
ユーチューバー「中町兄妹」の動画が炎上し、その影響が広がっている。妹・中町綾がイメージモデルを務める予定だったランジェリーブランド「ピーチ・ジョン」(Peach John)は、埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故に関する不適切発言が問題視され、起用を取りやめることを決定した。
同社の広報は「今回の事案を踏まえまして、公開を差し控えさせていただきました」と回答している。
不適切発言で炎上、謝罪に至る経緯
「中町兄妹」は、兄・中町JP(中町純平)と妹・中町綾による人気ユーチューバーで、登録者数は172万人にのぼる。バラエティー番組にも多数出演し、若者から高い支持を得ていた。
問題の発端は、2人が今月2日に投稿した動画内で埼玉県八潮市の県道が陥没し、トラックが転落した事故に触れたことだった。中町綾がニュースをよく見ると話す中、中町JPが「最近あったな。ハマっちゃって、生きたまま救助活動…あったね」と言及。その様子が「笑いながら話すなんて不謹慎」と批判を集め、炎上に発展した。
これを受け、2人は謝罪動画を投稿。「埼玉県八潮市陥没事故の被害に遭われた方々、そのご家族の皆様、そして今も懸命に救助活動をされている方々、いつも応援してくださっているファンの皆さま及び関係者の皆さま。この度は私たちの不適切な言動により不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした」と謝罪した。
ピーチ・ジョンの対応、影響の広がり
「ピーチ・ジョン」は、綾の起用について「ファッション誌モデルやYouTubeでの活動などにより、弊社ターゲット層の認知度が高いこと、またご本人が弊社商品の愛用者であることから起用いたしました」と説明している。しかし、炎上を受け、「今回の事案を踏まえまして、公開を差し控えさせていただきました。イメージモデルについても、同様の対応をさせていただいております」と、起用を事実上取りやめた。
また、公式インスタグラムに投稿されていた綾関連の投稿も削除されており、当初予定されていた企画「It girlが魅せる春ランジェリー」での発表も見送られた。今後の対応について、同社は「継続、降板については、現在検討中です」としている。
SNS上の反応
今回の炎上を受け、SNS上では「メーカーもこういう人物を起用していると信用問題にも関わる」「YouTubeだからで済ませてはいけない。問題がある動画には規制が必要」といった批判が相次いでいる。また、「CanCamがこの人を掲載しているのにも驚いた」といったファッション業界への影響を懸念する声も見られた。
さらに、「生放送ではなく、編集可能な動画で問題発言をスルーしたことが問題」という指摘もあり、今回の騒動が単なる失言ではなく、YouTuberとしての倫理観の問題として捉えられていることがうかがえる。
企業側のブランドリスク管理が問われる
今回の事態は、インフルエンサー起用のリスクを浮き彫りにした。人気ユーチューバーが企業の広告モデルを務めるケースは増えているが、発言や行動がブランドイメージに与える影響を企業側が慎重に判断する必要がある。
今後、ピーチ・ジョンがどのような判断を下すのか、また他の企業がインフルエンサー起用にどう対応していくのか、引き続き注目される。