―最優秀賞の受賞おめでとうございます。現在の率直な感想をお聞かせください。
この志プレゼンテーション大会は以前から憧れていた大会で、実際に昨年本大会を拝見させていただいた際に、ファイナリストの方の熱いプレゼンテーションに心を動かされ、自分も挑戦したいと思いました。自分の将来に向き合うきっかけにもなったので、見てくださる方の心を動かすことができたり、なにか志を持ってもらうきっかけになればと思って参加させていただきました。終わったあとに、「自分の将来の夢や抱負を考えるきっかけになりました」などの感想をいただき、今回参加して本当に良かったなと思います。また最優秀賞もいただき、多くの方々に感謝しています。
―大会を通じて成長できたことや自分の中での気づきなどはありますか?
私の以前の志というのは、「夢を与える」という部分で止まっていたのですが、今大会に参加することを決めてから、「志」という言葉について考えることから始めました。そうすると「夢」と「志」の違いを自分の中で考え直して理解することができ、志と向き合うことができました。今まで夢止まりだったことを、社会や人のために向き合っていくという考え方ができるようになったことに成長したなと感じています。夢を与える、環境をつくるというところで止まっていたところから、5W1H(いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように)のように、具体的にどんな行動をしていくかということを考えるきっかけにもなりました。さらに自分の行動を明確にするために、今後の方向性についても細かく考えられるようになりました。
―ここまでの道のりでたくさんのサポートがあったと思いますが、感謝を伝えたい人は?
志プレゼンテーション大会の運営サポートメンバーの方々には大会前日の夜遅くまでプレゼンテーションの練習相手をしてくださったり、アドバイスをいただいたことは大きかったですね。最初、プレゼン用に構成を考えた原稿を作っていたのですが、最後の最後に運営サポートの方から、原稿を読むのではなく、自分の言葉で自分の思ったとおりにプレゼンテーションするのがいいんじゃないかとご提案いただき、じゃ一回原稿なしでやってみようとなったんです。やってみると、自分の感情で話すプレゼンテーションができたので、本番では原稿を見ずに行いました。自分が思ったこと、訴えたいこと、主張を軸にプレゼンテーションできたということも賞をいただけたことに結びついたのではないかと思っています。また、私の人生を変えてくれた異国の子どもたちをはじめ、そういった場所に連れて行ってくれたり、携わってくださった大人の方々にも感謝しています。
―将来は国際社会で働きたいとのことですが、日本への問題意識などはありますか?
まずそもそも、私の視点がなぜ海外なのか?ということですが、日本は最低限の教育を受けられるなど社会制度がしっかりしていて、生きるための選択肢もいろいろあります。一方、途上国は「夢」すら知らない、持てないという、最低水準以下の生活をしている人々がいるというところから、そういった問題解決をしたいということで、日本ではなく海外、途上国に拠点を置いて考えていきたいなと思っています。日本は、たとえば職業ひとつとってもたくさんあり、私自身も「国際社会で働きたい」「夢を与える人になりたい」という曖昧な感じで具体的になりたい職業は決まっていません。今回の志プレゼンテーション大会に参加して、開発コンサルタントや社会イノベーションを起こすなど、ぼんやりながらも見えてきたように思っています。私は今回のような機会を与えられましたが、日本の若者の一人ひとりに「自分はこうしたい」と考えることのできる場や情報が足りないのではと感じています。
―社会へどんな影響を与えていきたいですか?
職業や志、夢を持つことが100%良いことかと言われるとそうではないとも思っています。今、夢を持たなければいけない、夢を持たない自分に危機感を抱いている人が、周りにも同級生にもけっこう多いんです。それはその人をとりまく環境も影響していると思っているので、自分の好きなこと、熱心になれること、頑張っていきたいことを見つけられる環境をつくることが、今後発展していく社会につながるのではないかと思っています。
―将来の夢、今後の抱負について教えてください。
将来の職業はまだ決めていません。どういうふうになりたいのかを具体化していくことが、志の実現につながるのではと思っているので、直近の抱負・目標としては、今はそのための情報収集が第一ではないかと考えています。また、学生のうちに、社会イノベーション事業に携わっていくことも、自分の経験になるのではないかなと思っています。