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株式会社フクナガエンジニアリング

https://www.ecosoft.co.jp/

大阪府大阪市城東区鴫野西5-13-30

【課題の公開討論3】モヤモヤ感をスッキリ・フクナガエンジニアリング経営陣とマネージャー陣の激論座談会

ステークホルダーVOICE 社員・家族
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取材は、フクナガエンジニアリングの会議室で行われました。

今回の座談会は、社長を含めた経営陣とマネージャーが勢揃いしています。

今回の座談会を通して、今まで社内で不透明だった課題を浮き彫りにし「会社をより良い方向に進めていけるのではないか?」と思いました。

今まで見えていなかった、経営層とマネージャー陣の間にある大きな溝が判明した討論会です。軽食をとりながら行ったこともあり、ざっくばらんに率直な意見が飛び交いました。

「すべてを社外にオープンにした上で、改革を実施していきたい!」というフクナガエンジニアリングのまっすぐな強い想いを受け、ここに座談会の内容を記載します。

「この先10年20年と、社員が安心して所属してくれる会社経営をしたい!」という中小企業は、ぜひ参考にしてください。

(このレポートは2022年12月時点の現在地を記したものです。ここから会社がよくなっていく過程を記録していきます!)

フクナガエンジニアリング 本社外観

フクナガエンジニアリングの福永政弘社長は、ミッション(企業が社会に対してなすべきこと)・ビジョン(企業・組織が目指すあるべき姿)・バリュー(企業・組織の構成員が具体的にやるべきこと)やミッション経営(社会貢献を意識した経営)の社内浸透を強く願っています。

なぜなら、フクナガエンジニアリングがこの先10年・20年存続していくために、必要な考え方だと福永社長は感じているからです。

福永社長は「従来のQCD(品質・価格・納期)を意識するだけでは、今後10年も会社が持たないだろう。」と痛感しています。そこで今回はフクナガエンジニアリングの社員が、自社改革についての課題を討論する座談会の内容を記載します。

座談会はシリーズ化しており、今回が第3弾です。前回は山﨑正喜さん、植木満さん、Thuy Tran Hongさん、近藤正史さんといった、マネージャー陣のメンバーだけで座談会を行いました。

しかし今回は、経営陣も含めた以下のメンバーが出席しております。今回の座談会は「会社に対するモヤモヤ感をスッキリする」という目的です。

■フクナガエンジニアリング 経営陣
・福永社長
・乾取締役
・野村取締役
・古川取締役
■フクナガエンジニアリング マネージャー陣
・山崎さん
・植木さん
・THUYさん
・近藤さん
・安東さん
・杜氏さん

フクナガの4つの課題

加藤

現在の大きな目標である、ミッション・ビジョン・バリューやミッション経営の社内浸透を進めていく上で、フクナガの課題を教えてください。

どのようなことで悩んでいて目標に近づけていないのでしょうか。課題を明確にした上で、解決に向けた具体的な動きを計画していきたいと思います。

課題1 社員が長続きせず辞めてしまう

杜氏

入社した社員が、短期間で辞めてしまうことが課題の1つです。よって、掲げたビジョンが浸透する前に社員が会社を去ってしまいます。

フクナガには社歴が3年〜5年の社員が、ほとんどいません。リーダークラスの社員と、それ以外の状態になっており、中間のサブリーダーがいない状態です。

加藤

社員が長続きしない理由は、どんなものがありますか?

安東

考えられる理由としては、以下の3つがあります。

・給与の問題
・社員同士の信頼関係の問題
・採用方針や育成方針と現実のギャップ

1つ目の給与面では、結婚や子育てを考えた時に「フクナガの給与では将来が不安だな・・・」と考えて、転職を視野に入れる社員がいます。

中小企業ということもあって、他に給与が高い会社は日本にたくさんありますからね。

また、社員同士の信頼関係が構築できていないために、会社を辞めてしまう人もいます。

「経営層は会社経営に関してマネージャー陣に色んなことを求めてくるけど、肝心の経営層の人達は何もやっていないじゃないか!」という意見が出ているのです。

経営層とマネージャー陣だけでなく、会社のメンバー全員の信頼関係が築けていない気がします。

加藤

なるほど。最後の、採用方針や育成方針と現実のギャップについて教えてください。

野村

フクナガの採用方針や育成方針として「思いが強い人」を優遇しています。頭が良かったり、前職で大きな結果を出している人よりも、思いが強い人にフクナガで活躍してほしいのです。

「フクナガで何か成果を出したい!」「フクナガが掲げているビジョンに乗っかって仕事をしたい!」という人を採用し、スキルを伸ばしてほしいと考えています。

しかし、思いが強い人が入ってきても、現実のフクナガは掲げているビジョン通りの経営ができておりません。

よって、思い描いていた理想と現実のギャップにがっかりしてしまい、2〜3年以内に会社を辞めてしまうのです。

加藤

上記3つの問題解決方法として、どのようなことが挙げられますか?

山崎

まずは評価制度を見直して、働きぶりに見合った給与を支給したいです。

例えば「どこまで仕事をこなせば、どの程度の給与や賞与が出る」といった社員全員が理解できる基準を作りたいです。そうすれば、給与の問題は解決すると考えています。

また、経営陣やマネージャー陣とのギャップを埋めることも必要です。

フクナガの社員全員が同じ方向を向いていれば、信頼関係は今よりも構築できると考えています。会社のやりたいビジョンや目標を、社員全員に理解してもらえている状態にしたいです。

人員安定に関する課題はまだまだ山積みなので、今よりも話し合いやコミュニケーションの場が必要だと感じています。

課題2 コミュニケーション不足

課題の洗い出し。
植木

フクナガの社員同士で、コミュニケーションが不足していることも課題の1つではないかと思います。

今参加しているメンバーである、経営陣とマネージャー陣の間にも溝があるはずです。よって、経営陣とマネージャー陣の役割が明確化されていないと思います。

加藤

なるほど。社員のコミュニケーション不足の要因は、何だと考えられますか?

植木

問題解決の場が少ないことが、大きな要因だと思います。コロナ禍になって、物理的なコミュニケーションが取りにくくなりました。

テレワークが普及し、会社に出社するグループと出社しないグループがはっきりしたため、思い立った時に話し合いができないような状況が続いております。

さらに、マネージャー陣から経営陣に意見を言いにくいと感じています。

一緒に食事をすることも少ないので、我々マネージャー陣に言い出す機会がありません。そもそも、マネージャー陣から経営陣に意見しにくい環境であると思っています。

加藤

経営陣に意見を言うのは、自身のキャリアを気にする人であれば余計に難しいでしょうね。コミュニケーション不足によって、フクナガ内で認識のズレも発生しているように思います。

「ミッション・ビジョン・バリューや、ミッション経営とはどういうことなのか?」の捉え方が、私が話を聞いてきた社員によってそれぞれ違うのです。

人間だから当然だと思います。しかし経営陣やマネージャー陣同士でも、社内目標に対する認識が異なります。要するに、フクナガで一致団結できていないのです。

加藤

コミュニケーション不足の解消は、どのようにして行うべきでしょうか?

福永

コミュニケーションを図る場を、最低でも月に1回は確保するべきだと思います。見えていなかった問題が浮き彫りになりますし、解決するための筋道が見えてくるはずです。

オンラインでもいいですが、できればオフラインで話し合いの場を設けたいですね。どんなことでもいいから、少しでも面直で話し合うことに意味があると思います。

加藤

また、レイヤーを気にせず、どんどんでしゃばっていいと思います。「会社を良くしたいんだ!」という思いがあれば、積極的に議論に参加し、気になるところは遠慮なく指摘していくと良いですね。

課題3 設定した目標や計画が、社員に浸透していない

THUY

フクナガの、事業計画や中期計画が理解できておりません。モノ売りからコト売りに切り替える計画や、探索と深化はどのように進めていくのかもわかっていない状態です。

フクナガの将来的な方向性が、定まっていないように思います。
経営層は来年以降のわかりやすい事業計画を作り、マネージャー陣や他の社員に示して欲しいです。

古川

経営陣とマネージャー陣で一緒に目標や計画を立てたつもりでしたが、このような話になってしまうのか・・・。

目標設定であったり、行動計画を作った上で、一丸になってプロセスを踏んできたと思っています。わからないことや不満があるなら、すぐに言って欲しかったです。

加藤

マネージャー陣から経営陣に向けて、問題点や疑問点を言いにくいのではないでしょうか?社内コミュニケーションも不足しているようですし。

設定した目標や計画が社内に浸透していないようですが、原因は何が考えられますか?

安東

社内の目標や計画を立てる時点で、社員同士の認識がズレていると思います。

例えば「山に登るぞ!」と決めたとします。「どうやって、いつ登るか?」などの計画は全員理解していたとしても「どの山に登るか?」を把握していない状態です。

つまり東西南北の方向性が決まっていないまま、計画を立てて決定した気になっているのではないでしょうか。

また、計画の立て方も良くないです。経営陣やマネージャー陣で計画を立てるための議論をしている時も「終了の時間がきたので、これで決まり!」と目標や計画を決定していたように感じます。

要するに「決まったようで、決まっていない」状態のまま、目標や計画を進めてしまっているのです。

加藤

目標や計画を「決めた気」になっているのですね。目標や計画も、社員全員が簡単に理解できるようなものにした方が良いと思います。

皆さんも日々の業務で忙しいので、社内の目標や計画はすぐに忘れてしまいますからね。ワンフレーズで頭に残りやすい目標や計画であれば、目標や計画を意識しながら仕事ができるのではないでしょうか。

福永

社員のイメージにばらつきがあるのも、認識がズレてしまう大きな要因です。

例えば現在フクナガで掲げている「ミッション経営」や「コト売り」の認識が社員ごとで違うのに、「ミッション経営」や「コト売り」を目標や計画に組み込んでいます。

加藤

目標や計画をフクナガの社員に浸透させるには、大まかに2つのやるべきことがありそうですね。
1つは、目標や計画を決めるメンバーについてです。

「経営陣だけで決めた方が良いのか?マネージャー陣も入ったほうが良いのか?」を決めるべきでしょう。ベスト な計画や目標の立て方は、会社によってそれぞれだと思います。

もう1つは、事業計画をより具体的に出していくことです。計画や目標を立てる時点で、社員の認識をしっかり合わせるべきだと思います。

山に登るのは良いが、どの山に登るのか?までをしっかり話し合いましょう。

課題4 目標や計画の進捗を確認できていない

安東

目標や計画は立てたけど、そのあとが上手くいっていないように感じます。

目標や計画を立てても、進めていく途中で少しずつ社内の意見を汲み取って修正をかけていく必要があるはずです。しかしフクナガはそれができていない。目標や計画を立てて、立てっぱなしになっています。

そのため一度決めた目標や計画に対して、後追いができずに進捗が見えません。例えば、フクナガが重視している「ミッションに貢献しているかどうか?」が社員全員、わからないのです。

加藤

目標や計画の進捗を確認できない要因は、どのようなことが考えられますか?

目標や計画を設定してからの、進め方が良くないと思っています。

目標や計画を出すところまでは、経営層とマネージャーがひとつになっているはずです。しかしその後の進め方で、経営層とマネージャーがバラバラになっています。

経営層は社員が一丸となって、事業経営をしていたと思っていました。しかし杜氏さんによると「目標や計画を設定した後のマネージャーは、蚊帳の外だった」と感じていたそうです。

杜氏

おっしゃる通り、目標や計画を決めるところまでは一緒にやっていましたが、事業を進めるときはバラバラだと思っていました。

しかし「目標や計画に対して進捗が良くない」と経営陣に思われると、責任はマネージャー陣に委ねられてしまいます。

山崎

マネージャー陣は日々の業務も忙しいので、上層部が何をやっているのか完全に理解できておりません。通常の業務をこなすのに精一杯なのに、会社の経営目標や計画まで管理するのは難しいですよね。

加藤

目標や計画の進捗管理においても、マネージャー陣と経営陣の溝が露呈していますね。第一回目の討論会でも議題に上がりましたが、マネージャー陣と経営陣の間に入るお母さん役が必要だと感じました。

社内の意見をひとつにまとめ、会社の目標や計画に対する進捗管理ができる人間がいたとしましょう。であれば、社員の意見を経営陣に伝え、経営陣と一緒になって計画の後追いができるはずです。

そのため、お母さん役については早急に決める必要があると思いますが、いかがでしょうか?

野村

お母さん役の有無については、慎重に決断した方が良いです。

お母さん役になった人は業務が増えますし、社内で嫌われ役になってしまいます。通常の業務で忙しいのに、経営陣とマネージャー陣の板挟みになりますからね。

お母さん役に対する評価制度もないので、給与面でも割に合わないと感じます。そもそも
フクナガは、50人未満の中小企業です。

そのため、社内のメンバー間の橋渡し役が必要なのかも疑問です。社内のコミュニケーションを活性化して風通しを良くすれば、お母さん役は不要だと思います。

加藤

野村さんのおっしゃる通りですね。お母さん役を決める前に、フクナガの社員間でのコミュニケーションのあり方について、社員全員で考える必要がありそうです。

今日スタートラインに立った

加藤

今日の座談会で、目的であった「会社に対するモヤモヤ感をスッキリする」は解決できていないと思います。しかし「スッキリするための土台作り」はできたのではないでしょうか?

野村

今日はフクナガエンジニアリングの核となるメンバーで、モヤモヤをぶつけ合うことができたと思います。私を含めてここにいるメンバーは、来期の4月から新しいスタートを切りたいと考えています。

ようやく今、来期に向けたスタートラインに立った段階ではないでしょうか。来期に向けて、今日の座談会で浮かび上がった課題を、すぐに解決に向けて動いていきたいと思います。

加藤

今後、どのようなスケジュールで本件を進めていきますか?スケジュールのリミットを決めておくことで、計画を意識した行動ができるはずです。

野村

12月末ごろまでに新たなPDCAを決めて、中身を3月ごろまでに煮詰めていくイメージです。年内にジャンル決めをして「何月に、誰が何をしていく」という詳細は年明けからスタートしていきましょう。

なので、年末までにもう一度集まって「来期は何を変えて、何を決めましょう」というゴールに向けた、話し合いをしたいです。

安東

メールベースで、都度連絡していくのも良いかと思います。

事前にコンセンサスをとり、ミーティングをできるだけスムーズに行いたいです。ミーティングの議題がぶれてしまわないように、事前準備は必要だと思います。

加藤

ざっくばらんに、経営陣とマネージャー陣の貴重な意見を聞けた良い座談会だったと思います。

来期から新しいスタートを切るために、今日の座談会を良いきっかけにしましょう。来年の3月までに、必死になって意見を出し合いたいですね。

本日はありがとうございました。

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ライター:

1993年3月生まれ。現役プロボクサー兼ライター。営業マンとして建材・自動車部品を販売をしながら、ライター業をスタートする。ボクシングをはじめ、スポーツ関係は得意分野ではありますが、ジャンルを問わず執筆可能。取材の背景や目的を理解した上で、仕事を進めていくことを心がけている。ボクシングで培った粘り強さや折れない気持ちを武器に、執筆中。

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