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皇族数確保策、10日にも決定へ 「旧宮家養子案」と「愛子さま論」が交差する皇室典範改正の行方

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皇室典範改正
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安定的な皇位継承をめぐる与野党協議が大詰めを迎えている。焦点は、女性皇族の婚姻後の身分保持と、旧宮家男系男子の養子受け入れだ。議論は皇族数確保を目的に進む一方、愛子さまの将来をめぐる報道も重なり、制度改正の射程が改めて問われている。

 

 

与野党協議で示された「立法府の総意」案

報道各社によると、衆参両院の正副議長は6月8日、安定的な皇位継承をめぐる与野党との全体会議を開き、皇族数確保に関する「立法府の総意」案を提示した。10日に再び全体会議を開き、政府に報告する内容を決定したい考えだという。

総意案の柱は二つある。一つは、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持できるようにする案。もう一つは、1947年10月に皇籍を離脱した旧11宮家の男系男子を、養子として皇室に迎える案である。

8日の会議では、13党・会派のうち、自民、日本維新の会、国民民主、中道改革連合、参政、公明、チームみらいの7党が総意案におおむね賛成した。立憲民主党は反対の姿勢を示しつつ、10日に意見表明するとした。共産党なども反対した。

 

女性皇族の身分保持は「皇位継承」とは別問題

今回の議論で注意すべきなのは、女性皇族が結婚後も皇族に残ることと、女性天皇を認めることは別の論点だという点である。

総意案は、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する制度について、具体的な制度設計に入るよう政府に求める内容だ。ただし、女性皇族の配偶者や子が皇族の身分を持つかどうかについては明記していない。

政府の有識者会議が2021年に示した報告では、女性皇族の配偶者と子には皇族の身分を付与しないことが「考えられる」とされていた。森英介衆院議長は、今回の総意案について「それも含めて了としたと受け取ってほしい」と説明している。

つまり、女性皇族が皇室に残る制度が整っても、それだけで皇位継承資格者が増えるわけではない。現在の皇位継承資格者は、秋篠宮さま、悠仁さま、常陸宮さまの3人に限られている。皇族数確保策は、あくまで皇族数の減少に対応する制度であり、皇位継承順位そのものを大きく変えるものではない。

 

旧宮家養子案が持つ重み

もう一つの柱である旧宮家男系男子の養子案は、男系継承を維持するための選択肢として位置づけられている。

総意案では、1947年に皇籍を離脱した旧11宮家を対象に、具体的な制度設計を求める。必要があれば、一定年数ごとに見直すことも促した。森議長は、天皇家、上皇家、皇嗣家は養親になれないことを想定していると説明し、手続きについては皇室会議の議を経ることを想定していると述べた。

ただし、旧宮家の男系男子を皇室に迎える案には、国民理解や本人意思の確認など課題もある。皇籍離脱から長い年月が経過し、旧宮家の関係者は一般国民として生活してきた。制度上の受け皿をつくることと、実際に皇室に入る人がいるかどうかは同じではない。

 

愛子さまの結婚問題と結びつく報道

こうした制度論と並行して、愛子さまの結婚をめぐる報道も出ている。

デイリー新潮は6月5日、旧宮家から皇室入りする可能性のある男系男子が、愛子さまの「お婿さん候補」として取り沙汰されていると報じた。同記事では、賀陽家、久邇家、東久邇家、竹田家など旧宮家の男系男子について言及している。

一方で、愛子さまの結婚問題と養子案を絡める風潮に対する専門家の違和感も紹介された。象徴天皇制に詳しい河西秀哉・名古屋大学大学院教授は、愛子さまの意思が十分に考慮されていないように映るとして、旧宮家男系男子との成婚を望む声に対し「政略結婚だ」と反発が出ていると指摘している。

愛子さまは2022年3月の成年会見で、理想の結婚について「一緒にいて、お互いが笑顔になれるような関係」と述べている。制度論が進む中でも、結婚は本人の意思に関わる問題であり、皇族数確保策と直接結びつけて語ることには慎重さが求められる。

 

国会審議で問われる制度設計の具体性

政府は、衆参正副議長から報告を受ければ、皇室典範改正案を提出し、7月17日に会期末を迎える今国会中の成立を目指すとされる。

今後の焦点は、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する場合、その配偶者や子をどう扱うのか。旧宮家男系男子を養子として迎える場合、対象者の範囲や本人意思の確認、皇室会議の関与をどこまで明文化するのか。さらに、今回の制度改正が皇族数確保にとどまるのか、将来的な皇位継承の安定化にどこまでつながるのかも問われる。

今回の総意案は、長く停滞してきた皇族数確保策を前に進める動きではある。ただ、国民の関心は制度の形式だけに向いているわけではない。皇室を支える人々の生活や意思をどう尊重するのか。その説明を欠いたまま法整備だけが進めば、制度への理解は広がりにくい。

 

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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