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株式会社プリサージュ

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「一流のホスピタリティに触れる機会をどうか中学生にも」教育現場からの切なる願い

ステークホルダーVOICE 地域社会
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南部中学校 元校長 志賀浩美さん
南部中学校 元校長 志賀浩美さん

令和元年5月27日、愛知県額田郡幸田町立南部中学校で中学2年生を対象に、「生き方講演会」が開催された。

講師を務めたのは、元日本航空のCA(キャビンアテンダント)で、企業向けにホスピタリティ研修を行っている株式会社プリサージュ代表の佐野昭子さん。

生徒だけでなく教員からも、「夢が見つからないことに不安を感じていた生徒が前向きな気持ちになれた」「日常に感謝すべきことがあると気づくことができた」と好評だった講演会はどのような背景で行われたのか。

南部中学校で当時校長を務めていた志賀浩美さんに話を伺い、学内講演を外部企業に依頼する意義や価値について紐解いていく。

「あいさつ・福祉・歌声」を三本柱に、地域に愛される中学校

はじめに、自己紹介をお願いします。

志賀

志賀浩美と申します。愛知県の教育委員会非常勤職員として、県内の教育事務所で働いて2年目となります。

それ以前は、昭和58年4月から令和3年3月までの40年近くを小学校と中学校の教員として過ごしてきました。

昔から子ども好きで、人の生き方に関わる仕事に就きたいと思っていたので、小中の通常学級と特別支援学級のどちらも経験させていただ、定年退職となる3年前から愛知県額田郡幸田町立南部中学校の校長も務めさせていただき、非常に充実した教員生活を送ることができたと感じています。

担任や教科の先生と、校長というポジションでは仕事のやりがいも変化すると思いますが、いかがですか?

志賀

おっしゃる通り校長の仕事は学校経営なので、子どもとの距離が教員と比較すると離れることに若干の寂しさはありました。

ですが、私は何事もポジティブに捉えるタイプなので、担任の先生や教科の先生がそれぞれの強みを発揮して、子どもたちの魅力を引き出せるような環境をつくることにやりがいを見出し、校長職も楽しんできました。

私が中学高校時代に「素敵だな」と強く思ったのは、画家と教師の二足の草鞋を履いていた担任教師や、部活動を熱心に指導する熱血教師など、自分の特技や好きなことを持ちつつ、子どものことも真摯に考える人たちでした。

それで、校長として先生の多様性を大切にしようと心がけていました。

素敵なお考えですね。志賀さんが校長を務めていらっしゃった南部中学校についても教えていただけますか?

志賀

南部中学校は、「小規模」で「地域密着型」という点に特徴のある学校です。

全校生徒が200名程度なので、同学年同士はもちろん先輩後輩の仲も非常に良く、1~3年の混合チームで部活動の試合に出ることもよくありました。

人数が少ないので、係や委員会などの役職やリーダーに挑戦できる可能性も高く、1人が3役ほど兼任することも珍しくありません。

また、地域との繋がりが密接で、地域から愛され、地域に貢献できる学校だと思います。

年に4回地域との交流会活動として、お茶やお花、着付け、手話、囲碁、陶芸、ゲートボールなどについて地元の先生を講師としてお迎えし、学校で講座を開催していただいています。

講座で学んだ成果や作品を文化祭で披露するので、そこでも地域の方々との交流が生まれます。

他にも、地域の夏祭りで「南中ソーラン」を踊ったり、夏休みのラジオ体操には南部中学校の生徒がお手本を見せにいったりするなど、地域との距離は比較的近いと思います。

校風としては、「あいさつ・福祉・歌声」を三本柱に掲げており、中でもあいさつを重視しているのが特徴です。プリサージュの佐野さんも、礼やマナーといったホスピタリティを大切にされています。

私が校長職に就いて2年目のときに佐野さんに「生き方講演会」をお願いしたのですが、ホスピタリティのプロである佐野さんが生徒のあいさつを褒めてくださって非常に嬉しかったことを覚えています。

卒業生の答辞に登場するほどインパクト大の「生き方講演会」

株式会社プリサージュの代表佐野昭子さんからメッセージをお預かりしています。代読しますね。

校長先生 志賀様へ

  • 佐野昭子さん
  •  志賀浩美さん

先生とのご縁はお互いの知り合いの人事の方からいただきましたね。

「地元の会社さんのところへ中学2年生が職場体験をすることになっているので、社会で通用する基本マナーを「生き方講演会」で話してほしいのですが、中2ですが大丈夫でしょうか?」と不安げに尋ねられましたが、私は「大丈夫です!」と即答した記憶があります。

当日、中学校に伺って、とても感動したことがあります。

それはすれ違う生徒の皆さん全員がしっかりとご挨拶してくださったことです。「あ~この中学の先生たちは、素晴らしい教育をなさっているのだなぁ」と感じました。

そして、2時間みっちりしっかりお話させていただきました。生徒の皆さんの前傾姿勢、真剣でキラキラ輝く眼差しが今でも思い浮かびます。

ペアワークの時も楽しそうに、積極的に参加してくださったことも最高でした。また最後には、何人もの生徒さんから質問もいただき、大変うれしかったです。

私自身もリフレッシュいたしました。ありがとうございました。

さらに、その学年の卒業式の答辞の中、私の講演に触れていただいたことも最高の感動です。講師冥利に尽きます。

私がお話したことが、生徒さんの心や生き方に響いてくださっていることをとても嬉しく思います。先生からのオファーがなければ、このようなたくさんの感動を感じることはありませんでした。

先生にお会いできて本当に良かったです。今後も教育分野での先生の益々のご活躍を祈念いたします。ありがとうございました。

とのことです。率直なご感想をお聞かせください。

志賀

佐野さんとご縁があったことに非常に感謝しております。佐野さんはプリサージュの代表として、大手企業や行政施設、大学など研修を行う一流の方です。

そんな素晴らしい人を講師として迎えて、礼やあいさつの仕方といったマナーの基本から、夢の見つけ方や人生の歩み方といった生き方の本質を学ぶ機会を得られたことは、非常に意義深い経験でした。

また、先ほども申し上げましたが、生徒の
あいさつや学ぶ姿勢にも注目してくださったことが嬉しいです。

南部中学校では「あいさつ・福祉・歌声」を三本柱として、あらゆる人間関係の基礎となるあいさつを大切にしてきました。

生徒にとっては、普段から大切
に思っているあいさつを、佐野さんの「生き方講演会」でより具体的に体験を通して学べたので、さらに理解が深まったのだと思います。

佐野さんの「生き方講演会」が卒業式の答辞に登場したというエピソードも、生徒からの反響の大きさを物語っていますね。

志賀

答辞に「生き方講演会では、佐野さんに第一印象の大切さについて教えていただき、私たちは今も分離礼を大切にしています。」と書いてあるのを見て正直私も驚きました。

答辞といえば、体育祭や文化祭などの行事の思い出はよく登場します。まさか講演会が出てくるなんて、相当インパクトが大きかったのだと思います。

あいさつや礼を今後も大事にしていきたいと心から思えているからこそ、答辞に出てきたのでしょう。佐野さんに講演をお願いして本当に良かったです。

そもそも、南部中学校で「生き方講演会」が開催されたのは何故だったのでしょう?

志賀

南部中学校では、中学2年生になると「立志」を意識して、働くことや生き方を自分で考えていくために役立つ様々な体験学習を実施しています。

そのひとつに地域の事業所で3日間行われる「職場体験学習」があります。

4月のある日、中学2年の学年主任が校長室に来て、「校長先生、職場体験に行く前に、社会人としてのマナーを生徒たちにしっかり伝えたいんです。良い講師をご存知ですか?」と相談されたんです。

そのとき、思い浮かんだのが佐野さんでした。

主に企業に接遇研修を行っている佐野さんに、中学2年生を対象にマナー研修を実施してもらうのは難しいだろうと思いましたが、生徒思いで熱心な学年主任からの相談事でしたし、佐野さんの講演が実現すれば生徒にとってどれだけ価値のある体験になるかと思ったので、思い切って依頼させていただきました。

快諾してくださって本当に嬉しかったです。

矛盾の無いコンテンツがやる気を引き出し、行動変容を起こす

教育現場において、プリサージュ社のような外部機関に講演を依頼する意義はどこにあると思いますか?

志賀

40年ほど教育現場にいてつくづく思うのが、子どもは多様ということです。

どんな場面でどんな言葉が心に響くのか、何がきっかけでやる気火が灯るのかは、生徒によって異なります。予測できないものであり、こちらが思う通りに子どもたちの心を動かすのは不可能です。

だからこそ私たちがすべきことは、できるだけ多様で質の良い選択肢を提示することだと思います。

それができれば、生徒たちは数々の選択肢を比較し、自分の特性と照らし合わせて、そのとき最適だと思えるものを自力で選ぶ経験を積み重ねることができるはずです。

質の良い多様な選択肢を用意することの困難さを考えたとき、佐野さんが行う講演会の意義深さが感じられると思います。

佐野さんの講演はどのような点が魅力だと思いますか?

志賀

生き方のヒントを体験を通して学ぶことで、やる気が出てきて、実際に行動が変わる点だと思います。

下記は「生き方講演会」実施後に発行した校長通信の一部です。生徒たちの行動が実際に変わったということがられています。

月曜日に生き方講演会を開催し、佐野様から目の前の職場体験はもちろん、日々の生活に生かせそうなこと、これからのき方に関わる内容を聞くことができました。

『自分の人生は自分で決める』という言葉が響いた生徒、教えていただいたお辞儀の角度や姿勢を意識して職員室に入ってくる生徒、『あいさつが相手との心の渡し合いとしての一歩』という言葉を姿で表現している生徒、この講演から学んだことを早速取り入れて行動に移している生徒の姿がたくさんられます

講演のなかに表情の話もあり、素敵な笑顔の生徒が増えたような気がします。

佐野さんの講演が生徒たちのやる気を引き出し、行動変容まで起こせるのは何故だと思いますか?

志賀

佐野さんの教えとこれまでの生き方が矛盾していないので、大いに納得できるのではないでしょうか。

「生き方講演会」は中学2年生が対象でしたが、佐野さんは元日本航空のCAということで、将来CAになりたいという中学3年生の女子生徒1名を講演会終了後に佐野さんに紹介させていただきました。

彼女は色々質問できたことが印象深かったようで、後日私との卒業会食のなかで、「佐野さんとお話をさせてもらったことのお礼と感想をまだ校長先生にきちんと伝えていなかったので、この場で伝えさせてください」と言って次のように続けました。

「佐野さんのお話される姿は、これまでの生き方に誇りを持っている様子でした」。佐野さんの言動が一致しているからこそ、彼女に響くものがあったのだと思います。

彼女は、佐野さんから「色々なことに興味をもって視野を広くした方がいいですよ」というアドバイスを受けたことで、CAの他にも、文章を書いたりプレゼンを行ったりする仕事にも関心を持つようになり、可能性の幅を広げているようでした。

これこそ「一流」に触れて得られる刺激だと思うので、改めて佐野さんに感謝をお伝えしたいです。

「一流」に触れる機会を中学生にも

志賀さんは「一流」に触れることをとても大切にしていらっしゃる印象です。

志賀

そうですね。実は、私の前任の校長も、そのまた前任の校長も一流に触れる機会を大事にしていたようです。

一番ではなく、一流を目指してほしいという思いが南部中学校に脈々と受け継がれているのかもしれません。

「一流」と「一番」の違いは何でしょうか?

志賀

一番は、一人だったり、一つだったりするかもしれません。一方、一流はきちんと努力を継続すれば皆が到達することができます。

以前、英語の先生から教えていただいたのですが、英語と日本語では最上級のニュアンスが異なるようです。

日本では、「最も」は「一番」だけを指すのが一般的ですが、英語の最上級は、必ずしも「一つ」を指すのではないため、one of the most beautiful things(最も美しいものの一つ)といった表現があります。

最も優れたものは一つだけではないという考え方は素敵だと思うので、生徒たちには自身の個性を尊重してその子なりの一流を目指して成長してほしいと思います。

佐野さんの講演会も、一流になるための様々なきっかけやチャンスのひとつとして作用したのですね。志賀さんにとって、佐野さんやプリサージュ社はどのような存在でしょうか?

志賀

言葉にするのは難しいのですが、動き出したくなる「何か」や、生き方のヒントを伝えてくださる素敵な存在です。

そんなプリサージュ社に今後期待していることがあればぜひ教えてください。

  • 志賀浩美さん
  • 佐野昭子さん

今回の南部中学校での研修で明らかになったと思いますが、義務教育後の進路を考え始めるタイミングにいる中学生にとってプリサージュさんの伝えてくれる内容は本当に貴重で有意義です。

プリサージュさんが注力する対象層は、大学生や社会人といった既に人生にある程度の見通しを持っている年代かと思いますが、今後は何十回のうちの1回でも構いませんので、どうか中学生にも一流に触れる機会を与えてほしい、というのが教育現場からの切なる願いです。

素直で柔軟でエネルギッシュな中学生たちとの触れ合いは、まさに原石を磨く体験です。まだ生き方を模索中の若い世代も、ぜひ視野に入れていただけると嬉しいです。今後のご活躍を楽しみにしております!

◎プロフィール
志賀 浩美(しが・ひろみ)
愛知県教育委員会 特別支援教育指導員(非常勤 令和3年度より)
昭和58年4月、小学校で教員生活をスタート。小中学校のほかに町教育委員会にも勤務。
平成30年度4月、南部中学校長に着任。令和3年3月、定年退職。
趣味は、ゴルフ、読書。

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ライター:

1991年東京生まれ。中央大学法律学部出身。卒業後は採用コンサルティング会社に所属。社員インタビュー取材やホームページライティングを中心に活動中。

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