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なぜ中村敬斗はJALに選ばれたのか 日本代表25歳がサッカー界屈指の広告塔になるまで

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中村敬斗
中村敬斗 公式インスタグラムより

サッカー日本代表の中村敬斗が、ピッチの外でも存在感を広げている。JALとのパートナーシップ契約に加え、スキンケア、時計、飲料ブランドでも起用が続く。なぜ企業は中村敬斗に目を向けるのか。久保建英や三笘薫とは異なる、いまの時代らしいアスリートの価値が見えてくる。

 

 

JALが契約したのは、ただの人気選手ではない

日本航空は6月1日、中村敬斗とのパートナーシップ契約を締結したと発表した。中村はフランスのスタッド・ランスに所属し、日本代表にも選出されている25歳のアタッカーだ。

JALの発表では、世界を舞台に挑戦を続ける中村の姿勢に触れ、その活動をサポートしていくとしている。航空会社と海外で戦う日本人選手。この組み合わせはわかりやすい。国内から欧州へ渡り、さらに日本代表として世界大会を目指す。中村のキャリアは、JALが描きたい「世界へ向かう日本人」のイメージと重なりやすい。

ただ、今回の契約を単なる移動サポートやスポンサー契約として見ると、少し浅い。中村が企業に選ばれている理由は、代表選手だからという一点だけではない。すでに彼は、サッカーの外側でも使われる選手になっている。

 

スキンケア、時計、ジュースまで広がる起用先

中村は2024年、メンズスキンケアブランドKINGUのブランドアンバサダーに就任した。同ブランドは発表のなかで、中村のプレースタイルや端正なルックス、力強いパフォーマンスがブランドイメージと合致すると説明している。

2025年には、高級Apple Watchケースを展開するGOLDEN CONCEPTのブランドアンバサダーに就任した。公式サイトでは、中村とのコラボレーションモデルも紹介されている。さらに2026年には、ダブルプレスジュースブランドViccaの公式アンバサダーにも起用された。

並べてみると、起用先はスポーツ用品にとどまらない。肌、時計、食生活。いずれも、競技中の姿だけでなく、日常のイメージと結びつく分野だ。

ここに中村敬斗の現在地がある。企業は彼を、ゴールを決める選手としてだけ見ていない。清潔感、ファッション性、海外で戦う若いアスリートとしての雰囲気まで含めて、ブランドの顔にしようとしている。

 

久保建英、三笘薫とは違う“売れ方”

日本代表には、それぞれ違う強みを持つ選手がいる。

久保建英は、技術だけでなく言葉でも強い。試合後のコメントや受け答えに芯があり、自分の考えをはっきり示せる選手として知られている。三笘薫は、ドリブルで世界に名前を刻んだ。プレーの再現性や研究熱心な姿勢も含めて、知的なアスリートとして見られている。

では、中村敬斗は何で選ばれているのか。

中村の場合、競技力とビジュアル、ファッションやライフスタイルとの相性が自然につながっている。ここが大きい。左サイドからゴールへ向かうアタッカーとしての実力があり、欧州でプレーする経歴もある。そのうえで、スキンケアや時計、飲料ブランドの広告にも違和感なく立てる。

これは簡単なことではない。どれほど実力があっても、美容やファッションの文脈に置くと急に不自然になる選手もいる。逆に、見た目だけで起用されても、競技での説得力がなければ長くは続かない。

中村は、その中間にいる。派手すぎず、かといって地味でもない。プレーでも広告でも、一定の絵になる。そのバランスが、企業にとって扱いやすいのだろう。

 

“イケメン選手”で終わらせると見誤る

中村敬斗を語るとき、「イケメン」「モデルのよう」という言葉は避けて通れない。実際、テレビ出演時の姿やイベントでのビジュアルに反応するファンは多い。

ただ、その言葉だけで片づけると、中村の価値をかなり取りこぼす。

中村は若くしてガンバ大阪でプロデビューし、その後、欧州へ渡った。オランダ、ベルギー、オーストリアを経て、フランスのスタッド・ランスへ移籍している。日本代表でも得点力のあるアタッカーとして期待されてきた。

つまり、企業が見ているのは顔立ちだけではない。欧州でキャリアを積み、日本代表で戦う選手であること。その競技面の土台があるからこそ、ピッチ外の華やかさにも説得力が出る。

もし実績のない選手であれば、スキンケアや時計ブランドの起用は「見た目先行」と受け取られかねない。だが中村の場合、ピッチ上の歩みがある。だからこそ、ライフスタイル分野での起用も浮かない。

 

アスリートは、試合だけを見られる時代ではない

いまのアスリートは、試合中だけを見られているわけではない。

SNSでは私服が見られ、テレビでは話し方が見られ、イベントでは立ち姿が見られる。髪型、肌、食事、身につける時計まで、競技とは直接関係のない部分もファンの記憶に残る。

これは選手にとって、かなり厳しい時代でもある。プレーで結果を出すだけでなく、画面に映ったときの印象まで評価される。少しでもずれれば、すぐに切り取られる。

中村敬斗は、その時代に合った選手の一人だ。代表選手としての実力があり、欧州でのキャリアがあり、ビジュアルやファッション性もある。だから、企業は彼を起用しやすい。サッカーファンだけでなく、美容やファッション、ライフスタイルに関心を持つ層にも届く可能性があるからだ。

 

中村敬斗の価値は、最後にピッチへ戻る

ただし、忘れてはいけないことがある。

JALとの契約も、KINGUやGOLDEN CONCEPT、Viccaでの起用も、中村敬斗の価値を広げるものではある。しかし、それが選手としての評価を決めるわけではない。

最終的に問われるのは、やはりピッチ上で何を残すかだ。

久保建英が言葉と技術で評価を積み上げ、三笘薫がドリブルで世界に印象を刻んだように、中村敬斗も自分の武器で結果を示す必要がある。どれほど企業に選ばれても、代表の左サイドで違いを作れなければ、評価はすぐに揺らぐ。

中村は、見られる選手になった。企業も、ファンも、メディアも、その存在に視線を向けている。だからこそ、この先に必要なのは話題性ではなく、ゴール前での答えだ。

洒落者と呼ばれることも、ブランドの顔になることも、中村敬斗の魅力の一部ではある。だが、その価値を本物にする場所は広告の中ではない。左サイドからゴールへ向かう、その一瞬にある。

 

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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