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ユーラシア・トレーディング株式会社

http://www.eurasiatrading.co.jp/

〒135-0034 東京都江東区永代 1-10-11

03-6458-8626

ユーラシア・トレーディング株式会社レナート・ボーレン|ビール王国ベルギーが誇る文化を日本に伝えたい

ステークホルダーVOICE 経営インタビュー
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ユーラシア・トレーディング株式会社レナート・ボーレン|ビール王国ベルギー

ビール王国ベルギーでは、醸造所や銘柄によって原料や醸造方法が異なり、その味わいは多彩です。銘柄ごとに専用グラスやコースターが醸造所によってデザインされるほどの独創性も魅力です。ベルギービールは、まさに「文化」なのです。そんな世界に誇るベルギービールを日本でも気軽に楽しんで欲しいと、ベルギーと日本の橋渡し約として活躍されているユーラシア・トレーディング社代表のレナート・ボーレン氏にお話と想いを伺いました。

コロナ禍を乗り越え、ベルギービールを提供

──まず、御社の事業内容を教えてください。

弊社、ユーラシア・トレーディング株式会社は11年前の2010年に設立しました。設立したきっかけは、ベルギーで生産される多様性に富んだビールをお手ごろな価格で提供したいと考えた事です。

まず、「PRIMUS」で有名なベルギーで3番目に大きな老舗ビール会社「ハーヒト(Haacht)醸造所」と独占契約を結びました。その後、2番目に大きいビールメーカーさん、より小さなビールメーカーさんとも契約してきました。様々な小売店さん、飲食店さんなどに直接販売したり、問屋さんを経由してお届けしています。

多様なベルギービールの種類

多様なベルギービールや個性的なカクテルを取り扱う

現在ではベルギービールだけでなく、タイの国内シェアナンバーワンのビールの独占販売権をいただいたり、フィンランドの、ご購入いただいた後そのまま飲める、缶や瓶入りのレディ・トゥ・ドリンクのカクテルなども扱っており、日本全国北海道から沖縄まで販売しております。日本に訪れた海外旅行客の方に向けのレストランも4件運営し、イベント事業では大型のイベントに参加しています。

少人数でできるだけたくさんのいいものを提供できるようにして、ベルギーの文化と日本の文化を結び付けられるようにしています。

──新型コロナウイルスの影響はどのような状況なのでしょうか?

昨年、今年と続いて大変な状況になっています。昨年開催したイベント1件ですが、大成功で終わり、コロナウイルスへの感染もなかったのでよかったですね。直近ではベルギービールウィークエンドという大きなイベントが6月17日~20日に開催される予定でしたが、緊急事態宣言の延長に伴い開催が延期されました。

海外と比べると日本のワクチン接種が遅いという背景はあり、接種が進んでいる国の情勢を見ると、コロナ禍以前のような生活を取り戻しつつあるので、希望をもって、イベントの開催が決定しましたら、すぐにイベントに参加できるように常に準備をしています。

小売店の方々もいつもより多めに商品をご購入いただくなど、お客様のありがたいサポートを受けてこのような難しい時期を乗り越えてこられました。普通の生活に戻ったらどれだけ仕事が楽しくなるかな、と期待していますし、お客様との絆もより深くなったと考えています。

──コロナ禍は大変ですが、難しい状況の中でお客様とより深く繋がられたのですね。

本当にありがたいことです。緊急事態宣言を受けて、イベントの中止や飲食店での酒類の提供の中止など、弊社の状況が大変だという事をスーパーマーケットなどの小売店のお客様がご理解くださりました。そういったお客様たちが、弊社の商品をお気に入り頂いていることもあって、先ほど述べたように困っていた部分を助けていただきました。

取り扱う商品は「文化」~私たちの事業に対する想い

──ボーレンさんは、ベルギーのビールや文化と日本の交流を深めていこうと思ったはなぜですか?

私は前職で金融系のベンチャー企業でディーラーを行っていました。その際に同僚や経営者の方に、「あなたは将来会社を経営した方がいいよ」と言っていただくことが多かったんです。ただ、弊社を設立する半年ほど前まではどのような企業を経営するか、どのような事業を展開するかイメージを全く持つことができませんでした。私は日本人が好きで、日本人に恩返ししたいと思っていましたが、当時働いていた金融系の仕事は、私自身もお客様も利益や数字を突き詰めていく仕事でしたから、気持ちの入りにくさを感じていました。

そんな時、たまたまスーパーマーケットでベルギービールを見かける機会があったのですが、その値段の高さにびっくりしたんです。正直に申し上げれば、私だったらこの値段だったら買わないな、と(笑)。買う人がかわいそうだなと思ったんです。

スーパーでビールと一緒に売られている専用グラス

ビール王国のベルギーでは、銘柄専用コースターと専用グラスで飲むのが一般的。スーパーでビールと一緒に売られているほど

日本のビールもおいしいですし、この金額を払うのであれば日本のビールを飲みたいと思うのではないか、と。そこで何故高額になっているのかを調べ、日本の酒税がベルギーと比べて高額である背景は見えてきました。ただ、そういった中でももっと安価にベルギービールを提供できると思えたんです。

金融の仕事ももちろん楽しかったのですが、これからは違う仕事をやりたいな、と考えていましたし、ある意味での異文化交流と言えますが、自分の国の文化を紹介しながら楽しい仕事が出来ればいいな、と考えて弊社を設立しました。

実際に仕事を始めてみて、お酒の業界や、ビールを扱う人は本当に楽しい人たちばかりで、何も知らずにこの業界に飛び込んだのですが、丁寧に様々なことを教えてくださいました。

「良い商品を、手ごろなお値段で」と仕事を始めたら、1年も経つと大手のスーパーマーケットや各地に卸す事が出来るようになりました。大手の問屋さんにはほとんど取引口座ができました。皆さん「良い商品を、手ごろなお値段で」という体制を待ち望まれていたので、弊社をすんなりと受け入れていただのではないかと思います。

──今までとは全く別業界への転身という事でしたが、一からお客様を開拓されていったのですか?

そうです。弊社の従業員は未経験の若い社員が多く、皆で勉強しながら切磋琢磨したり、取引先の経験豊富な方からご指導を受けながら、なんとかこの業界の一員となることが出来ました。

設立当初、まだお客様がついていなかったのですが、まずベルギービールを1コンテナ輸入しました。カバンにベルギービールを1ダースずつ入れて、取り扱いをしていただけそうなお客様のもとに飛び込みで営業をかけていきました。大変でしたが、その結果、1コンテナのビールは1本も廃棄することもなく販売することができました。

今でもそういった地道な努力は続けています。経費を少しでも節約したり、初心を忘れずにやってきたので、今後も続けていきます。そういった時期や経験があったからこそ、現在のコロナ禍という難しい時期も乗り越えられたのだと思っています。

日本輸出大賞の受賞マーク

日本輸出大賞 BLCCJ_NEA_logo_2017_2018を受賞

ボーレン氏のステークホルダーへの想い

―では、これまでお世話になった方々やステークホルダーとの繋がりをお聞かせ下さい。

お客さまへの感謝

お客様との向き合い方

都内の駅前であれば見かけることの多い高級スーパーマーケットさんや、私たちと同じ「質が高い物を、お手ごろな価格で提供する」気持ちで商品を販売している、都内に複数店舗を展開されているリカーマウンテンさん、大きなところで言えばイオンさんの系列のスーパーマーケットさんが一番評価していただいているかな、と思っています。
 
輸入品のお酒は国産のお酒に比べて利益率が高いものの、回転率が低いんです。そこで勿論お互いの利益率などを突き詰めての価格設定にはなりますが、消費者の方が手に取っていただきやすく、更にもう一度商品を手に取っていただけるリピーターとなっていただけるような販売の工夫をしています。
私は21年間日本におりますので、日本人に合うものですとか、日本人の感覚に則るとどのようなものが良いのかが解るという点が強みです。もちろん自分自身で勉強もしましたが、そういった観点から、お客様に「このような商品が良いのではないか」と提案しますと、「ボーレンさんが言ったのであれば当たりそうですね」と信頼していただいております。逆に、私が提案した商品の売れ行きが芳しくない時などは、しっかりと責任をもって「この商品は売れ行きが良くないので、販売を中止しましょう」といった提案もしております。
 
やはりお客様の事を第一に考えて仕事をしていかなければならないですし、「この難しい情勢も笑って乗り越えていこう」と言っていただけて、今日までたどり着くことができました。

リカーマウンテンさんへ

いつも担当していただいている方々に感謝を伝えたいです。商品の知識も豊富で、何よりも私たちと同じ「良い商品をお手ごろな価格で提供し、お客様に飲んでいただいて喜んでもらう」という考えのもとで商品についてお話しできます。
今までに取り扱いのなかった商品の中で、新たな良い商品が見つかったときの喜びや興奮を共有できていますし、お互いにフェアな立場で一緒にお仕事をさせていただいています。いかにお互いにとって良い結果を出せるかを考えていただいておりますし、それこそ喜びを共有できる方々なので、私自身も気合を入れています。お互いのパフォーマンスや、モチベーションを上げながらお仕事をすることが出来ているので、本当に感謝しております。取引先というより「仲間」という認識ですね。

 

社員・家族との向き合い方
社員への感謝

先程もお話ししましたが、弊社は設立当初はお客様も一人もおらず、お酒の業界に関する知識もないゼロからの状態でスタートしました。そんな中で、設立3か月ほどで入社をしてくれて、それ以来ずっと一緒に仕事を行ってきた社員の方に感謝を伝えたい。
 
文字通りゼロからのスタートでしたから、様々な事を勉強する必要がありました。例えば商品や業界に関して、例えば食品表記、お酒に関する法律の問題、請求関係や納品関係などを勉強しながら、一緒に会社を作り上げてきました。私は前職の経験もあり営業マンとして強い部分はありましたが、私が経験していない業務の多くを社員の皆がカバーしてくれて本当に助かります。もう10年以上一緒に仕事をしてくれています。当社の社員でないとこの会社をここまでにすることはできませんでしたので、これからもよろしくお願いします。

取引先との向き合い方
有限会社中井レストラン企画さんへ

大阪でビールをメインとした飲食店を経営されている、中井レストラン企画さんに感謝の言葉を伝えたいですね。梅田で天満橋で「ドルフィンズ」というベルギービール専門店、天満橋で焼き鳥の「なかい」というお店を運営していらっしゃいます。弊社の設立直後からお付き合いがありますので、もう10年来のお付き合いになります。
 
私たちは年に2回、FOODEX JAPANとスーパーマーケット・トレードショーという大きな展示会には参加しており、他にもベルギービールに関するフェスティバルやイベントでも様々な企業様と交流させていただいております。
 
中井社長とは交流を深める中で、取引先という枠を超えてお友達としてお付き合いさせていただいております。中井社長はベルギービールでのお取引に限らず、経営者としての大先輩です。従業員の管理から、商売としての一般的な知識まで教えていただいているので、いつも勉強させていただいています。

──中井社長はボーレンさんにとっての経営者としての先生のような方なのですね。

まさしくその通りです(笑)。中井社長は大阪において、中小企業の団体において講師として活躍されている方なので、取引先という枠を超えて様々な事を勉強させていただいております。そういった点でも本当に感謝しています。

地域社会との向き合い方
地域社会との繋がり

商工会のメンバーはコロナ禍の中でも、融資等の相談や展示会のサポートをしていただいていますので非常に感謝しております。弊社は江東区に事業所がありますが、地域でのイベントの際には出席しておりましたので、そういった部分でも繋がりを持てていることがうれしいです。
 
他にはベルギー、タイの大使館さんとはよく関りがありますね。ちょうど先程大阪にあるタイの領事館から、以前にタイ文化のオンラインフェスティバルの際に、ビールを提供したのですが、その件に関しての感謝状が届いたんですよ(笑)。
 
日本は検査機関や保健所などでも質問すればあらゆる情報を丁寧に教えてくださるので、そういったサポートに関して感謝していますね。日本はルールがしっかり定められており、厳しいと思うことはありますが、そのルールが正しいとは私たちも感じています。そういった方たちも、常に寄り添ってお仕事をしてくださっているな、と感じています。

東日本銀行さんへ

東日本銀行さんですね。大手銀行さんなのですが、1年半ほど前から担当してくださっている現在の担当の方が、本当に事業の内容を解ってくれています。様々な手続きの際に、いつもベストな提案をしてくださって、様々な方面で動いてくださるんです。心から私たちの事を考えてお仕事をしてくださっていると感じるので、感謝しています。
 
コロナ禍の中で、経営者の立場ですと不安を覚えることはありますが、そんな中でもサポートをしてくださるので、おかげさまで私も仕事を安心してできる、と感じています。

株主への感謝

弊社の株主に荒木さんという元銀行員の方がいらっしゃるのですが、経営や不動産に関する知識を持っている方で、困ったときにはアドバイスを頂いています。荒木さんは弊社を設立する際に出資を頂いており、本当に長い付き合いになっていますので、感謝しています。

未来への展望

──SDGs等の未来を良くする取り組みですとか、未来の展望があればお聞かせください。

正直に申し上げますと、SDGsという言葉を知ったのは最近のことです。ただ、知らず知らずのうちにSDGsに当てはまるような取り組みを行っていたように思います。無駄なエネルギーは使わない、自動車はなるべくハイブリッドを使用するといった事は心がけています。昔から「資源を大切にする」という事は当たり前の事でしたから、そういった事を継続しています。

展望としましては、やはり従業員の方を安定して雇用することです。そして仕事をしながらも従業員の方に勉強してもらう事です。まずは目の前にコロナ禍がありますから、それを乗り越えることに注力していきます。その後は安心して長く働いてもらえること。弊社で扱っている商品はベルギービール、いわば文化です。気持ちも凄く入った商品を扱っているので、自信のある商品を売っていくことを考えています。

社会貢献といった面では、ベルギービールウィークエンドというイベントに積極的に参加していますので、今後も積極的に参加していきたいです。3,4年ほど前までは韓国・タイでもベルギービールを販売していました。今後は日本以外の国でも、ベルギービールという私の国が誇る文化を広めていきたいですね。

──ボーレンさんのベルギーへの誇り、日本への感謝の気持ちが大変伝わってまいりました。本日はありがとうございました!

<企業概要>

会社名   ユーラシア・トレーディング株式会社

代表者名 レナート・ボーレン

企業HP http://www.eurasiatrading.co.jp/

所在地   〒135-0034

東京都江東区永代1-10-11

設立       2010年04月14日

創業       2010年04月14日

資本金   900万円

従業員数 5~10人未満

業種 食料品

事業内容 主にベルギーからビールを輸入、流通、販売

※ベルギービール「PRIMUS」「Tongerlo」「Charles Quint」「Mystic」正規輸入代理店

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ライター:

東京都出身の音楽家。こちらはライターとしての世を忍ぶ仮のペンネーム。平易な言葉で情緒的な文章を書く。対象の思いを汲み取り、寄り添うことを重視。少年期より難病を持ち、弱者への眼差しが裏テーマ。自分の頭や心を使って、形のない美しさや優しさを世の中にひとつずつ増やしたい。書きもののほか、BGM、テーマソング、賑やかし、癒やしなど、音楽全般も承り〼。

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