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株式会社ワカ製作所

https://www.waka.co.jp/

〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-20-3  西新宿高木ビル6F

03(6635)5410(代表)

ワカ製作所は「いぶし銀に輝く、正直な会社」。修理からFAまでを担うアメックとの共存共栄

ステークホルダーVOICE 取引先
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 株式会社アメック代表取締役社長若林昭一さん
株式会社アメック 若林昭一社長(撮影:加藤俊)

部品加工から治工具の設計、双腕ロボットの導入支援までを手がける株式会社アメック

人手不足などを背景に盛り上がりを見せる最新鋭のFA装置を開発・製造する同社は、北アルプスの麓・長野県安曇野市の田園風景を臨むのどかな場所にある。

株式会社ワカ製作所とアメックの縁は、ワカ製作所が麻績工場の自動化(FA)を進めるにあたり、アメックに相談を持ちかけたことを機に始まった。

治工具を手がけ、修理に対応するうちに、今では「困った事があったらとりあえずアメック」というほどの関係性へと発展した。共存共栄を目指す両社の歩みと今後の展望について、アメックの代表取締役社長若林昭一さんに伺った。

設計から導入までワンストップで要望に応える

若林昭一さん

「当社のいちばんの強みは、対応力かもしれませんね」。株式会社アメック代表取締役社の若林昭一さんは、穏やかな表情で、しみじみとそう語る。

確かな加工技術をベースに、設計から製造までをワンストップでカバーできる同社の仕事は、そのスピード感と柔軟性、そして個々の要望を丁寧にすり合わせながら仕事を進める誠実さが業界で評判を呼び、今ではFA事業が5割以上を占めるほどに成長した。

「自分たちが収めた機械が不調なら、よほどのことがない限り、何がなんでも飛んでいきます。納期も『急いでほしい』と言われればできるだけ対応するように動きますし、普通だったら後ろ向きになるような案件も、話をお聞きして、できる限りご期待に応えるようにしています」

同社では、社長をはじめ、一人ひとりの社員が直接顧客のもとへ出向き、営業から受注、製造までをこなす。

「社員の皆もよくやってくれていると思います。お客さんのところに行って、ときには厳しいお言葉も受けながら、いろいろな仕事をいただいてきて、『本当にできるの!?』と思うような案件もしっかり対応してやり遂げてくれている。このようなプロ意識があるので、皆が同じ方向を向けているのかもしれませんね。ありがたいことに、この10年間で退職者はゼロ。これはちょっと自慢です(笑)」

製造業の現場で慢性化している課題が、人手不足だ。ときに危険も伴うモノづくりの現場では、安全性へのニーズも高まっている。

これらの課題に対する解決策のひとつとして、工場の自動化すなわち「ファクトリーオートメーション(FA)」が注目を集めている。中でも近年目覚ましい進化を遂げている機器が、人の両手を使った複雑な作業を要する工程に導入される「双腕ロボット」だ。

双腕ロボットは、2本のアームを駆使して人の手の動きをトレースし、単腕ロボットでは不可能だった複雑な作業の自動化を可能にしている。

中には、これまで人の目で判別していた作業をトレースできるカメラ付き双腕ロボットも登場しており、その性能は日進月歩で向上している。

しかしながら、双腕ロボットの導入には専門的な知識と複雑なティーチングが必要で、ロボットを購入しただけでは、工程の自動化を実現することは難しい。

そんな双腕ロボットの導入支援を、得意としているのがアメックである。同社は、北アルプスの麓に位置する風光明媚な長野県安曇野市の、田園風景を臨む一画に拠点を構え、治工具の加工からFA装置の開発、製造までを幅広く手がけている。

創業事業の加工事業では、金属のほかに非金属、樹脂などの素材を高い精度で加工し、FA事業では、FA装置、検査機、治具の設計から組み立てまでをトータルで請け負う。

中でもロボットを使った搬送装置やイメージセンシングによる検査装置を得意としており、難易度が高いといわれる双腕ロボットの導入支援を行ってきた実績を誇る。

ワカ製作所との最初の接点も、双腕ロボットの導入を見据えた相談がきっかけだった。

人の手を介した“昔ながら”の工程と最先端の技術が共存する麻績工場。イメージカラーは「いぶし銀」

―ワカ製作所の代表取締役社長若林佳之助さんからメッセージをいただいています。代読いたしますね。

株式会社アメック代表取締役社長若林昭一さんへ

  • 若林佳之助さん
  • 若林昭一さん

アメックさんは安曇野の会社であるものの、その技術力や知見、経験を生かした提案力もさることながら、チャレンジ精神のある素敵な会社です。

アメックさんの若林社長とは麻績工場の製造本部長を務める清水さんが若林さんの高校時代の同級生と知人であったところから知り合いました。

現在は、社内の設備やコネクタケーブルを作る際の自動化設備などの設計デザインをしていただいています。お仕事を依頼した際のスピード感や柔軟な対応力にはいつも本当に感謝しております。

若林社長には、日頃弊社とお付き合いいただいている中で、弊社をどのように見ているのか、何色に見えますか?率直な意見をお聞きしてみたいです。

というメッセージをいただいております。アメックさんにとってワカ製作所さんは何色に見えているのでしょうか?

若林

いぶし銀みたいな感じかな?キラキラピカピカというよりも、熟練の積み上げてきた匠の技や技術力、経験値が豊富。たぶん他の会社にはない要素をいっぱい持っているんでしょうね。

それと、お仕事させていただく中で感じるのは、「正直な会社だな」ということです。現状を包み隠さず話してくださいますし、やりたいことがあるとしたらその前段階からいろいろと話してくださいます。


正直なところ、お金と時間をかけさえすれば、ほとんどの工程の自動化は実現できます。

ただ、自動化を進めるにあたり、その仕事の価値を認めて費用をかけてくださるかどうか、双方の利益を考えてくださるかどうか、お客さんによってばらつきはあります。

その点、ワカ製作所さんは、当社も商売として成り立つようにといったところを考えてくださっている。そんな印象を持っています。共存共栄で発展していきたいという価値観は、当社も強く持っていますので、非常にありがたい存在です。

両社のつながりについてお聞かせください。

若林

実は私、生まれがワカ製作所さんの麻績工場のすぐ近くなんです。工場の近隣の中学校にも通学していて、当時からワカ製作所さんの存在はずっと知っていました。

ただ、本当につい最近まで、何をやっている会社さんなのかということは全然知らずじまいで、10年、15年ほど前に、お得意さんから、「通信関係の仕事などをやってるところだよ」、「信大と連携して衛星通信の凄いことをやってるみたいだね」といった話を耳にして、そんなイメージは抱いていました。

友人や知人のつてもあり接点ができましたが、私自身、やっぱり地元である麻績村に少しでも貢献したいという思いもあって、2018年頃からワカ製作所さんのお仕事を手がけるようになりました。

丁寧なすり合わせを経て要望に合った自動化をデザイン

アメックの双腕ロボット
アメックの双腕ロボット 提供:アメック

具体的には、どのようなお仕事で関わっているのですか?

若林

ワカ製作所さんで自動化を進めるにあたり、双腕ロボットを導入したいというお話を最初にご相談いただきました。量産する部分の仕事はロボットで自動化して、人の手が必要な部分は人が担えるよう、省力化を進めたいという考えをお聞きしました。

そこで、当社で実機を見ていただいたり、導入済みの仕事を見ていただいたりしたのですが、当初ワカ製作所さんが想定されていたものに、ロボットがまだ追い付いていなかった

。なのでロボットは一旦見送りになったのですが、「良かったら一度工場にいらしてください」と言っていただきました。

そんな流れで工場に伺った際に、治具の製造だったり、老朽化した治工具と既存の装置の修理だったり、ロボットとは違う部分についていろいろとご相談いただき、当社でできそうなところから徐々に対応させていただくようになりました。

治具の製造や装置の修理からお付き合いが始まったのですね。

若林

最初にいただいたお話は、樹脂の中心に穴径0.2mくらいの穴を開けられるものを作りたいというお仕事だったと記憶しています。確か、高度なコネクタを作るためということでしたね。

それから半年後くらいの段階で設計のお話もいただいて、「こんなことやりたいんだけど」、「じゃあ、こうしましょうか」という感じで進めていきました。

アメック

最近ではどのようなお仕事を手がけているのですか?

若林

自動化に関連する設備で最近作っているのは、部品を圧入していくような装置。

これまでは一生けん命ハンドプレスで打っていたような工程について、「この部品をここに組み込んで圧入したい」というような要望をいただきました。

自動化とまではいかないかもしれませんが、人力だけに頼っていた工程が難なくできるようになる、セットすれば機械が部品を圧入していってくれるという仕組みの装置です。

現在製造しているその装置だけでなく、毎回じっくりすり合わせをしながら設計していきます。

工場長から「こういうことがやりたい」という内容を伺い、実際に工場におじゃまして、現場を担当する女性もまじえていろいろお話をしながら、「ではこんな感じにしましょうか」というやり取りをしながら設計していきます。

最終的に製品ができた時点で当社で実機を見ていただいて、「ここはこういう風にしたい」というような修正点を反映しつつ、最終形に仕上げていくという流れです。

「困ったことがあればとりあえずアメック」

若林昭一さん

ワカ製作所さんは、アメックさんにとって、どのような存在なのでしょう?

若林

手がけておられる仕事の内容は、相当最先端なことをされていて、「すごい!」と思いながら見ています。

一方で、私が通常おじゃまする工場での作業工程、組み立てないし加工作業をされている工程を見る限りでは、ざっくばらんにいうと昔ながらの雰囲気があります。

ただやはり、手がけておられる製品がすごいので、職人さんの一人ひとりの意識レベルが相当違うのでしょうね。

新しい製品が立ち上がる際の治工具を作らせていただくこともそうですし、重労働の省力化や安全面の向上も今後はさらにお手伝いしていきたいです。ここ3、4年は、そういったお仕事が多い印象です。

今後はワカ製作所さんとどのような関係を築いていかれますか?

若林

当社が勝手にそう思っているだけかもしれませんが、今の関係性は、「困った事があったらとりあえずアメック」という感じでご活用いただいています。

それが私共もすごく嬉しい。「いい関係でいられている」と感じています。この先も、ワカ製作所さんが今後ますます前進されるためのお手伝いが出来れば、それが当社としても一番ありがたいことです。

ワカ製作所さんの飛躍の陰には御社のような頼れる存在が欠かせないのですね。これからも双方にとって共存共栄の関係を深めていかれると確信しています。本日はありがとうございました。

若林昭一さん

◎企業概要
・会社名 : 株式会社アメック
・創業:1995年9月
・代表取締役社長:若林昭一
・取締役会長:浅尾信行
・所在地:長野県安曇野市穂高有明2730番地3
・TEL:0263-81-5086
・FAX:0263-81-5087
・E-Mail:info@amec.nagano.jp
・HP:http://amec.nagano.jp/

◎プロフィール
若林昭一(わかばやし・しょういち) 株式会社アメック代表取締役社長。2016年 9月より現職。

ライター:

1985年生まれ。米国の大学で政治哲学を学び、帰国後大学院で法律を学ぶ。裁判所勤務を経て酒類担当記者に転身。酒蔵や醸造機器メーカーの現場取材、トップインタビューの機会に恵まれる。老舗企業の取り組みや地域貢献、製造業における女性活躍の現状について知り、気候危機、ジェンダー、地方の活力創出といった分野への関心を深める。企業の「想い」と人の「語り」の発信が、よりよい社会の推進力になると信じて、執筆を続けている。

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