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株式会社ダイドーハント

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株式会社ダイドーハント肌勢宜記|企業は環境適応業 社会課題解決が新規事業の条件

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株式会社ダイドーハント 代表取締役 肌勢宜記

株式会社ダイドーハントは、1939年の創業以来、時代の変化に適応した事業を展開し、時には業態も変えながら成長を続けてきました。終戦後に物資が不足していた時代には自社工場を構え「製造業」へ進出し、グローバル時代になると、自社工場を持たず、海外を中心とした協力工場と共に商品を提供する「ファブレスメーカー」となりました。

創業100周年を目指す現在においてもその時代の変化に適応する革新の姿勢は変わることなく、未来を見据えて新領域の事業探索を続けています。これまで、針金・ねじ・釘・ビス・ボルト・建築金物などを幅広く提供してきた同社は、なぜこれまでの事業と一線を画す、異分野の商品『LED水耕栽培 わたし菜園』をリリースしたのか。そのチャレンジの根底には、100年企業を見据えた企業理念と社会課題の解決への想いがありました。今回は、ダイドーハント 代表取締役 肌勢宜記さんと、新規事業開発部 梶原さんに、新規事業への取り組みや、ステークホルダーへの向き合い方について話を伺いました。

新規事業でも最も難しい「新市場×新商品」の領域にチャレンジ

──御社のモットーは何でしょうか。

肌勢 経営理念は「信用と革新」です。長年、事業を継続させていただいているということは、信用を一つ一つ積み重ねてきたからに他なりません。そういうものを引き続き大切にしていくということが一つです。一方、時代は変わっていくものですから、同じ事業をやり続けるだけでは会社を存続することはできません。そこでもう一つ、時代の半歩先を見据えて、革新的な取り組みにチャレンジしていくことを目指しています。

──水耕栽培という新規事業を取り組むに至った経緯をお聞かせください。

肌勢 約3年前から、あらたな事業の柱を増やすため、新規事業を立ち上げようと取り組み始めました。それまでは既存事業の周辺領域や、商品群を横展開する形で新規事業を拡げてきましたが、今回は新規事業の中で最も難しいといわれている領域(新たな市場に新しい商品を展開する)にチャレンジしようと決めました。理由は、社員の皆に「この会社はどんなことでもチャレンジして良いんだ」と思ってもらいたかったからです。

何も決まったものがない中で、当時の担当者とテーマを何にするのか、非常に頭を悩ませました。いろいろな角度、視点から検討していく中でまず決めたのは「社会課題を解決するものにしよう」ということでした。そして、その中で考えた結果、日本がいま直面していて、将来は他の国でも同様に大きな問題となるであろう「少子高齢化」という難題に取り組むことを決めました。高度成長期と違った人口動態の中でどのように日本経済を成長させていくのか、という国家の大きな課題から、我々の家族や両親にいかに人生を楽しんでもらうのか、といった身近な問題までを同時に考えていくことにしたのです。

この課題解決の為に我々は何ができるのか、と考えながら、各地で様々な展示会・交流会などへ参加しました。そんな中、ある展示会で運命的な出会いがあったのです。それはLEDを使った水耕栽培器を、当時流行っていた「植物工場」向けに製造しているメーカーでした。事前に、介護・福祉業界の商品やサービスについての勉強をしていたので、高齢者の抱える悩みである「認知症」や「鬱」というものに対して、植物を育てることは効果があると知っていました。そこで我々は、高齢者が自宅の部屋で、簡単に栽培できる「わたし菜園」を構想し、メーカーの協力も得ながら、商品化を進めたのです。

対象となる市場、商品について、まったくの素人だった我々は、商品に関わることについては、前述の水耕栽培器メーカーに、また介護・福祉業界については顧問の先生に教えを請いながら、戦略を練っていきました。そして、まずは老人ホームなどの高齢者施設を対象に、展示会への出展や代理店販売、DM送付などの販促活動を地道に行い、販路を拡げていきました。その結果、全国の高齢者施設での導入が進みました。少しずつ導入先が増える中、保育業界の方からは「食育」として、子供たちの教育に役立つのではないか、という声を数多くいただくようになりました。当時の保育業界では、待機児童問題解消のため、都市部を中心に小規模な保育園が増えていましたが、どこも園庭はなく、花や植物、野菜などを育てる取り組みができず悩んでおられました。また、健康的な食生活を送るための知識や食への意識を身につける「食育」に取り組む保育園も増えていました。そこで我々は、高齢者施設に加えて、保育施設向けにも営業活動の幅を広げていったのです。その活動範囲を広げる中で、手間をかけずに、より手軽にはじめていただける「わたし菜園 レンタルセット」も発売し、いまでは全国200か所近い保育施設でご利用いただいております。

LED水耕栽培「わたし菜園」

LED水耕栽培「わたし菜園」

園庭の広さに限界がある保育施設に野菜を育てる食育の機会を提供

──導入した保育園・幼稚園からはどのような反応がありますか。

梶原 子どもたちが室内で、身近に野菜を見ることができるので、「野菜の生長を毎日観察し、その変化を楽しみにしています」という声や、「野菜を食べるのが嫌いだったのに、よく食べるようになりました」という声を数多くいただきました。私自身、導入いただいた園へ見学にいった際にも、育てた野菜をみんなで収穫して、すぐに調理し、お浸しにして給食で出したところ、普段は野菜を食べない子どもが率先して食べていて、先生たちや保護者を大変驚かせる、という場面も見かけました。

最近では、スーパーの野菜売り場に、水耕栽培で育てた野菜が数多く並ぶようになり、サンドイッチ屋さんの店内では、LEDライトで野菜を育てる光景を見かけるようになりました。少しずつ身近になってきた「水耕栽培での野菜づくり」に、自分たちの保育園でも取り組んでいる、ということは、保護者からも好評を得ているそうです。なかには、子供たちのみならず、保護者も一緒になって、楽しむ姿も見られ、「親子で食育を学ぶ、良い機会になりました」といった声もいただいたそうです。

──オンライン説明会を開催されたそうですね。きっかけは何だったのでしょうか。

梶原 コロナ禍で展示会への参加が難しくなったという理由が一つです。また、1か所で開催をする展示会だけではなく、数多くの保育園・幼稚園に見てもらえるように、オンライン説明会を企画しました。当日は商品の説明だけではなく、すでに導入いただいた園の方に感想を伺ったり、実際に栽培を行っている様子も見ていただくなど、オンラインならではの企画も織り交ぜて、開催しました。

栽培活動の様子

栽培活動の様子

──その他に御社で力を入れている新規事業はありますか。

肌勢 約10年前から立ち上げた「ソーラーエコ事業」では、屋根上に太陽光パネルを取り付ける際の架台一式(ビス、ボルト、金具など)を開発から設計、製造、配送まで行い、成長し続けています。カーボンニュートラル社会の実現に向け、太陽光発電の分野はこれからも伸びていくと思いますので今後は、「あらゆる屋根に対応する架台メーカー」を目指し、注力していきたいと思います。

もう一つ、今年2月から立ち上げた、介護保険を使ったリフォーム事業があります。主に手すりの設置や段差解消が多いのですが、実際に高齢者の自宅を訪問し、工事を行い、直接やりとりを行うことは、大変なことも多いですが、やりがいも多く感じています。今後ますます増える高齢者に、住み慣れた自宅で安心して暮らしていただくため、少子高齢化という大きな課題に対して、我々にできることに少しずつ取り組んでいきたいと思います。

これからも、我々に何ができるか、を模索しながら、あらたな事業にチャレンジし、社会に貢献できる領域を増やしていきたいと考えています。

ダイドーハントのステークホルダーへの向き合い方

お客様への想い

 

お客様との向き合い方
株式会社WITH(WITHホールディングス) 代表取締役 新井実さん

肌勢 東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県で、認可保育園・小規模保育事業所・認証保育所・企業主導型保育所・学童など、合計67施設を運営している会社です。『わたし菜園』は代表の新井さん自身、大変気に入っていただき、大量に導入いただきました。弊社のわたし菜園が現在のように広げることができたのは、WITHホールディングスさんのおかげです。とても感謝しています。

大量に導入いただきましたので種や肥料などの消耗品の段取りなど、その後のオペレーションを確立するためにも大変貴重な経験をさせていただきました。また、実際にご利用いただいている現場の先生からも、生の声を直接伺うことができ、大変ありがたく思っています。

梶原 保育園が抱える問題や、現場の先生たちが何を求めているのかなど、貴重な情報をいただけて、とてもよかったです。これからも長いお付き合いをさせていただければと考えておりますので、新井社長から見て、弊社はどのような会社だと感じておられるか、あらためて伺ってみたいですね。

取引先との向き合い方
株式会社e-tach(イーテック)様

梶原 現在、「わたし菜園」の事業を運営するうえで欠かせない商品(備品、種子、肥料など)はすべて、外部の協力企業に提供いただきながら、事業を行っています。

そんな中で、開発当初から協力いただいている株式会社e-tach(イーテック)様なしには、ここまで事業を拡大することはできませんでしたので、大変感謝しております。

商品を企画した当時、まったく異業種で知識のない私たちに、一から丁寧に水耕栽培について教えていただきました。商品完成後も、多くの質問に答えていただいたり、新たな情報の意見交換を定期的に行うなど、継続してサポートしていただき、大変助かっています。今後もこの事業を成長させていくにあたり、引き続きサポートをお願いしたいと思っています。

地域社会・地球環境との向き合い方

肌勢 水耕栽培をもっと身近なものにしたいと思っています。最近、野菜工場だけではなく、水耕栽培はスーパーやサンドイッチ店などでも置かれるようになりました。身近な存在にはなってきているので、この先、もう一歩進んで、自分の家(部屋)で野菜を育てることを拡げていきたいと思います。わが家でも育てているのですが、子ども達が喜んで野菜を食べています。買ってきた野菜と違って、本当によく食べます。

こうしたライフスタイルが広がれば、野菜を収穫してから倉庫・スーパー・自宅までの移動で排出される二酸化炭素を減らすことができますし、無駄な時間もなくすことができます。SDGsの観点からも、地球環境のためになっていくでしょう。また、あらたな社会課題といえる災害時にも、『わたし菜園』が非常食として役立つことにもなるのではないかとも考えています。

社員・家族との向き合い方

肌勢 社員に向けて、事あるごとに「人生を一緒に楽しもう」とメッセージを発信しています。私自身、歳をとって最後の瞬間を迎えるときに「あ~、大変なこともあったけど、楽しい人生だった」と思えるようにしたいと考えているからです。わが社では仕事以外のイベントも多く、社員旅行や懇親会を毎年開催しますし、趣味やスポーツを通じて社員同士の交流を深める「サークル活動」も制度化し、休日も皆で楽しく過ごしています。より生産性を上げるためには、個人の力に加えて、チーム(会社)全体でのパワーが重要だと思いますので、今後も社員間の交流を活発にしていく仕組みを増やしていきたいですね。

未来との向き合い方

肌勢 『わたし菜園』は、いま、保育施設に特化して取り組んでいます。今後は、これをきっかけとして、さまざまな分野に水耕栽培を広げていきたいと思っています。未来の食料生産を支える可能性を秘めている水耕栽培を、子どもからお年寄りまで、もっと多くの人に知ってもらう機会を提供していきたいのです。

弊社はこれからも積極的に新規事業にチャレンジしていきます。雇用の創出、社会課題の解決に向けて、未来の世代へ貢献していきたいと思っています。


 

<企業情報>

株式会社ダイドーハント

https://daidohant.com/

代表者 肌勢宜記

所在地 〒564-0063 大阪府吹田市江坂町1丁目12番38号 江坂ソリトンビル1F・3F

TEL 06-6821-3021 FAX 06-6821-3031

設立 1948年9月1日(1939年8月15日創業)

資本金 9,000万円

従業員数 160名

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WRITER
サイエンスジャーナリスト
小林 浩
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1964年生まれ、群馬県出身。国立群馬高専卒。専攻は水理学と水文学。卒業後、日刊紙『東京タイムズ』をはじめ、各種新聞・雑誌の記者・編集者を務める。その後、映像クリエーターを経て、マルチメディア・コンテンツ制作会社の社長を6年務める。現在は独立し、執筆と映像制作に専念している。執筆は理系の読み物が多い。 研究論文に『景観設計の解析手法』、『遊水モデルによる流出解析手法』、著書に科学哲学啓蒙書『科学盲信警報発令中!』(日本橋出版)、SFコメディー法廷小説『科学の黒幕』(新風舎文庫、筆名・大森浩太郎)などがある。

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