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株式会社トライキッツ

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お客さまは企業を社会課題の解決に導く大切なステークホルダー|株式会社トライキッツ 河合広介

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株式会社トライキッツは、「モノづくりのまち」東京都大田区にある知る人ぞ知る「できないと言わない製造業」です。代表取締役 河合広介さんは「何を作っているのかと聞かれることが一番困る」と笑いながら語ります。なぜなら「お客さまが作りたいモノを何でも作ってきたから」。1999年の創業以来、「想いに応え、想いをカタチに!」という理念で「まだ世の中にないモノづくり」に挑戦し続け、その制作実績は1万件以上にのぼります。

今回は、なぜトライキッツがそこまでお客さま本位の仕事に徹底できるのか、さまざまなステークホルダーとどのように向き合ってきたのか、河合代表に伺いました。

正しい在り方ではない会社との付き合いをやめると宣言

──ホームページを拝見しても、本当にさまざまなモノを作っていることがわかります。

そうです。「マスクがなくて困っている」と言われれば作るし、「パソコンのボタンが欲しい」と言われれば作ります。これまで作ったことがないものばかり作ってきましたので、本当にいろいろなモノを作ってきましたね。

現在は「CARBON-izm」や「SAVE LIFE」というブランドがありますが、それは結果的に請けて形にしてきた仕事を集めてブランド化しているだけです。「カーボンのことだったら弊社に任せてください」というブランドが「CARBON-izm」です。緊急災害時用の担架、発展途上国支援事業で気象観測装置を取り付けるボックス、感染対策製品など、命を救うモノづくりが「SAVE LIFE」です。

一般社団法人公益資本主義推進協議会(PICC)で学ぶようになってから、弊社は、企業は社会の公器であるという考え方で、「公器性」という正しい企業の在り方を目指しています。取引先やお客さまにも同様の考え方を求めていくことになります。そこで弊社は、正しい在り方をしていない会社との付き合いをやめると宣言してきました。その結果、不思議なもので、今は町工場のお客さまとは思えないくらい、大手や上場企業の仕事に恵まれるようになりました。

「できない、合わない、間に合わない」と絶対に言わない

──そもそも、なぜ河合さんはトライキッツを創業したのですか。

私は生まれも育ちも大田区です。父親も町工場を営んでいました。19歳で独立したのは、モノづくりではなくて、商品を企画する仕事でした。ところが、自分で企画したものを形にするために知り合いのモノづくり屋に相談すると、たいてい「図面がないと出来ない」と言われてしまいます。

図面を描けるくらいだったら苦労しないのです。「だったら、俺がやってやろう」と、28歳のときにトライキッツを創業しました。

大田区には高度な技術力を持つ工場が多いと言われています。もちろん、一部には世界に通用するような技術力を持っている工場があります。しかし大半は、図面が支給され値段も決められていて、図面通りに不良品がないように作る工場が多いように思います。それも立派な技術力だと思いますが、弊社の求める「技術力」とは少し異なります。

株式会社トライキッツ河合広介社長

──お客さまの想いを形にするということは、技術力はもちろん、企画・設計・調達などの総合力が必要とされます。何が御社の総合力を支えているのですか。

弊社には「できない、合わない、間に合わない」ということは絶対に言わないという信条があります。全てはそこだと思います。

お客さまがこういうものを作りたいと言ったときに、やったことがないものであると、普通の工場は「できません」と言い、そこで終わってしまいます。弊社は「できません」とは言いません。まず話を聞いて、言っていることを100%はできなくても、「こうだったらできます」と代案を提案できれば済む場面はたくさんあります。

そういった意味では、技術力というよりも、知恵力といったほうがマッチしています。

──当然、一つひとつの経験がノウハウとして御社の血肉になっていくわけですね。

そう思います。今となっては笑い話ですけれども、創業して何年かたったときに、街の発明家から「ドラゴンレーダーを作りたい」と言われたことがあります。漫画『ドラゴンボール』に出てくるドラゴンボールを探すためのレーダーです。よく話を聞いたら、なくしたものを探すことができるレーダーが欲しいということでした。「できない」とは言わなかったのですが、さすがに実現はできませんでした。

しかし今の技術であったら、GPSなどを使えばできるわけです。類似商品ならAmazonで買うことができます。このように、絶対にできないということはないわけですから、お客さまが真剣に作りたいと願って相談に来たことに対して、頭ごなしに「できない」と突き放してはいけないと思っています。

「できない、合わない、間に合わない」と言わないことを信条として、「どうすればできるのか?どうすれば(コスト的に)折り合うのか?どうすれば間に合うのか?」を常に追求し挑戦し続けたことが、弊社を根底として支える土台になっています。

トライキッツのステークホルダーへの想い

「想いに応え、想いをカタチに!」という経営理念を体現しているトライキッツさん。日頃お世話になっているステークホルダーへの感謝の想いを聞かせていただきました。

 

お客さま

──御社にとってお客さまとはどのような存在なのでしょうか。

社会にはニーズが点在しています。どれだけそのニーズに応えることができたか。社会の役に立てた分だけ企業は付加価値をつけられるので、それが結果として会社の利益になります。お客さまは、「今、こういうことに困っている」「こんなものが欲しい」という相談案件を通して、弊社では見えない市場のニーズを教えていただける重要な情報提供者でもあります。お客さまとは解決すべき社会の問題を教えてくれ、それを解決することで利益を得る機会も与えてくれる大切なステークホルダーです。本当にありがたい存在だと考えています。

お客様との向き合い方
有限会社トリオ商事さん

代表取締役 加藤克弘さんは、PICC愛知支部長でもあります。「CARBON-izm」でドバイに進出した際のパートナーでした。

 

メインはセラミック系の製造業ですが、「CARBON-izm」の総販売代理店を担っていただいています。「CARBON-izm」は受注生産ではないので、在庫を一定水準維持しながら販売する必要があります。そのため資金繰りはある程度余裕を持って回さなければなりません。トリオ商事さんは総代理店として在庫を引き受けてくれたので、弊社は製造に注力することができ、本当に助かりました。

 

トリオ商事さんは、セラミック関連事業で独自のビジネスモデルを確立されています。中間資材の仕掛在庫を持つことで、注文が入り次第、普通のセラミックパーツメーカーだったら3カ月かかるところを、3日ほどの超短縮で出荷できるのです。素晴らしいビジネスモデルです。製造業では考えられないほど高い粗利率を実現しています。「こういうことに取り組むべきなんだよな」と思える弊社のいいお手本です。「本当にすごい」としか言いようがありません。

 

PICCでは、会社の「在り方」と「やり方」は両輪だとたたき込まれます。加藤さんが目指す企業の「在り方」はとてもよく分かるのですが、私が加藤さんに素直に聞きたいのは、その「やり方」です。どのようにしてビジネスモデルを作り上げてきたのか、その具体的なところをぜひお聞きしてみたいですね。

 

トライキッツ河合広介代表(カーボンイズムの商品ラインナップを背景に)

大森赤十字病院さん

2020年のコロナ禍において、同じ大田区内の大森赤十字病院さんから「フェイスシールドが足りないので困っています。御社で作れませんか」と相談がありました。それまでフェイスシールドという言葉も聞いたことがなかったのですが、当然「できません」ではなく「すぐ作ります!」と言いました。

その時に「フェイスシールド」の存在を初めて知ったくらいなので、当然、今まで作ったことがなくイチからの設計でした。「コロナと戦っている病院が困っている。すぐに頼む」と依頼したら、弊社のスタッフが頑張ってくれて、1週間ぐらいで5,000枚作りました。大森赤十字病院からは「よくこんな早くできましたね」ととても喜ばれました。

 

実は、大森赤十字病院は私が産まれた病院なのです。そんな経緯をお話したら理事長さんがとても喜んでくれて、「テレビ取材を受けてくれないか」と依頼されました。合計8回ほどテレビの報道番組で紹介されました。

すると今度は、全日本空輸株式会社(ANA)がスタッフを募って、フェイスシールドの組み立てをボランティアで手伝ってくれました。さらにメディアの取材が殺到して、弊社は一時「フェイスシールド屋」になっていました(笑)。

 

これまで企業の在り方を知り合いの経営者に訴えてきたのですが、納得してくれる方はあまり多くありませんでした。私の伝え方も上手でなかったと思いますが、具体的に世の中の役に立つことをしてメディアで報道されると、「講演してください」などと言われるようにまでなりました。口で言うだけではなく、目に見えることをしていくべきだと実感しました。

公益財団法人大田区産業振興協会さん

大田区産業振興協会さんは、「ものづくりイノベーター」という制度があり、全国の企業がモノづくりに困ったときに相談を受け、案件の内容に応じて解決できる大田区のモノづくり企業を紹介するという仲介的な役割のある団体です。

 

あるとき、大田区のモノづくりの威信をかけて、緊急災害時に人を運ぶ担架を開発するというコンペがありました。決まれば全自治会に配備されるものでしたので、弊社も参加しました。

 

コンペのプレゼンテーションのときに、私は「人様の命を1人でも救うことが目的なのだから、仮に弊社が選ばれなくても採択先を全力でサポートすることで、大田区のモノづくりの力を結集して社会に貢献したい」と話したのだそうですね。台本もなく、思いをそのまま話しただけですので、私は話した記憶が全くなく後から人に聞いて知りました。多分、普段の意識が自然に言葉で現れていたのだと思います。結果的に、7社の中から弊社が採択されましたが、そのプレゼンテーションも決め手になったらしいのです。

 

この案件によって、弊社がしっかりとしたモノづくりができる企業だと認識いただくことができ、その後案件紹介が増えました。それ以前は半年に1回ぐらい相談案件が来ればいいほうだったのですが、採択後は2カ月に1回ほど依頼が来るようになりました。さらに大森赤十字病院の報道でより広く認知いただけるようになり、月に数回ほどのペースで案件を依頼いただけるようになりました。

 

大田区産業振興協会さんとしても、他の工場に案件を振っても、「そんなものはできない」、「図面があれば作る」と言われ続けていたわけです。弊社はそういうことを言わないから、冗談で「たまには簡単な仕事を紹介してください」と言うぐらい、なぞなぞのような仕事ばかり来るのです。それでも弊社は「できない」と言わずに話を聞きます。うまくいかなかったものもありますが、大体形にしてきたので、弊社を結構重宝にしてくれるようになりました。

 

大田区で会社を営んでいる身としては、大田区の役に立っていることは弊社としても非常にありがたいですね。ご担当の方からは「他で断られてもトライキッツさんならば受けてくれる」とよく言われています。もちろん弊社としても信頼して仕事をお任せいただき大変感謝をしています。

株式会社ラポールヘア・グループ

PICC宮城支部の会員企業です。子育て中のお母さんの雇用を確保するために、美容サロンのFC展開をしている会社です。

 

代表取締役 早瀬渉さんから、去年の7月ぐらいに電話がありました。美容室ではマスクをされると顔が見えないし、ヒモがあるとシャンプーやカットで邪魔なので困っているとのことでした。これも「ヒモがなくて透明なマスクを作れないか」という、なぞなぞのよう依頼でした。今、その透明なマスクを作り、特許を出願中です。これは彼の一言がきっかけでした。「美容室には、今、こういうことで困っているんだ」という情報は我々だけでは収集しきれませんので、大変ありがたい存在です。

トライキッツのヒモがない透明なマスクの製作実績

ヒモがない透明なマスク(画像提供:株式会社トライキッツ)

 

トヨタ自動車株式会社

社会貢献推進部が中心となって、SDGsに取り組んでいます。レクサスなどカーボンを使用している高級車があるのですが、製造過程で出る端材・廃材をリサイクルして商品にしたいという相談をいただきました。やはりいろいろなところに断られたらしいのですけれども、弊社ではもちろん形にして納品しました。トヨタ博物館の来場者に販売するグッズになっています。

 

今後は、そういう廃棄物が毎日生み出される工場と相談して、トヨタ車の端材・廃材を使って商品を作る準備もしています。実現すれば、トヨタにとってもSDGsに取り組めるし、弊社にとっても社会に貢献できる取り組みですので、まさに三方よしになります。

株式会社ハンコヤドットコム

東京ビッグサイトでの展示会で、弊社の展示ブースに代表取締役 藤田優さんが来場され、「カーボンで印鑑を作りたい」と声を掛けてもらいました。2015年頃にチタンとのコンビネーションで実現しました。「CARBON-izm」としては、自動車業界以外で用途を開拓し、新境地を切り開いていただいた恩人です。

 

ネットで印鑑を作るパイオニアとして東証マザーズ上場企業になっただけでもすごいのですが、大変低姿勢で本当に素晴らしい方です。とても尊敬しています。

トライキッツのチタンとカーボンの印鑑の製作実績

チタンとカーボンのコンビネーションの印鑑(画像提供:株式会社トライキッツ)

 

社員

今までは私よりも上の年齢の人もいましたが、ここ5~10年で私が最年長になり、30代が平均になりました。弊社はプランニングなどの考える要素が大きく、手を動かして機械を動かすことが好きな者が3分の1ぐらいで、企画・デザイン・開発・設計など考える分野の者の比率が高いのが特徴です。

会社を経営する上で大切なことのひとつとして、PICCの大久保会長からは、「絶対に社員を解雇しないように」と言われています。世の中に使えない社員などはいないのだと。社員のいいところを生かしてキャスティングしてあげることこそ経営者の仕事です。自分から「他に移りたい」と言えば、止めずに「良かったね」と送り出すと思いますが、大変ありがたいことに弊社の離職率は高くはありません。

社員には感謝しかありません。社員の皆に、もっと待遇のいいところなどに転職できるチャンスはあったはずなのに、なぜそうしなかったのか。なぜ弊社にいるのかを聞いてみたいですね。

 

社員・家族との向き合い方
大橋さん

お客さまからの無理難題、フワッとしたニーズを形にするには、大橋の企画・設計力が必要です。ここは大橋がいないとまず無理です。感謝してもしきれないくらい弊社にとっては不可欠な存在です。社歴も一番長く、創業3年目に来てもらっているので、20年ぐらいになります。

福地さん

福地は、母親が私と同級生なんですね。息子が車好きで将来は経営者になりたいというので相談に乗ってほしいと頼まれたのがきっかけで、「だったらまずはうちで営業しなよ」ということで入社してもらいました。ホンダ車が大好きなので、最初に「無限」というホンダのメインブランドの商品を担当してくれ、責任感を持って一生懸命やってくれています。いろいろな意味で感謝していますし、期待している分、私としても応援しています。

本橋さん

とにかく車が大好きな25歳の社員です。愛車は車好きでないと絶対乗らないようなスーパーセブンです。自分で手を動かして機械をいじり、モノを作ることも大好きです。手掛けた製品が、いろいろな有名ブランドに採用されて雑誌に出ると、とてもやりがいになっていると思います。弊社は車好きには最高の環境だと思いますね。

 

取引先

取引先との向き合い方
株式会社東日製作所さん

トルクレンチの日本最大手のメーカーです。代表取締役社長 辻修さんは、事業承継をされて3代目となります。弊社は下請けの立場になりますが、「下請け」という言葉は一切使われません。「協力会社さん」と言って紹介してくださり本当に私たちを大切にしてくれます。2019年に創立70周年を迎えた際に、協力会社を全社、北海道旅行に招待してくれました。

これは会社の姿勢です。素晴らしいと思います。弊社もマネをして、スタッフには絶対に「下請け」と「外注」という言葉を使わせないようにしました。ここまで協力会社を大切にしてくれる企業は、他に知りません。

東日製作所さんには、「弊社をどう見ているか」を伺ってみたいですね。

株式会社アイサイトテクノロジー 横張さん

PICC本部事務局長の田村さんと株式会社フォーバルの同期だった方で、大久保会長の部下でもありました。何年前か独立して経営コンサルタントをしています。田村さんからの紹介で知り合いました。

弊社は昨年、コロナ禍で、3~4月の仕事が通常の半分ほどに落ち込みました。4月中旬に、申請できる助成金を全てあたってみようということで、横張さんにとてもお世話になりました。その後、フェイスシールドの製造等で売り上げの落ち込みを埋めることができ、何とか持ちこたえることができました。

しかし、コロナ禍になってから1日も休めませんでした。10月頃に疲労がたたり、体調がとても悪くなり会社を1カ月休みました。そのときに神様から「おまえは人に任せないからダメなんだ」と言われているような気がして、社員に任せようと決心しました。

幹部を呼び今後の計画を説明する際に横張さんにも同席してもらいました。皆が退席した後に、「社長、それがいけないのです。指示が細かすぎます。大枠の計画だけを立てて任せないと、皆が自分事として捉えることができません」と指摘されました。本当に目から鱗が落ちるようでした。そのような第三者の目が必要だと痛感しました。とても勉強になっています。

PICC東京支部を手伝ってもらうため、昨年入会していただきました。ですから、共通言語がたくさんあり、弊社にとっては最高のコンサルタントです。横張さんには、「弊社の将来性をどのように見ているのか」を聞いてみたいですね。

 

金融機関

株式会社商工組合中央金庫(商工中金)京浜島支店さん

弊社はリーマンショック時に借入返済のリスケジュールを行いました。コロナ禍でも資金調達が必要だったのですが、まだ残債がありましたので普段お世話になっている金融機関はテーブルにも載せてもらえませんでした。典型的な「雨の日に傘を貸してくれない」状態です。

 

そのようなときに商工中金の京浜島支店さんは融資をしてくださいました。気持ちとしては、金融関係の全ての取引を商工中金さんに切り替えたいほどです。海外送金は商工中金さんのほうが割高になるのですが、既に切り替えました。そのくらい感謝しています。このご恩は一生忘れることはないと思います。商工中金さんには、融資をしてくださった理由をお聞きしたいですね。

 

地球環境保全

PICCの理念に「地球益に貢献する」という壮大な課題があります。弊社の「CARBON-izm」や「SAVE LIFE」を通じてSDGs関連事業に取り組んでいきたいと考えています。

長野県の障がい者雇用の事業所の縫製工場に「CARBON-izm」の商品の製造を委託して、その売り上げの10%を公益財団法人CIESFに寄付するというスキームを組んでいます。

障がい者アートのレンタル業などの社会貢献を行っている株式会社フクフクプラスの髙橋圭さんが、その縫製工場と懇意にされているので、彼を通じて委託しています。

 

未来世代

未来との向き合い方

自分の使命・ミッションとしては、トライキッツの「器用なモノづくり」を後世に伝えていかなければならないと思っています。さらには大田区のモノづくり、日本のモノづくりのマインドを世界に発信していく必要があると思います。

PICC発展途上国支援の活動でカンボジアやベトナムなどに渡航し、現地の工場を視察した際に、日本人のモノづくりマインドをしっかり伝えていけばもっと良くなると思いました。必要なのは技術よりも心だとわかったのです。

日本と同じ工作機械を使って海外で製造しているにもかかわらず、できてくるものが明らかに違う理由は、心が違うからです。多くの東南アジアの工場では、傷があっても「機能に何の問題もない」と本気で思っています。

日本のモノづくりは、仮に製品に傷があれば瑕疵がある、プロセスに何らかの問題があったのではないかと考えますよね。そういうモノづくりの心が有形・無形の影響をもたらすことを知っています。そのような日本のモノづくりのマインドが、安全性や地球環境に優しいということにつながっていくのです。それを伝えていかないと、世界の環境は変わっていかないように思います。

トライキッツの発展途上国支援事業ODAプロジェクトのモノづくり実績

発展途上国支援事業ODAプロジェクトで命を救うモノづくりを(画像提供:株式会社トライキッツ)

世界平和と言われてもピンと来ない理由は、いきなり大きく考えてしまうからです。

例えば、リサイクル性のある材料を使って自分たちがモノづくりをすることによって、巡りめぐって連鎖的に最終的には世界平和につながるという考え方をする必要があると思います。

携帯電話の製造に必要なレアメタルは、鉱物の覇権争いや地域紛争の一因となっています。そのレアメタルを世界中のメーカーがリサイクルして再生産すれば、過度な覇権争いや紛争が緩和されます。そういう取り組みがアフリカの子供や世界の平和につながっているわけです。モノづくりにはそんな連鎖関係が少なからずある。自分たちでできることが、結果的に世界平和につながるのです。私たちは今、そういう社会性を大切にするお客さまからも、仕事を通じて勉強させていただいている途中なのです。

株式会社トライキッツ 代表取締役社長 河合広介
<企業情報>

株式会社トライキッツ

http://trykits.com

代表者:河合広介

設立:1999年4月16日

本社:〒143-0003 東京都大田区京浜島2-17-6

連絡先:03-5755-9977

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WRITER
サイエンスジャーナリスト
小林 浩
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1964年生まれ、群馬県出身。国立群馬高専卒。専攻は水理学と水文学。卒業後、日刊紙『東京タイムズ』をはじめ、各種新聞・雑誌の記者・編集者を務める。その後、映像クリエーターを経て、マルチメディア・コンテンツ制作会社の社長を6年務める。現在は独立し、執筆と映像制作に専念している。執筆は理系の読み物が多い。 研究論文に『景観設計の解析手法』、『遊水モデルによる流出解析手法』、著書に科学哲学啓蒙書『科学盲信警報発令中!』(日本橋出版)、SFコメディー法廷小説『科学の黒幕』(新風舎文庫、筆名・大森浩太郎)などがある。

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