電通は、全国15~79歳の1400人を対象に、第15回「カーボンニュートラルに関する生活者調査」を実施した。調査の結果、カーボンニュートラルと脱炭素の認知度は6割を超える一方、具体的な取り組みには課題が見られた。
認知度向上、取り組みの必要性も8割弱が認識
カーボンニュートラルという言葉の認知度は62.1%、脱炭素は62.4%で、いずれも6割を超えた。2021年4月の第1回調査では9.9ポイント差があった両者の認知度の差は、今回0.3ポイントまで縮小した。
カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けた取り組みの必要性については、76.0%が「必要だと思う」「どちらかといえば必要だと思う」と回答。前回調査(2023年12月)から3.8ポイント増加した。特に50代と40代で必要性を感じる人が増加しており、70代、60代に次いで高い割合を示した。
取り組みの実態は2割、経済的メリットへの関心も
カーボンニュートラルや脱炭素社会の実現に向けて、普段から取り組んでいる人は20.6%にとどまった。世代別では、15~19歳(27.6%)、70代(26.6%)、20代(22.6%)の順に高く、前回調査より5.1ポイント増加したものの依然低い水準だ。
取り組みの自己評価(1~100点)では、「まだ取り組んでいないが、ポイントがたまるなど経済的な利益があれば取り組む」(31~40点)が21.1%で最も多く、「できることには取り組んでいるが、手間やお金がかかることには取り組んでいない」(51~60点)が20.3%で続いた。経済的なメリットへの関心の高さがうかがえる。
意識変化の兆し、さらなる行動促進へ
電通の調査担当者は「30~50代を中心とした経済活動の中心層においても、カーボンニュートラル・脱炭素に向けた取り組みの必要性が認識されつつある」と分析する。一方で、個人の取り組みと目標達成との関連性を具体的にイメージできるような情報提供の必要性を指摘している。
調査概要
- 調査目的:日本におけるカーボンニュートラルに関する「認知・理解」や「興味・関心」などの現状を把握、今後の浸透策の検討
- 対象エリア:日本全国
- 対象者条件:15~79歳
- サンプル数:1400(人口構成比に合わせてウェイトバック集計を実施)
- 調査手法:インターネット調査
- 調査期間:2024年9月27日~9月28日
- 調査機関:株式会社電通マクロミルインサイト