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株式会社 まんがたり

https://www.mangatari.co.jp

〒101-0051東京都千代田区神田神保町1-6 神保町サンビルディング3F

次世代のマンガ家を育て、マンガで日本をアップデートする【株式会社まんがたり】

ステークホルダーVOICE 経営インタビュー
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株式会社まんがたり 前田雄太

マンガ家は食べていけない。そんなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。実際、約3%のトップマンガ家しか「マンガで食べていく」ことはできないのだと、株式会社まんがたりの前田さんは言います。そんな現状を変えるために立ち上げた会社で、作りたい未来とは?マンガ家への思い、そしてマンガの可能性について語っていただきました。

次世代のマンガ家が生活の基盤を築くため、広告マンガ事業を展開

−まずは企業概要を教えてください。

マンガ家芸能プロダクションとして2つの事業を運営しています。1つ目は広告マンガの事業。企業のサービスや事業の強み、思いなどを、マンガの特性であるストーリーを使って伝えていきます。事業の背景を詳細に理解していただくことができたり、まだ興味を持っていない潜在顧客であるお客さんに擬似体験していただくことで関心度を高めたりすることが可能です。営業・マーケティング支援ツール、人事の採用支援ツールとして使用していただくことが多くなっています。時にはマンガ動画としてYouTubeなど動画プラットフォームにて配信することもあります。

2つ目は、一般のマンガを楽しみたい消費者向けにオリジナルマンガを制作しています。出版社からの依頼を受け、マンガの納品までを請け負っています。広告マンガと商業マンガの2つの事業でマンガ家として契約している方が5名、案件毎に相談させていただくマンガ家さんが10〜20名ほどいらっしゃいます。私自身がTwitterで情報発信しているため、そこからご相談いただくことが多いです。

−起業まではどのようなキャリアを歩まれていたのでしょうか?

元々はスタートアップ企業である株式会社ワークスアプリケーションズにてエンジニアとして働いていました。エンジニア志望だったわけではないのですが、社長が新卒の説明会で「高度成長経済が終わった今の世の中、大企業に入るかどうかではなく問題解決能力を持てるかどうかが個人の安定に繋がる」と話していたのが印象的だったんです。新人に裁量の高い案件を与え、失敗を許容し、プロセス主義で評価する。0から1を創る仕事をしたいなら来て欲しいと言われ、関心を持ちました。30歳になったら会社を辞めて世の中の課題を解決する会社を起業しろと言われていた文化だったので、30歳になったら自然と起業を考えるようになりました。

−株式会社まんがたり起業に至った経緯を教えてください。

元々はただのマンガ好きだったのですが、ワークスアプリケーションズ在籍中の4年前にマンガ家の卵の方と会う機会があったんです。色々とお話を伺っていくうちに、トップ3%のマンガ家しか食べていけないシビアな世界であることを聞き、大変驚きました。その後株式会社OKANに転職し新規事業を担当しながら、週末起業で様々なマンガ家さんにお話を聞いていきました。既存のマンガビジネスの売り上げは横ばい状態で、読者の財布は増えていません。マンガアプリなどが増えている中で、1人あたりのマンガ家の売り上げは減っていくケースも多いとマンガ家さんから聞いています。マンガ家として新しいマネタイズモデルを創る必要があると考え、広告マンガ事業に目をつけました。そのため、弊社では「次世代のマンガ家の活躍する場を創る」ことと、「日本のアップデートをマンガで加速させる」ことをビジョンとしています。

「002:マンガ家はトップ3%しか食えてない!?マンガ家がマンガを描くことだけに集中できる環境を – まんがたり – |Foolish

−今会社で最も力を入れていることは何でしょうか?

どうやったらマンガを世の中に出せるかを理解することです。広告マンガだけでなく連載の事業を受けているのは、自分たちで0からマンガをお客様に届ける能力を持つことが目的。そしてそれは凄まじく難しいことなのです。企画を考え、アサインやチーム構成を行い、スケジュールや作成した漫画の管理、インターネット公開できる特別な書式への変換などやることはたくさんあります。更に、表紙や目次、タイトルは別の人が作る必要があるのです。プロジェクトコントロールを継続的にやっていく必要がある。外の業界からきた人間だからこそ、きちんと業務を紐解き見える化し、マンガ家に良い環境を提供できるようにしていきたいと考えています。

−会社としての今後のビジョンを教えてください。

最終的にはマンガ雑誌を作り、マンガ家にとって現在の連載とは違う形の連載の場所を作れたら面白いと考えています。マンガ家には作りたいものがあってこそ、シビアな世界でもマンガ家になる覚悟を決めてやっている。広告マンガで生活の基盤を固めながらも、半年で500万を稼いで残りの半年でオリジナル創作をするような世界観を目指しています。最終的にはオリジナルマンガの連載を載せる雑誌を作り、「週刊少年ジャンプ」に勝負しに行けたらいいですね。

 

世の中にまだ知られていない良いサービスに、マンガで光を当てたい

−ここからはステークホルダーに対する思いについて教えてください。

お客様との向き合い方
株式会社ワールドエッグス 取締役・星川さんへ

 

通常の広告マンガは商品紹介で終わってしまうものが多いですが、株式会社ワールドエッグスさんとはマンガとして面白く読める上で商品を取り扱う「オリジナルストーリー広告マンガ」を制作しています。株式会社ワールドエッグスさんはペダルやチェーンのないキッズバイク・ランバイクのレースを主催しています。2歳からできるため子供の身体作りの礎になれるスポーツで、最大では時速20-30km出る迫力あるレースです。ランバイクはコーチではなくお父さんがバイクを改造するなど家族でチャレンジしていく最後のスポーツであり、家族の絆も育める素敵なスポーツ。星川さんのそんな熱い思いを聞いて、マンガを通して一緒にチームとして携わらせてもらえることを本当に感謝しています。

社員・家族との向き合い方
マンガ家 伊佐坂みつほさんへ

 

伊佐坂さんはまんがたりの1人目のマンガ家さんで、マンガ業界の人向けのイベントで3年前にお会いしました。週末起業を始めていた頃で、マンガ家さんの課題に悩みながらも自分に何ができるか分からず、五里霧中の状態でした。そんな時に伊佐坂さんが「前田さんと何か一緒にやりたい」と言ってくれたのです。自分の存在がマンガ業界に必要とされているのか疑問や不安があった中で、マンガ家さんからそう言っていただいたことは大きな自信と力になりました。伊佐坂さんの存在がなかったら、今の会社・状況はなかったと思います。改めて、強く感謝しています。どんなところにいつから、面白さを感じてくれたのか聞いてみたいですね

現代美術家 岸本学さんへ

 

岸本さんは初めて業務委託で入ってくれたデザイナーさんです。まだ会社の形ができる前から色々と助けてくれ、デザイン以外の相談も乗ってくれました。ただ「面白いと思うから」という理由で、もっと稼げるところを格安でも良いから関わらせて欲しいと言ってくれたことが嬉しかったです。今も面白いですか?と聞いてみたいです。

取引先との向き合い方
株式会社クロコダイル 田中さんへ

 

声優事務所である株式会社クロコダイルの田中さんは、本当によくしていただいています。YouTubeなどのマンガ動画における声優面の協力をしていただいているのですが、本当に親身になってサポートしたりアクションしたりしてくれるんです。本当に素晴らしい方だと感じています。ちゃんとお役立ちできているか、聞いてみたいです。

地域社会との向き合い方
地球

外務省の案件で、海外渡航前の安全講習のマンガ動画の制作をしたことがあります。マンガというツールを使うことで少しでもトラブルを減らし、安全な渡航に寄与できればと思っています。そういった世の中を良くしていくことにマンガがツールとして役立つのは嬉しいです。

未来世代との向き合い方
未来世代へ

日本国内・海外含め、マンガを通して相互理解を深めていきたいです。相互理解をするには、相手の前提や文化を知っていくことが必要です。例えば先日は女子フットサルのプロスポーツチームを運営している会社からご依頼をいただきました。まだマイナーなスポーツながら、チーム力や頭脳プレーが問われるとても面白いスポーツです。世の中の魅力的なことを、マンガを通して知ってもらえる。そんな世界を新しい世代の人たちと作っていきたいですね。最終的にはインハウスマンガ家という職業を作ることで、世の中の良いことを加速していくツールにマンガがなれたらと思っています。

 

<プロフィール>

前田雄太

株式会社ワークスアプリケーションズにてエンジニアとして務めた後、2019年8月に株式会社OKANに転職し独立。勤務しながら週末起業家としてマンガ家のビジネスモデルを模索。2020年1月にマンガ家芸能プロダクション:株式会社まんがたりを起業。

 

<企業概要>

株式会社まんがたり

代表取締役CEO 前田雄太

東京都千代田区神田神保町1-6神保町サンビルディング3F

https://www.mangatari-comictalk.com/

 

<ライター>

齋藤優里花

リクルートコミュニケーションズにて結婚情報誌ゼクシィのディレクターを約3年半務めたのち独立。メディア、HP、紙媒体など幅広いジャンルにてディレクター・ライター業を請け負う。演劇メディア「Audience」の編集長も務める。

 

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