の斉藤建三さんが、ゴミの埋め立て地として知られる夢の島公園を訪れたことがきっかけだった。当時、ゴミの埋め立て処分場には多くのプラスチックハンガーが廃棄されており、その現状に衝撃を受けた斉藤さんは、リユース・リサイクルハンガー事業を始めることを決意。現在では多くのアパレル企業や百貨店、量販店と連携し、ハンガーを廃棄せずに再利用・リサイクルする取り組みを行っている。

サーキュラーエコノミーの先駆け

実はこのリユース・リサイクルハンガーの仕組みは、資源を循環させて使い続ける「サーキュラーエコノミー」の先駆けとも言えるものだ。1990年代前半、環境問題への意識が高まり始めた時代に、いち早くこの仕組みに着手。百貨店やGMS(総合スーパー)向けにハンガーにかけた状態で商品納品する「ハンガー納品」を展開。

日本コパックはこの変化をビジネスチャンスと捉え、いち早くアパレルメーカーや物流会社と連携し、回収したハンガーを修理・メンテナンスして再び流通させる循環型システムを構築したのだ。

日本コパックの斉藤宗利社長
日本コパック 斉藤宗利社長

日本コパックの斉藤宗利社長は「ハンガーは、繰り返し使うことで環境負荷を大幅に減らすことができる。今回のワークショップを通して、子どもたちにそうしたことを実感してもらい、ものを大切にする心を育んでほしい」と話す。

日本コパックの斉藤さん
日本コパック 斉藤崇大 取締役

また、同社取締役の斉藤崇大さんは「CLOSET ANIMALは、小学校の卒業記念品として販売するハンガーのなかで、ちょっとした傷や塗装ムラなどが原因で販売できなくなってしまうものがあり、ある時、社内で山積みになっていたハンガーを見て、『これを使って何か作れないか』というアイデアから生まれました。
ハンガーは、少し手を加えるだけで、子どもたちの創造力を刺激する玩具にも、おしゃれなインテリア雑貨にも生まれ変わります。この取り組みを通して、廃棄物の新たな可能性を広く発信していきたい」と語る。

アパレルは、店舗の統廃合などで行き場の失ったハンガーなどの備品を抱えていることが多い。こうした取り組みは倉庫の逼迫状況を改善するものであり、且つ社会貢献性の高いもの。実際に本イベントも参画した関係者全員の満足度の高さが伺えた。

エストネーションの岩崎さん
「子どもたちに楽しみながらSDGsを体験してもらいたいと思い、今回のイベントを企画しました。ハンガーが動物に生まれ変わる様子を見て、発想力や創造力を育むきっかけになれば嬉しいです」(岩崎さん)

事実、今回のワークショップを企画したエストネーションの岩崎太一さん(六本木ヒルズ店スタッフ)は取り組みに参画したことを「お子様も楽しんでもらえる。やっていて私はこれ以上幸せなことあるのかなと思うくらい。それぐらい参加者みんなの笑顔が嬉しかった」と評して、喜びと活動の意義を語った。

イベントを司会した日本コパックの米村佳音さん。

日本コパックの米村さん

「こういった大人数のワークショップや司会ははじめてでしたので、新鮮でしたし、子どもたちへの伝え方という部分で自分にとっても学びがありました。子どもたちが楽しんで色々な動物を生み出してくれたことが嬉しい」(米村さん)。

企業間連携で持続可能な社会の実現に貢献

森ビルは2006年以来、「ヒルズ・ワークショップ フォー・キッズ」を毎年夏に開催し、六本木ヒルズのテナント企業や店舗などと連携し、街を舞台に子どもたちに学びの場を提供している。本物の学びを子どもたちに提供したいと考え、現在では虎ノ門ヒルズや麻布台ヒルズにも広げているそうだ。

森ビルの三幣裕香子さん(タウンマネジメント事業部)はイベント後に以下のように語った。

森ビルの三幣さん

「日ごろのエストネーションさんとのコミュニケーションがあったからこそ実現できた。地球のためになることという我々のテーマをすごく上手くくみ取っていただき形にしてくださった」(三幣さん)

同じく、森ビルの玄葉芽依さん。

「エストネーションさんはSDGsなどサステナビリティへの関度が高い会社。今回のテーマは同じようにサステナビリティに注力する当社とエストネーションさんの方向性が合致して実現できたもの。感謝しています」(玄葉さん)

エストネーションのサスティナビリティ推進室室長竹山さん

エストネーションは、今回のワークショップを皮切りに、今後も地域貢献や社会貢献活動に積極的に取り組んでいきたい考えだ。同社のサスティナビリティ開発推進室 室長兼ディレクターの竹山賢さんは「アパレル業界が抱える、衣類だけではない様々な廃棄の問題を、もったいないの精神とデザインのもつ力で解決していき、地域社会に貢献していきたい」と語った。

イベントをサポートした、日本コパック営業部の石原佳訓さん。

日本コパックの石原さん

「もともと、エストネーションの竹山様にCLOSET ANIMALの取り組みを紹介したときに、いい企画だと仰っていただきました。今回、六本木ヒルズのイベントのお話があり、実際に店舗の担当者様に見ていただき、実現できました。CLOSET ANIMALを広げていくうえで、エストネーション様と一緒に取り組めたことは意義深く、お声をかけていただいて本当に光栄です」(石原さん)

今回の取り組みは、企業が連携してSDGsに取り組むことの意義や、地域貢献の可能性を示す好例と言えるだろう。(取材・撮影:加藤俊)

クローゼットアニマルのへびの工作
クローゼットアニマルで作られた作品
できあがった作品(提供:エストネーション)

エストネーションのサイトにもCLOSET ANIMALの取り組み紹介の記事が掲載されています。
こちらよりご確認ください。

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ライター:

株式会社Sacco 代表取締役。一般社団法人100年経営研究機構参与。一般社団法人SHOEHORN理事。週刊誌・月刊誌のライターを経て2015年Saccoを起業。社会的養護の自立を応援するヒーロー『くつべらマン』の2代目。 連載: 日経MJ『老舗リブランディング』、週刊エコノミスト 『SDGs最前線』、日本経済新聞電子版『長寿企業の研究』

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