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井上梅干食品株式会社

https://kumaheinoume.co.jp/

(本社・工場)〒645-0012 和歌山県日高郡みなべ町山内1095-1

0120-01-2730

創業80年の老舗「熊平の梅」井上梅干食品株式会社|伝統を生かした新商品づくり

ステークホルダーVOICE 経営インタビュー
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井上梅干食品
日本の食卓の定番「梅干し」。あるのが当たり前と思うかもしれませんが、梅農家とメイン顧客の高齢化に危機感を抱いています。梅の価値を高め、若い世代にも受け入れられる商品を作ること。創業80年の老舗の梅干しメーカーである井上梅干食品株式会社は、その伝統技術を生かして、日々新たな挑戦に取り組んでいます。

今回は、井上梅干食品株式会社の常務取締役である花村数夫(はなむら・かずお)さんに、新商品への取り組みとステークホルダーへの感謝の気持ちをお伺いしました。

最高ランクのA級紀州南高梅だけを使用した伝統の漬け込み

-設立のきっかけと現在の事業内容を教えていただけますか。

昭和16年に、私の祖父が、和歌山県日高郡みなべ町に井上熊平商店を創立したのがきっかけです。平成元年に株式会社に組織変更し、現在に至ります。

当社の事業は梅干しの加工と販売がメインです。「熊平の梅」というブランド名で、多くの種類の梅干しを展開しています。

和歌山のみなべ・田辺は、日本一の梅の産地。

当社ならではの特徴は、第一に、自家農園で採れた梅や地元の農家さんが丹精込めて作っている梅、なかでも最高ランクのA級紀州南高梅を使用していることがあげられます。一部の梅干し製造業にしか取り扱えない特選A級マークも取得しました。

第二に、創業時から守り続けた昔の伝統製法で種までおいしくいただける梅干しをしっかりと漬け上げていることです。

現在、和歌山の本社近くのみなべ店、高野山店、そして東京の銀座店と直営店を3店運営しています。

技術力が生み出す新しい「フルーツ梅干し」の世界

-最近では新しい味の「梅干し」にも挑戦されているそうですね

現在の流行としては、塩分が控えめの「低塩の梅」がありますね。

低塩といわれる塩分濃度は一般的には8%以下なのですが、当社ではそれを5%以下に抑える「超低塩」の技術を持っています。

そこで、梅干しに別の味を付けた商品を開発しようと思い、「フルーツ梅」を作り出しました。例えば、レモン梅や、パイン梅、和歌山特産のじゃばら(和歌山県北山村でしか採れないフルーツ。ユズやダイダイ、カボスに似た柑橘系果実)梅などです。

-レモンと梅というのは酸っぱいもの同士の組み合わせですが、どこからこのようなアイディアが浮かんだのでしょうか?

「梅干しは、どういう果実を合わせたらおいしくなるだろう?」というのは常に考えていて、研究を重ねつつ試行錯誤しています。その中で浮かんだのがクエン酸つながりでレモンでした。梅干しもレモンもクエン酸が豊富なことで知られています。もしこの2つを組み合わせれば最強タッグになるのでは……と、試験的に開発を始めました。

幾通りも試作品を作り、果汁を組み合わせることで、そのまま食べてもおいしいレモン味の梅干しが仕上がったので「これは商品化しよう」という流れになったものです。

夏限定で販売していまして、個包装については冷凍してアイス感覚で食べられるようにしたほか、食べ物や飲み物に混ぜてもいただけるアレンジもできます。次は「みかん梅」のリリースも予定していますよ。

梅は栄養価も高く、紀元前から食されてきた有用な果実。当店も伝統を守りつつ、これからの時代に合わせた梅の商品を提供できればと考えています。

井上梅干食品HP

ステークホルダーへの感謝

取引先との向き合い方
黒松千年屋株式会社さん

黒松千年屋さんは、梅製品の加工や発酵食品の卸をされている会社さんです。先代の社長から友人関係を通じてつながりができ、(現在の当社の本社工場は、黒松千年屋様の製造工場でもありますので本当に密な関係であります。)また、お互い切磋琢磨することで高めあえる関係だと思っています。黒松千年屋さんは素晴らしい営業力をお持ちで、当社の手が届かないようなところへ販売を広げていただいております。本当にいつも助けていただいて感謝しかありません。当社もその働きに応えていきたいと思っています。そんな黒松千年屋さんにお尋ねしたいことは、これからどんな商品の開発を期待しているのかということ。梅干しがメインですが、他にも販売希望の商品がございましたら、教えていただければ幸いです。

旭漬物味噌株式会社さん

旭漬物味噌株式会社も、やはり先代の社長からのお付き合いです。現在は、担当の営業部長が非常に良い関係を築いています。梅干しを店舗に置いていただくだけでなく、スーパーや飲食店様に向けて販売網を広げていただくなど、当社の営業で行き届かない部分をカバーしてくださる存在です。当社にとって大きな助けとなっています。当社の梅干しを選んでくださって、そして全国に広く営業していただいて、本当に感謝しかありません。引き続き今後もぜひよろしくお願いいたします。
旭漬物味噌さんと、今後もお付き合いを続けるにあたり、当社も頑張っていかないといけない部分が多くあると思います。どのようなところを心がけたら良いでしょうか?できる限り沿うよう努力いたします。教えていただければ幸いです。

地元農家の皆様

梅農家の皆様。農家さんたちがいらっしゃらないと、我々の企業活動は成り立ちません。梅は当社の心臓ともいえます。そういう意味では、梅を育てていただいている農家さんが企業を支えてくれているといっても過言ではないでしょう。本当にいつもありがとうございます。
 
紀州の南高梅は、A級、B級、C級、D級等と基本4段階に選別されるのですが、最上級はA級です。熊平の梅のブランドとして扱っている梅は全てA級なのですが、A級の南高梅は、傷がなく、皮が薄く柔らかく、果肉がたっぷりという特徴があります。A級を作り出すのは熟練のプロの技で、片手間で作れるものではありません。そんな難易度の高いA級の梅を毎年安定的に生産するというのは、誰にでもできることではないのです。そこは本当にもう感謝しかありません。
 
現在は高齢化で後継者不足という悩みもありますが、彼らを守り、若い方々にも就農していただけるような取り組みも考えていかなくてはなりません。そのためには「梅」そのものの価値をもっと上げていきたいと考えています。梅の使い道を広げてその価値を高めることで、販売量を増やしていきたいですね。それが農家さんのためにもなると信じています。

社員・家族との向き合い方
社員の皆様

当社では、上下関係に格差をつけないフラットな関係を意識して保つようにしています。職場の雰囲気を良くすると、レモン梅のような新しいアイディアを思いついた時も、気軽に話しやすくなりますよね。もちろん、会議や今後の方針を決めるなど、厳格にするところはビシっとしますし、緩急をつけることは大事にしています。

 

当社では、上の立場の方たちは、私にとって親戚・家族でもあります。彼らを見ていると、社員一人一人を尊重することを非常に大事にしているんですね。

むやみに怒ったり、きつい物言いをしたりはしない。工場勤務だと、どうしても単純作業が多くなるため、メンタルケアなども重要視しています。当社の梅干しが無事に販売できるのも、彼らが高品質の製品づくりを心がけてくれているおかげです。感謝の気持ちを忘れず、従業員一人一人を気遣って話を聞くなど、私も見習って取り組むようにしています。

地域社会との向き合い方

梅干しって、やはり年配の方が召し上がるイメージですよね。これからは、若い方にどうやってアプローチしていくかが、当社も含めて梅干しを作る企業の今後の課題だと認識しています。当社は、売上に占める梅干しの割合が非常に高いので、ほかの商品の売上を増やすことでリスクを分散させたいと考えています。

 

そのためには、梅干し以外でも商品の柱となるものを作りたい。その手始めとして、梅酒の今年から製造をはじめました。梅酒は、若い女性を含め幅広い年齢に人気の高い商品です。

他には、弊社は梅肉の卸売りしていますので、こちらを当社のブランドを使った商品開発を行い、レモン梅のような新しいアイディアの商品を生み出すことにも挑戦したいですね。

〈プロフィール〉

花村数夫(はなむら・かずお)

井上梅干食品株式会社 常務取締役

【企業概要】

井上梅干食品株式会社

https://kumaheinoume.co.jp/

代表取締役 井上恭子

創立:昭和16年

所在地:(本社・工場)〒645-0012 和歌山県日高郡みなべ町山内1095-1

事業内容:梅干加工及び販売

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