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wakatte.tv、謝罪復帰で「学歴コンプレックスのある方は視聴をご遠慮ください」 変わらない“学歴いじり”はどこまで許されるのか

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wakatte.tv
wakatte.tv公式YouTubeチャンネルより 【お詫び】福島大学キャンパス調査の動画の件について謝罪させていただきます

学歴系YouTubeチャンネル「wakatte.tv」が約1カ月ぶりに活動を再開した。高田ふーみんとびーやまの2人は冒頭で改めて謝罪した一方、その直後には「学歴にコンプレックスのある方」「受験に対するトラウマがある方」は視聴を控えるよう求める注意書きを表示した。福島大学をめぐる発言で炎上し、大学側や文部科学相まで反応した後の復帰。それでも番組の基本姿勢は変えないという意思表示にも見える。では、今回の注意書きは視聴者への配慮なのか、それとも「嫌なら見るな」という線引きなのか。

 

福島大学での発言が大きな問題に

wakatte.tvは、高田ふーみんとびーやまが大学や受験、偏差値などを題材に発信するYouTubeチャンネルだ。学歴第一主義を誇張したキャラクターで大学をいじり、受験や進路をバラエティとして扱うスタイルで人気を集めてきた。登録者数は10月2日時点で約78万人に上る。

問題となったのは、8月末に公開した福島大学を訪れる動画だった。高田ふーみんは学生とのやり取りの中で、放射能や原子力について触れたうえで、福島大学には扱わせたくないという趣旨の発言をした。この一部がSNSで拡散され、福島大学や学生、さらに原発事故を経験した地域への配慮を欠くとして批判が広がった。

福島大学は9月1日、「本学を取り上げたインターネット動画について」と題する声明を発表。東日本大震災や福島第一原発事故以降、原子力災害や環境放射能に関する研究を続けてきたことを説明し、教育・研究に取り組む学生や教職員の尊厳が傷つけられることがあってはならないとの考えを示した。

 

文科相まで「偏差値で研究力を判断するのは適切ではない」

騒動はYouTube内だけにとどまらなかった。

9月4日の記者会見では、松本洋平文部科学相がこの問題について言及。福島大学の研究力について、偏差値だけで判断することは適切ではないとの考えを示したうえで、同大学が原子力災害や環境放射能、再生可能エネルギー、地域防災・復興などで成果を上げていると説明した。

つまり、今回問題になったのは単なる「大学いじり」ではなかった。受験偏差値を基準に大学の価値を笑いへ変える番組構造と、実際の研究力や地域で果たしている役割とのズレまで浮き彫りになった。

高田ふーみんはその後、不適切な発言だったとして謝罪。問題の動画も削除され、チャンネルの更新は止まった。

 

約1カ月ぶり復帰、謝罪直後に出た注意書き

10月1日、wakatte.tvは約1カ月ぶりに新しい動画を公開した。高田ふーみんは冒頭で自身の不適切な発言について謝罪し、びーやまも続いて頭を下げた。

その後、高田はwakatte.tvを「受験生向けの教育痛快バラエティ」として再び続けていく意向を表明した。ここまでは、活動再開時の謝罪として大きな違和感はない。

注目されたのは、その直後に表示された長い注意書きだった。

番組について「日本の学歴社会を皮肉る教育痛快バラエティ」と説明したうえで、揶揄表現に敏感な人、学歴にコンプレックスがある人、受験にトラウマがある人は視聴を控えるよう求めた。さらに、不快に感じた場合は直ちに視聴を中止するよう記している。

SNSでは、この注意書きが「配慮」というより「開き直り」に見えるという声が広がった。一方で、もともと強い表現を売りにしてきた番組であり、視聴者に事前に知らせる対応を評価する意見もある。

 

なぜ「学歴コンプレックス」が引っかかったのか

問題は、「刺激的な表現があります」と書いただけではなかった点にある。「学歴にコンプレックスのある方はご視聴をご遠慮ください」と名指ししたことで、不快に感じる側の問題として読める文章になったからだ。

今回の福島大学騒動では、批判されたのは単に「視聴者が傷ついた」ことだけではない。福島大学の学生や研究を、偏差値を軸にして扱ったことそのものが問題になった。さらに文科相まで、研究力を偏差値で評価することは適切ではないと指摘している。

その直後の復帰動画で「学歴コンプレックスがある人は見ないで」と掲げれば、「問題は発信内容ではなく、受け手のコンプレックスにある」と読まれてしまう余地が生まれる。ここが、今回の注意書きが再び批判を集めた最大の理由だろう。

 

注意書きを出せば「学歴いじり」は許されるのか

一方で、wakatte.tv側にも一貫した論理はある。

公式チャンネルでは以前から、学歴第一主義を誇張したブラックキャラクターが、日本の学歴社会を皮肉る番組だと説明してきた。出演者には番組の趣旨やキャラクター設定を事前に説明しているとも明記している。つまり今回の注意書きは、突然始まったものではなく、従来の番組コンセプトをさらに強く明文化した形とも言える。

ただ、注意書きには限界がある。たとえば「刺激の強い表現があります」と最初に表示しても、その後の発言がすべて許されるわけではない。出演者が同意していたとしても、その発言が特定の大学や地域、研究活動にまで影響を及ぼせば、当事者は出演者だけではなくなる。

今回の福島大学の件は、その境界線をはっきり示した。

 

学歴を笑いにする番組は、どこまで成立するのか

wakatte.tvはこれまで、偏差値や大学名を強く押し出すことで人気を築いてきた。大学受験に関心のある高校生にとって、各大学を知る入り口になっている面もある。実際、復帰を歓迎し、「全国の大学を紹介してくれることに意味がある」という声も寄せられている。

その一方で、登録者約78万人という規模まで成長したことで、一つの発言が大学や学生に与える影響も大きくなった。

福島大学の騒動後、wakatte.tvが選んだのは、番組の方向性そのものを大きく変えることではなく、「この番組はこういうものです」と以前より明確に宣言する方法だった。

だからこそ今回の復帰は、単なる活動再開以上の意味を持つ。「学歴いじり」を続けるために、視聴者へ注意書きを出す。その線引きで今後も成立するのか。それとも、大学や学生を扱う側にも、これまで以上の配慮が求められるのか。

謝罪から約1カ月。wakatte.tvは戻ってきた。ただし、福島大学をめぐって突きつけられた問題まで消えたわけではない。むしろ「学歴コンプレックスのある方は視聴をご遠慮ください」という一文によって、番組がこれから何を変え、何を変えないのかが、以前よりはっきり見えるようになった。

 

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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